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民法

民法とは?
民法とは私人と私人との関係を規律する法律です。民法を制する者は資格を制すと言われています。

民法

第一編 総則

第一章 通則

■第一条(基本原則)
一項
試験は、公共の福祉に適合しなければならない。
二項
権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない。
三項
権利の濫用は、これを許さない。

■第二条(解釈の基準)
この法律は、個人の尊厳と同性の本質的平等を旨として、解釈しなければならない。

第二章 人

第一節 権利能力

■第三条
一項
私権の享有は、出生に始まる。
二項
外国人は、法令又は条約の規定により禁止される場合を除き、私権を享有する。

第二節 行為能力

■第四条(成年)
年齢二十歳をもって、成年とする。

■第五条(未成年者の法律行為)
一項
未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。
二項
前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる。
三項
第一項の規定にかかわらず、法定代理人が目的を定めて処分を許した財産は、その目的の範囲内において、未成年者が自由に処分することができる。目的を定めないで処分を許した財産を処分するときも、同様とする。

■第六条(未成年者の営業の許可)
一項
一種又は数種の営業を許された未成年者は、その営業に関しては、成年者と同一の行為能力を有する。
二項
前項の場合において、未成年者がその営業に堪えることができない事由があるときは、その法定代理人は、第四編(親族)の規定に従い、その許可を取消、又はこれを制限することができる。

■第七条(後見開始の審判)
精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者については、家庭裁判所は、本院、配偶者、四親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人、補助監督人、又は検察官の請求により、後見開始の審判をすることができる。

■第八条(成年被後見人及び成年後見人)
後見開始の審判を受けた者は、成年被後見人とし、これに後見人を付する。

■第九条
成年被後見人の法律行為は、取り消すことができる。ただし、日用品の購入その他日常生活に関する行為については、この限りでない。

■第十条(後見開始の審判の取消し)
第七条に規定する原因が消滅したときは、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、後見人(未成年後見人及び成年後見人をいう。以下同じ。)後見監督人(未成年後見監督人及び成年後見監督人をいう。以下同じ。)又は検察官の請求にとり、後見開始の審判を取り消さなければならない。

■第十一条(保佐開始の審判)
精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分である者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、後見人、後見監督人、補助人、補助監督人又は検察官の請求により、保佐開始の審判をすることができる。ただし、第七条に規定する原因がある者については、この限りでない。

■第十二条
保佐開始の審判を受けた者は、被保佐人とし、これに補佐人を付する。

■第十三条(保佐人の同意を要する行為)
一項
被保佐人が次に掲げる行為をするには、その保佐人の同意を得なければならない。ただし、第九条ただし書に規定する行為については、この限りでない。
一 元本を領収し、又は利用すること。
二 借財又は保証をすること。
三 不動産その他重要な財産に関する権利の得喪を目的とする行為をすること。
四 訴訟行為をすること。
五 贈与、和解又は仲裁合意(仲裁法(平成十五年法律第百三十八号)第二条第一項に規定する仲裁合意をいう。)をすること。
六 相続の承認若しくは放棄又は遺贈を承認すること。
七 贈与の申込みを拒絶し、負担付贈与の申込みを承諾すること。
八 新築、改築、増築又は大修繕をすること。
九 第六百二条に定める期間を超える賃貸借をすること。
二項
家庭裁判所は、第十一条本文に規定する者又は保佐人若しくは保佐監督人の請求により、被保佐人が前項各号に掲げる行為以外の行為をする場合であってもその保佐人の同意を得なければならない旨の審判をすることができる。ただし、第九条ただし書に規定することができる。ただし、第九条ただし書に規定する行為については、この限りでない。
三項
保佐人の同意を得なければならない行為について、保佐人が被保佐人の利益を害するおそれがないにもかかわらず、で王位をしないときは、家庭裁判所は、被保佐人の西友により、保佐人の同意に代わる許可を与えることができる。
四項
保佐人の同意を得なければならない行為であって、その同意又はこれに代わる許可を得ないでしたものは、取り消すことができる。

■第十四条(保佐開始の審判等の取消し)
一項
第十一条本文に規定する原因が消滅したときは、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、保佐人、保佐監督人又は検察官の請求により、保佐開始の審判を取り消さなければならない。
二項
家庭裁判所は、前項に規定する者の請求により、前条第二項の審判の全部又は一部を取り消すことができる。

■第十五条(補助開始の審判)
一項
精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分である者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、後見人、後見監督人、保佐人、保佐監督人又は検察官の請求により、補助開始の審判をすることができる。ただし、第七条又は第十一条本文に規定する原因がある者については、このが斬りでない。
二項
本人以外の者の請求により補助開始の審判をするには、本人の同意がなければならない。
三項
補助開始の審判は、第十七条第一項の審判又は第八百七十六条の九第一項の審判とともにしなければならない。

■第十六条(被補助人及び補助人)
補助開始の審判を受けた者は、被補助人とし、これに補助人を付する。

■第十七条(補助人の同意を要する審判等)
一項
家庭裁判所は、第十五条第一項本文に規定する者又は補助人若しくは補助監督人の請求により、被補助人が特定の法律行為をするにはその補助人の同意を得なければならない旨の審判をすることができる。ただし、その審判にとりその同意を得なければならないものとるすことができる行為は、第十三条第一項に規定する行為の一部に限る。
二項
本人以外の者の請求により前項の審判をするには、本人の同意がなければない。
三項
補助人の同意を得なければならない行為について、補助人が被補助人の利益を害するおそれがないにもかかわらず同意をしないときは、家庭裁判所は、被補助人の請求により、補助人の同意に代わる許可を与えることができる。
四項
補助人の同意を得なければならない行為であって、その同意又はこれに代わる許可を得ないでしたものは、取り消すことができる。

■第十八条(補助開始の審判等の取消し)
一項
第十五条第一項本文に規定する原因が消滅したときは、海底裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、補助人、補助監督人又は検察官の請求により、補助開始の審判を取り消さなければならない。
二項
家庭裁判所は、前項に規定する者の請求により、前条第一項の審判の全部又は一部を取り消すことができる。
三項
前条第一項の審判及び第八百七十六条の九第一項の審判をすべて取り消す場合には、家庭裁判所は、補助開始の審判を取り消さなければならない。

■第十九条(審判相互の関係)
一項
後見開始の審判をする場合において、本院が被保佐人又は被補助人であるときは、家庭裁判所は、その本院に係る保佐開始又は補助開始の審判を取り消さなければならない。
二項
前項の規定は、保佐開始の審判をする場合において本人が成年被後見人若しくは被補助人であるとき、又は補助開始の審判をする場合において本人が成年後見人若しくは被保佐人であるときについて準用する。

■第二十条(制限行為能力者の相手方の催告権)
一項
制限行為能力者(未成年者、成年被後見人、被保佐人及び第十七条第一項の審判を受けた被補助人をいう。以下同じ。)の相手方は、その制限行為能力者が行為能力者(行為能力の制限を受けない者をいう。以下同じ。)となった後、その者に対し、一箇月以上の期間を定めて、その期間内にその取り消すことができる行為を追認するかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる。この場合において、その者を追認したものとみなす。
二項
制限行為能力者の相手方が、制限行為能力者が行為能力者とならない間に、その法定代理人、保佐人又は補助人に対し、その権限内の行為について前項の規定する催告を発しないときも、同項後段と同様とする。
三項
特別の方式を要する行為については、前二項の期間内にその方式を具備した旨の通知を発しないときは、その行為を取消したものとみなすことができる。
四項
制限行為能力者の相手方は、被保佐人又は第十七条第一項の審判を受けた被補助人に対しては、第一項の期間内にその保佐人又は補助人の追認を得るべき旨の催告をすることができる。この場合において、その被保佐人又は補助人がその期間名地にその追認を得た旨の催告をすることができる。この場合において、その被保佐人又は被補助人がその期間内にその追認を得た旨の通知を発しないときは、その行為を取り消したものとみなす。

■第二十一条(制限行為能力者の詐術)
制限行為能力者が行為能力者であることを信じさせるため詐術を用いたときは、その行為を取り消すことができない。

第三節 住所

■第二十二条(住所)
各人の生活の本拠をその者の住所とする。

■第二十三条(居所)
一項
住所が知れない場合には、居所を住所とみなす。
二項
日本に住所を有しない者は、その者が日本人又は外国人のいずれであるかを問わず、日本におkれう居所をその者の住所とみなす。ただし、準拠法を定める法律に従いその者の住所地法によろべき場合は、この限りでない。

■第二十四条(仮住所)
ある行為について仮住所を選定したときは、その行為に関しては、その仮住所を住所とみなす。

第四節 不在者の財産の管理及び失踪の宣告

■第二十五条(不在者の財産の管理)
一項
従来の住所又は居所を去った者(以下「不在者」という。)がその財産の管理人(以下この節において単に「管理人」という。)を置かなかったときは、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求にとり、その財産の管理について必要な処分を命ずることができる。本人の不在中に管理人の権限が消滅したときも、同様とする。
二項
前項の規定による命令後、本人が管理人を置いたときは、家庭裁判所は、その管理人、利害関係人又は検察官の請求により、その命令を取り消さなければならない。

■第二十六条(管理人の改任)
不在者が管理人を置いて場合において、その不在者の生死が明らかでないときは、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求により、管理人を改任することができる。

■第二十七条(管理人の職務)
一項
前二条の規定により家庭裁判所が選任した管理人は、その管理すべき財産の目録を作成しなければならない。この場合において、その費用は、不在者の財産の中から支弁する。
二項
補材さyの生死が明らかでない場合において、利害関係人又は検察官の請求があるときは、家庭裁判所は、不在者が置いた管理人にも、前項の目録の作成を命ずることができる。
三項
前二項に定めるもののほか、家庭裁判所は、管理人に対し、不在者の座員の保存に必要と認める処分を命ずることができる。

■第二十八条(管理人の権限)
管理人は、第百三条に規定する権限を超える行為を必要とするときは、家庭裁判所の許可を得て、その行為をすることができる。不在者の生死が明らかでない場合において、その管理人が不在者が定めた権限を超える行為を必要とするときも、同様とする。

■第二十九条(管理人の担保の提供及び報酬)
一項
家庭裁判所は、管理人に財産の管理及び返還について相当の担保を立てさせることができる。
二項
家庭裁判所は、管理人と不在者との関係その他の事情により、不在者の財産の中から、相当な報酬を管理人に与えることができる。

■第三十条(失踪の宣告)
一項
不在者の生死が七年間明らかでないときは、家庭裁判所は、利害関係人の請求により、失踪の宣告をすることができる。
二項
戦地に挑んだ者、沈没した船舶の中に在った者その他死亡の危難が去った後一年間明らかでないときも、前項と同様とする。

■第三十一条(失踪の宣告の効力)
前条第一項の規定により失踪の宣告を受けた者は同項の期間が満了した時に、同条第二項の規定により失踪の宣告を受けた者はその危難が去った時に、死亡したものとみなす。

■第三十二条(失踪の宣告の取消し)
一項
失踪者が生存すること又は前条に規定する時と異なるときに死亡したことの証明があったときは、家庭裁判所は、本人又は利害関係人の請求により、失踪の宣告を取り消さなければならない。この場合において、その取消しは、失踪の宣告後その取消し前に善意でした行為の効力に影響を及ぼさない。
二項
失踪の宣告によって財産を得た者は、その取消によって権利を失う。ただし、現に利益を受けている限度においてのみ、その財産を返還する義務を負う。

第五節 同時死亡の推定

■第三十二条の二
数人の者が死亡した場合において、そのうちの一人が他の物の死亡後になお生存していたことが明らかでないときは、これらの者は、同時に死亡したものと推定する。

第三章 法人

■第三十三条(法人の成立等)
一項
法人は、この法律その他の法律の規定によらなければ、成立しない。
二項
学術、技芸、善意、祭祀、宗教、その他の公益を目的とする法人、営利事業を営むことを目的とする法人その他の法人の成立、組織、運営及び管理については、この法律その他の法律の定めるところによる。

■第三十四条(法人の能力)
法人は、法令の規定に従い、定款その他の基本約款で定められた目的の範囲内において、権利を有し、義務を負う。

■第三十五条(外国法人)
一項
外国法人は、国、国の行政区画及び外国会社を除き、その成立を認許しない、ただし、法律又は条約の規定により認許された外国法人は、この限りでない。
二項
前項の規定により認許された外国法人は、日本において成立する同種の法人と同一の私権を有する。ただし、外国人が享有することのできない権利及び法律又は条約中に特別の規定がある権利については、この限りでない。

■第三十六条(登記)
法人及び外国法人は、この法律その他の法令の定めるところにより、登記をするものとする。

■第三十七条(外国法人の登記)
一項
外国法人(第三十五条第一項ただし書に規定する外国法人に限る。以下この条において同じ。)が日本に事務所を設けたときは、三週間以内に、その事務所の所在地において、次に掲げる事項を登記しなければならない。
一 外国法人の設立の準拠法
二 目的
三 名称
四 事務所の所在場所
五 存続期間を定めたといは、その定め
六 代表者の氏名及び住所
二項
前項各号に掲げる事項に変更を生じたときは、三週間以内に、変更の登記をしなければならない。この場合において、登記前にあっては、その変更をもって第三者に対抗することができない。
三項
代表者の職務の執行を停止し、もしくはその職務を代行する者を選任する仮処分命令又はその仮処分命令を変更し、もしくは取り消す決定がされたときは、その登記をしなければならない。この場合においては、前項後段の規定を準用する。
四項
前二項の規定により登記すべき事項が外国において生じたたおきは、登記の期間は、その通知が到達した日から起算する。
五項
外国法人が初めて日本に事務所を設けたときは、その事務所を移転したときは、第三者は、その法人の成立を否認することができる。
六項
外国法人が事務所を移転したときは、旧所在地においては三週間以内に移転の登記をし、新所在地においては四週間以内に第一項各号に掲げる事項を登記しなければならない。
七項
同一の登記所の管轄区域内において事務所を移転したときは、その移転を登記すれば足りる。
八項
外国法人の代表者が、この条に規定する登記を怠ったときは、五十万円以下の過料に処する。

■第三十八条から第八十四条まで
{法人の設立・管理。解散に関する規定}削除

第四章 物

■第八十五条(定義)
この法律において「物」とは、有体物をいう。

■第八十六条(不動産及び動産)
一項
土地及びその定着物は、不動産とする。
二項
不動産以外の物は、すべて動産とする。
三項
無記名債権は、動産とみなす。

■第八十七条(主物及び従物)
一項
物の所有者が、その物の常用に供するため、自己の所有に属するほかの物をこれに附属させたときは、その附属させた物を従物とする。
二項
従物は、主物の処分に従う。

■第八十八条(天然果実及び法定果実)
一項
物の用法に従い収取する産出物を天然果実とする。
二項
物の使用の対価として受けるべき金銭その他の物を法定果実とする。

■第八十九条(果実の帰属)
一項
天然果実は、その元物から分離する時に、これを収取する権利を有する者に帰属する。
二項
法定果実は、これを収取する権利の存続期間に応じて、日割計算によりこれを取得する。

第五章 法律行為

第一節 総則

■第九十条(公序良俗)
公の秩序又は善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は、無効とする。

■第九十一条(任意規定と異なる意思表示)
法律行為の当事者が法令中の公の秩序に関しない規定と異なる意思表示をしたときは、その意思に従う。

■第九十二条(任意規定と異なる慣習)
法令中の公の秩序に関しない規定と異なる慣習がある場合において、法律行為の当事者がその慣習による意思を有しているものと認められるときは、その慣習に従う。

第二節 意思表示

■第九十三条(心理留保)
意思表示は、表意者がその真意ではないことを知ってしたときであっても、そのためにその効力を妨げられない。ただし、相手方が表意者の真意を知り、又は知ることができたときは、その意思表示は、無効とする。

■第九十四条(虚偽表示)
一項
相手方と通じてした虚偽の意思表示は、無効とする。
二項
前項の規定による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない。

■第九十五条(錯誤)
意思表示は、法律行為の要素に錯誤があったときは、無効とする。ただし、表意者に重大な過失があったときは、表意者は、自らその無効を主張することができない。

■第九十六条(詐欺又は強迫)
一項
詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。
二項
相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合においては、相手方がその事実を知っていたときに限り、その意思表示を取り消すことができる。
三項
前二項の規定による詐欺による意思表示の取り消しは、善意の第三者に対抗することができない。

■第九十七条(隔地者に対する意思表示)
一項
隔地者に対する意思表示は、その通知が相手方に到達した時からその効力を生ずる。
二項
隔地者に対する意思表示は、表意者が通知を発した後に死亡し、又は行為能力を喪失したときであっても、そのためにその効力を妨げられない。

■第九十八条(公示による意思表示)
一項
意思表示は、表意者が相手方を知ることができず、又はその所在を知ることができないときは、公示の方法によってすることができる。
二項
前項の公示は、公示送達に関する民事訴訟法(平成法律第百九号)の規定に従い、裁判所の掲示場に掲示し、かつ、その刑事があったことを官報に少なくとも一回掲載して行う。ただし、裁判所は、相当と認めるときは、官報への掲載に代えて、市役所、区役所、町村役場又はこれらに準ずる施設の掲示場に掲示すべきことを命ずることができる。
三項
公示による意思表示は、最後に官報に掲載した日又はその掲載に代わる掲示を始めた日から二週間を経過した時に、相手方に到達したものとみなす。ただし、表意者が相手方を知らないこと又はその所在を知らないことについて過失があったときは、到達の効力を生じない。
四項
公示に関する手続は、相手方を知ることができない場合には表意者の所在地の、相手方の所在を知ることができない場合には相手方の最後の住所地の簡易裁判所の管轄に属する。
五項
裁判所は、表意者に、公示に関する費用を予納させなければならない。

■第九十八条の二(意思表示の受領能力)
意思表示の相手方がその意思表示がその意思表示を受け時に未成年者又は被後見人であったときは、その意思表示をもってその相手方に対抗することができない。ただし、その法定代理人がその意思表示を知った後は、この限りでない。

第三節 代理

■第九十九条(代理行為の要件及び効果)
一項
代理人がその権限内において本人のためにすることを示してした意思表示は、本人に対して直接にその効力を生ずる。
二項
全欧の規定はm¥、第三者が代理人に対してした意思表示について準用する。

■第百条(本人のためにすることを示さない意思表示)
代理人が本人のためにすることを示さないでした意思表示は、自己のためにしたものとみなす。ただし、相手方が、代理人が本人のためにすることを知り、又は知ることができたときは、前条第一項の規定を準用する。

■第百一条(代理行為の瑕疵)
一項
意思表示の効力が意思の不存在、詐欺、強迫又はある事情をしぅていたこと若しくは知らなかったことにつき過失があったことによって影響を受けるべき場合には、その事実の有無は、代理人について決するものとする。
二項
特定の法律行為をすることを委託された場合において、代理人が本人の指図に従ってその行為をしたときは、本人は、自ら知っていた次条について代理人が知らなかったことを主張することができない。本人が過失によって知らなかった事情についても同様とする。

■第百二条(代理人の行為能力)
代理人は、行為能力者であることを要しない。

■第百三条(権限の定めのない代理人の権限)
権限の定めのない代理人は、次に掲げる行為のみをする権限を有する。 一 保存行為 二 代理の目的である物又は権利の性質を変えない範囲内において、その利用又は改良を目的とする行為

■第百四条(任意代理人による復代理)
委任による代理人は、本人の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければn、復代理人を選任することができない。

■第百五条(復代理人を選任した代理人の責任)
一項
代理人は、前条の規定により復代理人を選任したときは、その選任及び監督について、本人に対してその責任を負う。
二項
代理人は、本人の指名に従って復代理人を選任したときは、前項の責任を負わない。ただし、その代理人が、復代理人が不適任又は不誠実であることを知りながら、その旨を本人に通知し又は復代理人を解任することを知ったときは、この限りでない。

■第百六条(法定代理人による復代理人の選任)
法定代理人は、自己の責任で復代理人を選任することができる。この場合において、やむを得ない事由があるときは、前条第一項の責任のみを負う。

■第百七条(復代理人の権限等)
一項
復代理人は、その権限内の行為について、本人を代表する。
二項
復代理人は、本人及び第三者に対して、代理人と同一の権利を有し、義務を負う。

■第百八条(自己契約及び双方代理)
同一の法律行為については、相手方の代理人となり、又は当事者双方の代理人となることはできない。ただし、債務の履行及び本人があらかじめ許諾した行為については、この限りでない。

■第百九条(代理権授与の表示による表見代理)
第三者に対しては人に代理権を与えた旨を表示した者は、その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間でした行為について、その責任を負う。ただし、第三者が、その他人が代理権を与えられていないことを知り、又は過失によって知らなかったときは、この限りでない。

■第百十条(権限外の行為の表見代理)
前条本文の規定は、代理人がその権限外の行為をした場合において、第三者が代理人の権限があると信ずべき正当な理由があるときについて準用する。

■第百十一条(代理権の消滅事由)
一項
代理権は、次に掲げる事由にとって消滅する。
一 本人の死亡
二 代理人の死亡又は代理人が破産開始の蹴って若しくは後見開始の審判を受けたこと。
二項
委任による代理権は、前項各号に掲げる事由のほか、委任による代理権は、前項各号に掲げる事由のほか、委任の終了によって消滅する。

■第百十二条(代理権消滅後の表見代理)
代理権の消滅は、善意の第三者に対抗することができない。ただし、第三者が過失によってその事実を知らなかったときは、この限りでない。

■第百十三条(無権代理)
一項
代理権を有しないものが他人の代理人としてした契約は、本人がその追認をしなければ、本人に対してその効力を生じない。
二項
前項の規定は、他人の代理人として契約をしたものが代理権を有しないことを相手方が知っていたとき、もしくは過失によって知らなかったとき、若しくは過失によって知らなかったとき、又は他人の代理人として契約をしたものが行為能力を有しなかったときは、適用しない。

■第百十四条(無権代理の相手方の催告権)
前条の場合において、相手方は、本人に対し、相当の期間を定めて、その期間内に追認をするかどうかを催告すべき旨の催告をすることができる。この場合において、本人がその期間内に確答をしないときは、追認を拒絶したものとみなす。

■第百十五条(無権代理の相手方の取消権)
代理権を有しないものがした契約は、本人が追認をしない間は、相手方が取り消すことができる。ただし、契約の時において代理権を有しないことを相手方が知っていたときは、この限りでない。

■第百十六条(無権代理の追認)
追認は、別段の意思表示がないときは、契約の時にさかのぼってその効力を生ずる。ただし、第三者の権利を害することはできない。

■第百十七条(無権代理人の責任)
一項
他人の代理人として契約をしたものは、自己の代理権を証明することができず、かつ、本人の追認を得ることができなかったときは、相手方の選択に従い、相手方に対して履行又は損害賠償の責任を負う。
二項
前項の規定は、他人の代理人として契約をしたものが代理権を有しないことを相手方が知っていたとき、もしくは過失によって知らなかったとき、又は他人の代理人として契約をしたものが行為能力を有しなかったときは、適用しない。

■第百十八条(単独行為の無権代理)
単独行為については、その行為の時において、相手方が、代理人と称する者が代理権を有しないで行為をすることに同意し、又はその代理権を争わなかったときに限り、第百十三条まら前条までの規定を準用する。代理権を有しない者に対しその同意を得て単独行為をしたときも、同様とする。

第四節 無効及び取消し

■第百十九条(無効な行為の追認)
無効な行為は、追認によっても、その効力をしょうじない。ただし、当事者がその行為の無効であることを知って追認をしたときは、新たな行為をしたものとみなす。

■第百二十条(取消権者)
一項
行為能力の制限によって取り消すことができる行為は、制限行為能力者又はその代理人、承継人若しくは同意をすることができる者に限り、取り消すことができる。
二項
詐欺又は強迫によって取り消すことができる行為は、瑕疵ある意思表示をしたもの又はその代理人若しくは承継人に限り、取り消すことができる。

■第百二十一条(取消しの効果)
取り消された行為は、初めから無効であったものとみなす。ただし、制限行為能力者は、その行為のよって現に利益を受けている限度において、返還の義務を負う。

■第百二十二条(取り消すことができる行為の追認)
取り消すことができる行為は、第百二十条に規定する者が追認したときは、以後、取り消すことができない。だだし、追認によって第三者の権利を害することはできない。

■第百二十三条(取消し及び追認の方法)
取り消すことができる行為の相手方が確定している場合には、その取消し又は追認は、相手方に対する意思表示によってする。

■第百二十四条(追認の要件)
一項
追認は取消しの原因となっていた状況が消滅した後にしなければ、その効力を生じない。
二項
成年被後見人は、行為能力者となった後にその行為を了知したときは、その了知をした後でなければ、追認をすることができない。
三項
前二項の規定は、法定代理人又は制限行為能力者の保佐人若しくは補助人が追認をする場合には、適用しない。

■第百二十五条(法定追認)
前条の規定により追認をすることができる時以後に、取り消すことができる行為について次に掲げる事実があったときは、追認をしたものとみなす。ただし、異議をとどめたときは、この限りでない。
一 全部又は一部の履行
二 履行の請求
三 更改
四 担保の供与
五 取り消すことができる行為によって取得した権利の全部又は一部の譲渡
六 強制執行

■第百二十六条(取消権の期間の制限)
取消権は、追認をすることができる時から五年間行使しないときは、時効によって消滅する。行為の時から二十年を経過したときも、同様とする。

第五節 条件及び期限

■第百二十七条(条件が成就した場合の効果)
一項
停止条件付法律行為は、停止条件が成就した時からその効力を生ずる。
二項
解除条件付法律行為は、解除条件が成就した時からその効力を失う。
三項
当事者が条件が成就した場合の効果をその成就した時以前にさかのぼらせる意思を表示したときは、その意思に従う。

■第百二十八条(条件の成否未定の間における相手方の利益の侵害の禁止)
条件付法律行為の各当事者は、条件の成否が未定である間は、条件が成就した場合にその法律行為から生ずべき相手方の利益を害することができない。

■第百二十九条(条件の成否未定の間における権利の処分等)
条件の成否が未定である間における当事者の権利義務は、一般の規定に従い、処分し、相続し、もしくは保存し、又はそのために担保を今日することができる。

■第百三十条(条件の成就の妨害)
条件が成就することにとって不利益を受ける当事者が故意にその条件の成就を妨げたときは、相手方は、その条件が成就したものとみなすことができる。

■第百三十一条(既成条件)
一項
条件が法律行為の時に既に成就していた場合において、その条件が停止条件であるときはその法律行為は無条件とし、その条件が解除条件であるときはその法律行為は無効とする。
二項
条件が成就しないことが法律行為の時に既に確定していた場合において、その条件が停止条件であるときはその法律行為は無効とし、その条件が解除条件であるときはその法律行為は無条件とする。
三項
前二項に規定する場言いにおいて、当事者が条件が成就したこと又は成就しなかったことを知らない間は、第百二十八条(条件の成否未定の間における権利の処分等)の規定を準用する。

■第百三十二条(不法条件)
不法な条件を付した法律行為は、無効とする。不法な行為をしないことを条件とするものも、同様とする。

■第百三十三条(不能条件)
一項
不能の停止条件を附した法律行為は、無効とする。
二項
不能の解除条件を附した法律行為は、無条件とする。

■第百三十四条(随意条件)
停止条件付法律行為は、その条件が単に債務者の意思のみに係るときは、無効とする。

■第百三十五条(期限の到来の効果)
一項
法律行為に始期を付したときは、その法律行為の履行は、期限が到来するまで、これを請求することができない。
二項
法律行為に終期を付したときは、その法律行為の効力は、期限が到来した時に消滅する。

■第百三十六条(期限の利益及びその放棄)
一項
期限は、債務者の利益のために定めたものと推定する。
二項
期限の利益は、放棄することができる。ただし、これによって相手方の利益を害することはできない。

■第百三十七条(期限の利益の喪失)
次に掲げる場合には、債務者は、期限の利益を主張することができない。
一 債務者が破産手続開始の決定を受けたとき。
二 債務者が担保を滅失させ、損傷させ、又は減少させたとき。
三 債務者が担保を供する債務を負う場合において、これを供しないとき。

第六節 期間の計算

■第百三十八条(期間の計算の通則)
期間の計算方法は、法令若しくは裁判上の命令に特別の定めがある場合又は法律行為に別段の定めがある場合を除き、この章の規定に従う。

■第百三十九条(期間の起算)
時間によって期間を定めたときは、その期間は、即時から起算する。

■第百四十条
日、週、月又は年によって期間を定めたときは、期間の初日は、算入しない。ただし、その期間が午前零時から始まるときは、この限りでない。

■第百四十一条(期間の満了)
前条の場合には、期間は、その末日の終了をもって終了する。

■第百四十二条
期間の末日が日曜日、国民の祝日に関する法律(昭和二十三年法律第百七十八号)に規定する休日に当たるときは、その日に取引をしない慣習がある場合に限り、期間は、その翌日に満了する。

■第百四十三条(暦による期間の計算)
一項
週、月又は年によって警官を定めたときは、その期間は、暦に従って計算する。
二項
週、月又は年の初めから期間を起算しないときは、その期間は、最後の週、月又は年においてその起算日に応当する日の前日に満了する。ただし、月又は年によって期間を定めた場合において、最後の月に応答する日がないときは、その月の末日に満了する。

第七章 時効

第一節 総則

■第百四十四条(時効の効力)
時効の効力は、その起算日にさかのぼる。

■第百四十五条(時効の援用)
時効は、当事者が援用しなければ、裁判所がこれによって裁判をすることができない。

■第百四十六条(時効の利益の放棄)
時効の利益は、あらかじめ放棄することができない。

■第百四十七条(時効の中断事由)
時効は、次に掲げる事由によって中断する。
一 請求
二 差押え、仮差押え又は仮処分
三 承認

■第百四十八条(時効の中断の効力が及び者の範囲)
前条の規定による事項の中断は、その中断の事由が生じた当事者及びその承継人の間においてのみ、その効力を有する。

■第百四十九条(裁判上の請求)
裁判上の請求は、訴えの却下又は取り下げの場合には、時効の中断の効力を生じない。

■第百五十条(支払督促)
支払督促は、債権者が民事訴訟法第三百九十二条に規定する期間内に仮執行すの宣言の申立てをしないことによりその効力を失うときは、時効の中断の効力を生じない。

■第百五十一条(和解及び調停の申立て)
和解の申立て又は民事調停法(昭和二十六年法律第二百二十二号)による調停の申立ては、相手方が出頭せず、又は和解若しくは調停が調わないときは、一箇月以内に訴えを提起しなければ、時効の中断の効力を生じない。

■第百五十二条(破産手続参加等)
破産手続参加、再生手続参加又は更生手続参加は、債権者がその届出を取り下げ、又はその届出が却下されたときは、事項の中断の効力を生じない。

■第百五十三条(催告)
催告は、六箇月以内に、裁判上の請求、支払特則の申立て、和解の申立て、民事調停若しくは家事事件手続法による調停の申立て、破産手続参加、再生手続参加、更生手続参加、差押え、仮差押え又は仮処分をしなければ、事項の中断の効力を生じない。

■第百五十四条(差押え、仮差押え及び仮処分)
差押え、仮差押え及び仮処分は、権利者の請求により又は法律の規定に従わないことにより取消されたときは、時効の中断の効力を生じない。

■第百五十五条
差押え、仮差押え及び仮処分は、時効の利益を受ける者に対してしないときは、その者に通知をした後でなければ、時効の中断の効力を生じない。

■第百五十六条(承認)
時効の中断の効力を生ずべき承認をするには、相手方の権利についての処分につき行為能力又は権限があることを要しない。

■第百五十七条(中断後の時効の進行)
一項
中断した事項は、その中断の事由が終了した時から、新たにその進行を始める。
二項
裁判上の請求によって中断した事項は、裁判が確定した時から、新たにその進行を始める。

■第百五十八条(未成年者又は成年被後見人と時効の停止)
一項
時効の期間の満了前六箇月以内の間に未成年者又は成年被後見人に法定代理人がないときは、その未成年者若しくは成年被後見人が行為能力者となった時又は法定代理人が就職した時から六箇月を経過するまでの間は、その未成年者又は成年被後見人に対して、時効は、完成しない。
二項
未成年者又は成年被後見人がその財産を管理する父、母又は後見人に対して権利を有するときは、その未成年者若しくは成年被後見人が行為能力者となった時又は後任の法定代理人が就職した時から六箇月を経過するまでの間は、その権利について、時効は、完成しない。

■第百五十九条(夫婦間の権利の時効の停止)
夫婦の一方に対して有する権利については、婚姻の解消の時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。

■第百六十条
相続財産に関しては、相続人が確定した時、管理人が選任された時又は破産手続開始の決定があった時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。

■第百六十一条(天災等による時効の停止)
時効の期間の満了の時に当たり、天災その他避けることのできない事変のための時効を中断することができないときは、その障害が消滅した時から二週間を経過するまでの間は、時効は、完成しない。

第二節 取得時効

■第百六十二条(所有権の取得時効)
一項
二十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得する。
二項
十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その占有の開始の時に、善意であり、かつ、過失がなかったときは、その所有権を取得する。

■第百六十三条(所有権以外の財産権の取得時効)
所有権以外の財産権を、自己のためにする意思をもって、平穏に、かつ、公然と行使する者は、前条の区別に従い二十年又は十年を経過した後、その権利を取得する。

■第百六十四条(占有の中止等による取得時効の中断)
第百六十二条の規定による時効は、占有者が任意にその占有を中止し、又は他人によってその占有を奪われたときは、中断する。

■第百六十五条
前条の規定は、第百六十三条の場合について準用する。

第三節 消滅時効

■第百六十六条(消滅時効の進行等)
一項
消滅時効は、権利を行使するkとおができる時から進行する。
二項
前項の規定は、始期付権利又は停止条件付権利の目的物を占有する第三者のために、その占有の開始の時から取得時効が進行することを妨げない。ただし、権利者は、その時効を中断するため、いつでも占有者の承認を求めることができる。

■第百六十七条(債権等の消滅時効)
一項
債権は、十年間行使しないときは、消滅する。
二項
債権又は所有権以外の財産権は、二十年間行使しないときは、消滅する。

■第百六十八条(定期金債権の消滅時効)
一項
定期金の債権は、第一回の弁済期から二十年間行使しないときは、消滅する。最後の弁済期から十年間行使しないときも、同様とする。
二項
提起金の債権者は、時効の中断の証拠を得るため、いつでも、その債務者に対して承認書の交付を求めることができる。

■第百六十九条(定期給付債権の短期消滅時効)
年又はこれより短い時期によって定めた金銭その他の物の給付を目的とする債権は、五年間行使しないときは、消滅する。

■第百七十条(三年の短期消滅時効)
次に掲げる債権は、三年間行使しないときは、消滅する。ただし、第二号に掲げる債権の事項は、同号の公示が就労した時から起算する。
一 医師、助産師又は薬剤師の診療、助産又は調剤に関する債権
二 工事の設計、施工又は管理を業とする者の工事に関する債権

■第百七十一条
弁護士又は弁護士法人は事件が終了した時から、公証人はその職務に関して受け取った書類について、その責任を免れる。

■第百七十二条(二年の短期消滅時効)
一項
弁護士、弁護士法人又は公証人の職務に関する債権は、その原因となった事件が終了した時から二年間行使しないときは、消滅する。
二項
前項の規定にかかわらず、同項の事件中の各事項が終了した時から五年を経過したときは、同項の期間内であっても、その事項に関する債権は、消滅する。

■第百七十三条
次に掲げる債権は、二年間行使しないときは、消滅する。
一 月又はこれより短い時期によって定めた使用人の給料に係る債権
二 時効の労力の提供又は演芸を業とする者の報酬又はその供給した物の代価に係る債権
三 運送賃に係る債権
四 旅館、料理店、飲食店、貸席又は娯楽場の宿泊料、飲食料、原料、入場料、消費物の代価又は立替金に係る債権
五 動産の損料に係る債権

■第百七十四条の二(判決で確定した権利の消滅時効)
一項
確定判決によって確定した権利については、十年より短い期間の定めがあるものであっても、その時効期間は、十年とする。裁判上の和解、調停その他確定判決と同一の効力を有するものによって確定した権利についても、同様とする。
二項
前項の規定は、確定の時に弁済期の到来していない債権については、適用しない。

第二編 物権

第一章 総則

■第百七十五条(物権の創設)
物権は、この法律その他の法律に定めるもののほか、創設することができない。

■第百七十六条(物権の設定及び移転)
物権の設定及び移転は、当事者の意思表示のみによって、その効力を生ずる。

■第百七十七条(不動産に関する物権の変動の対抗要件)
不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。

■第百七十八条(動産に関する物権の譲渡の対抗要件)
動産に関する物権の譲渡は、その動産の引渡しがなければ、第三者に対抗することができない。

■第百七十九条(混同)
一項
同一物について所有権及び他の物件が同一人に貴族したときは、当該他の物件は、消滅する。ただし、その物又は当該他の物件が第三者の権利の目的であるときは、この限りでない。
二項
所有権以外の物件及びこれを目的とおするほかの権利は、消滅する、この場合においては、前項ただし書の規定を準用する。
三項
前二項の規定は、占有権については、適用しない。

第二章 占有権

第一節 占有権の取得

■第百八十条(占有権の取得)
占有権は、代理人によって取得することができる。

■第百八十一条(代理占有)
占有権は、代理人によって取得することができる。

■第百八十二条(現実の引渡し及び簡易の引渡し)
一項
占有権の譲渡は、占有物の引渡しによってする。
二項
譲受人又はその代理人が現に占有物を所持する場合には、占有権の譲渡は、当事者の意思表示のみにとってすることができる。

■第百八十三条(占有改定)
代理人が自己の占有物を以後本人のために占有する意思を表示したときは、本人は、これによって占有権を取得する。

■第百八十四条(指示による占有移転)
代理人によって占有をする場合において、本人がその代理人に対して以後第三者のためにその物を占有することを命じ、その第三者がこれを承諾したときは、その第三者は占有権を取得する。

■第百八十五条(占有の性質の変更)
権原の性質上占有者に所有の意思がないものとされる場合には、その占有者が、自己に占有をさせた者に対して所有の意思があることを表示し、又は新たな権原により更に所有の意思をもって占有を始めるのでなければ、占有の性質は、変わらない。

■第百八十六条(占有の態様等に関する推定)
一項
占有権は、所有の意思をもって、善意で、平穏に、かつ、公然と占有をするものと推定する。
二項
前後の両時点において占有をした証拠があるときは、占有は、その間継続したものと推定する。

■第百八十七条(占有の承継)
一項
占有者の承継人は、その選択に従い、自己の占有のみを主張し、又は自己の占有に前の占有者の占有を併せて主張することができる。
二項
前の占有者の占有を併せて主張する場合には、その瑕疵をも承継する。

第一節 占有権の効力

■第百八十八条(占有物について行使する権利の適法の推定)
占有者が占有物について行使する権利は、適法に有するものと推定する。

■第百八十九条(善意の占有者のよる果実の取得等)
一項
善意の占有者は、占有物から生じた占有物を取得する。
二項
善意の占有者が本権の訴えにおいて敗訴したときは、その訴えの提起の時から悪意の占有者とみなす。

■第百九十条(悪意の占有者による果実の返還等)
一項
悪意の占有者は、果実を返還し、かつ、既に消費し、過失によって損傷し、又収取を怠った果実の代価を償還する義務を負う。
二項
前項の規定は、暴行若しくは強迫又は隠匿によって占有をしている者について準用する。

■第百九十一条(占有者による損害賠償)
占有物が占有者の責めに帰すべき事由によって消滅し、又は損傷したときは、その回復者に対し、悪意の占有者はその滅失又は損傷によって現に利益を受けている限度において賠償をする義務を負う。ただし、所有の意思のない占有者は、善意であるときであっても、全部の賠償をしなければならない。

■第百九十二条(即時取得)
取引行為によって、平穏に、かつ、公然と動産の占有を始めた者は、善意であり、かつ、過失がないときは、即時にその動産について行使する権利を取得する。

■第百九十三条(盗品又は逸失物の回復)
前条の場合において、占有物が盗品又は遺失物であるときは、被害者又は遺失者は、盗難又は遺失の時から二年間、占有者に対してその物の回復を請求することができる。

■第百九十四条
占有者が、盗品又は遺失物を、競売若しくは公の市場において、又はその物と同種の物を販売する商人から、善意で買い受けたときは、被害者又は遺失者は、占有者が支払った代価を弁償しなければ、その物を回復することができない。

■第百九十五条(動物の占有による権利の取得)
家畜以外の動物で他人が飼育していたものを占有する者は、その占有の開始の時に善意であり、かつ、その動物が飼主から回復の請求を受けなかったときは、その動物について行使する権利を取得する。

■第百九十六条(占有者による費用の償還請求)
一項
占有者が占有物を返還する場合には、その物の保存のために支出した金額その他の必要費を回復者から償還させることができる。ただし、占有者が果実を取得したときは、通常の必用費は、占有者の負担に帰する。
二項
占有者が占有物の改良のために支出した金額その他の有益費については、その価格の増加が現存する場合に限り、回復者の選択に従い、その支出した金額又は増価額を償還させることができる。ただし、悪意の占有者に対しては、裁判所は、回復者の請求により、その償還について相当の期限を許与することができる。

■第百九十七条(占有の訴え)
占有者は、次条から第二百二条まえの規定に従い、占有の訴えを的することができる。他人のために占有をする者も同様とする。

■第百九十八条(占有保持の訴え)
占有者がその占有を妨害されたときは、占有保持の訴えにより、その妨害の停止及び損害の賠償を請求することができる。

■第百九十九条(占有保全の訴え)
占有者がその占有を妨害されるおそれがあるときは、占有保全の訴えにより、その妨害の予防又は損害賠償の担保を請求することができる。

■第二百条
一項
占有者がその占有を奪われたときは、占有回収の訴えにより、その物の返還及び損害の賠償を請求することができる。
二項
占有回収の訴えは、占有を侵奪した者の特定承継人に対して提起することができない。ただし、その承継人が侵奪の事実を知っていたときは、この限りでない。

■第二百一条(占有の訴えの提起期間)
一項
占有保持の訴えは、妨害の存する間又はその消滅した後一年以内に提起しなければならない。ただし、工事により施入物に損害を生じた場合において、その工事により占有物に損害を生じた場合において、その工事により占有物に損害を生じた場合において、その工事に着手した時から一年を経過し、又はその工事が完成したときは、これを提起することができない。
二項
占有保全の訴えは、妨害の危険の存する間は、提起することができる。この場合において、工事により占有物に損害を生ずるおそれがあるときは、前項だだし書の規定を準用する。
三項
占有回収の訴えは、占有を奪われた時から一年いないに提起しなければならない。

■第二百二条(本権の訴えとの関係)
一項
占有の訴えは本権の訴えを妨げず、また、本権の訴えは占有の訴えを妨げない。
二項
占有の訴えについては、本権に関する理由に基づいて裁判をすることができない。

第三節 占有権の消滅

■第二百三条(占有権の消滅事由)
占有権は、占有者が占有の意思を放棄し、又は占有物の所持を失うことによって消滅する。ただし、占有者が占有回収の訴えを提起したときは、この限りでない。

■第二百四条(代理占有権の消滅事由)
一項
代理人によって占有をする場合には、占有権は、次に掲げる事由によって消滅する。
一 本人が代理人に対して以後自己又は第三者のために占有物を所持する意思を表示したこと。
三 代理人が占有物の所持を失ったこと。
二項
占有権は、代理権の消滅のみによっては、消滅しない。

第四節 準占有

■第二百五条
この章の規定は、自己のためにする意思をもって財産権の行使をする場合について準用する。

第三章 所有権

第一節 所有権の限界

第一款 所有権の内容及び範囲

■第二百六条(所有権の内容)
所有権は、法令の制限内において、自由にその所有物の使用、収益及び処分をする権利を有する。

■第二百七条(土地所有権の範囲)
土地の所有権は、法令の制限内において、その土地の上下に及ぶ

■第二百八条(建物の区分所有)
削除

第二款 相隣関係

■第二百九条(隣地の使用請求)
一項
土地の所有者は、境界又はその付近において障壁又は建物を築造し又は修繕するため必要な範囲内で、隣地の使用を請求することができる。ただし、隣人の承諾がなければ、その住家に立ち入ることはできない。
二項
前項の場合において、隣人が損害を受けたときは、その償金を請求することができる。

■第二百十条(公道に至るための他の土地の通行権)
一項
他の土地の囲まれて公道に通じない土地の所有者は、公道に至るため、その土地を囲んでいる他の土地を通行することができる。
二項
池沼、河川、水路若しくは海を通らなければ公道に至ることができないとき、又は崖があって土地と公道とに著しい高低差があるときも、前項と同様とする。

■第二百十一条
一項前項の場合には、通行の場所及び方法は、同条の規定による通行権を有する者のために必要であり、かつ、他の土地のために損害が最も少ないものを選ばなければならない。
二項
前条の規定による通行権を有する者は、必要があるときは、通路を開設することができる。

■第二百十二条
前二百条の規定による通行権を有する者は、その通行する者の土地の損害に対して償金を支払わなければならない。ただし、通路の開設のために生じた損害に対するものを除き、一年ごとにその償金を支払うことができる。

■第二百十三条
一項
分割によって公道に通じない土地が生じたときは、その土地の所有者は、公道に至るため、他の分割者の所有地のみを通行することができる。この場合においては、償金を支払うことを要しない。
二項
前項の規定は、土地の所有者がその土地の一部を譲り渡した場合について準用する。

■第二百十四条(自然水流に対する妨害の禁止)
土地の所有者は、隣地から水が自然に流れて来るのを妨げてはならない。

■第二百十五条(水流の障害の除去)
水流が天災その他避けることのできない事変により低地において閉塞したときは、高地の所有者は、自己の費用で、水流の障害を除去するため必要な工事をすることができる。

■第二百十六条(水流に関する工作物の修繕等)
他の土地に貯水、排水又は引水のために設けられた工作物の破壊又は閉塞により、自己の土地に損害が及び、又は及ぶおそれがある場合には、その土地の所有者は、当該後かの土地の所有者に、工作物の修繕若しくは障害の除去をさせ、又は必要があるときは予防工事をさせることができる。

■第二百十七条(費用の負担についての慣習)
前二条の場合において、費用の負担について別段の慣習があるときは、その慣習に従う。

■第二百十八条(雨水を隣地に注ぐ工作物の設置の禁止)
土地の所有者は、直接に雨水を隣地に注ぐ構造の屋根その他の工作物を設けてはならない。

■第二百十九条(水流の変更)
一項
溝、堀その他の水流他の所有者は、対岸の土地が他人の所有に属するときは、その水路又は幅員を変更してはならない。
二項
両岸の土地が水流地の所有者に属するときは、その所有者は、水路及び幅員を変更することができる。ただし、水流が隣地と交わる地点において、自然の水路に戻さなければならない。
三項
前二項の規定と異なる慣習があるときは、その慣習に従う。

■第二百二十条(排水のための低地の通水)
高地の所有者は、その高地が浸水した場合にこれを乾かすため、又は自家用若しくは農工業用の余水を排出するため、公の水流又は下水道に至るまで、低地に水を通過させることができる。この場合においては、低地のために損害が最も少ない場所及び方法を選ばなければならない。

■第二百二十一条(通水用工作物の使用)
一項
土地の所有者は、その所有地の水を通過させるため、高地又は低地の所有者が設けた工作物を使用することができる。
二項
前項の場合には、他人の工作物を使用する者は、その利益を受ける場合に応じて、工作物の設置及び保存の費用を分担しなければならない。

■第二百二十二条(堰の設置及び使用)
一項
水流地の所有者は、堰を設ける必要がある場合には、対岸の土地が他人の所有に属するときであっても、その堰を対岸に付着させて設けることができる。ただし、これによって生じた損害に対して償金を支払わなければならない。
二項
対岸の土地の所有者は、水流地の一部がその所有に属するときは、前項の堰を使用することができる。
三項
前条第二項の規定は、前項の場合について準用する。

■第二百二十三条(境界標の設置)
土地の所有者は、隣地の所有者と共同の費用で、境界標を設けることができる。

■第二百二十四条(境界標の設置及び保存の費用)
境界標の設置及び保存の費用は、相隣者が等しい割合で負担する。ただし、測量の費用は、その土地の広狭に応じて分担する。

■第二百二十五条(囲障の設置)
一項
二棟の建物がその所有権を異にし、かつその間に空地があるときは、各所有者は、他の所有者と共同の費用で、その境界に囲障を設けることができる。
二項
当事者間に協議が調わないときは、前項の囲障は、板塀又は竹垣その他これらに類する材料のものであって、かつ、高さ二メートルのものでなければならない。

■第二百二十六条(囲障の設置及び保存)
前条の囲障の設置及び保存の費用は、相隣者が等しい割合で負担する。

■第二百二十七条
相隣者の一人は、第二百二十五条第二項に規定する材料より良好なものを用意、又は同項に規定する高さを増して囲障を設けることができる。ただし、これによって生ずる費用の増加額を負担してはならない。

■第二百二十八条(囲障の設置等に関する慣習)
前三条の規定と異なる慣習があるときは、その慣習に従う。

■第二百二十九条(境界標等の共有の推定)
境界線上に設けた境界標、囲障、障壁、溝及び堀は、相隣者の共有に属するものと推定する。

■第二百三十条
一項
一棟の建物の一部を構成する境界線上の障壁については、前条の規定は、適用しない。
二項
高さの異なる二棟の隣接する建物を隔てる障壁の高さが、低い建物の高さを超えるときは、その障壁のうち低い建物を超える部分についても、前項と同様とする。ただし、防火障壁については、この限りでない。

■第二百三十一条(共有の障壁の高さを増す工事)
一項
相隣者の一人は、共有の障壁の高さを増すことができる。自己の費用で、必要な工作を加え、又はその障壁を改築してしなければならない。
二項
前項の規定により障壁の高さを増した部分は、その工事をした者の単独の所有に属する。

■第二百三十二条
前条の場合において、隣人が損害を受けたときは、その償金を請求することができる。

■第二百三十三条(竹木の枝の切除及び根の切取り)
一項
隣地の竹木の枝が境界線を越えるときは、その竹木の所有者に、その枝を切除させることができる。
二項
隣地の竹木の根が境界線を越えるときは、その根を切り取ることができる。

■第二百三十四条(境界線付近の建築の制限)
一項
建物を築造するには、境界線から五十センチメートル以上の距離を保たなければならない。
二項
前項の規定に違反して建築をしようとする者があるときは、隣地の所有者は、その建築を中止させ、又は変更させることができる。ただし、建築に着手した時から一年を経過し、m太はその建物が完成した後は、損害賠償の請求のみをすることができる。

■第二百三十五条
一項
境界線から一メートル未満の距離において他人の宅地を見通すことができる窓又は縁側(ベランダを含む。次項において同じ。)を設ける者は、目隠しを付けなければならない。
二項
前項の距離は、窓又は縁側の最も隣地に近い点から垂直線によって境界線に至るまでを測定して算出する。

■第二百三十六条(境界線付近の建築に関する慣習)
前二条の規定と異なる慣習があるときは、その慣習に従う。

■第二百三十七条(境界線付近の掘削の制限)
一項
井戸、用水だめ、下水だめ、又は肥料だめを掘るには境界線から一メートル以上、池、穴蔵又はし尿だめを掘るには境界線から一メートル以上の距離を保たなければならない。
二項
導水管を埋め、又は溝若しくは堀を掘るには、境界線からその深さの二分の一以上の距離を保たなければならない。ただし、一メートルを超えることを要しない。

■第二百三十八条(境界線付近の掘削に関する注意義務)
境界線の付近において前条の工事をするときは、土砂の崩壊又は水若しくは汚液の漏出を防ぐため必要な注意をしなければならない。

第二節 所有権の取得

■第二百三十九条(無主物の帰属)
一項
所有者の動産は、所有の意思をもって占有することによって、その所有権を取得する。
二項
所有者のない不動産は、国庫に帰属する。

■第二百四十条(遺失物の拾得)
遺失物は、遺失物法(平成十八年法律第七十三号)の定めるとことに従い公告をした後三箇月以内にその所有者が判明しないときは、これを拾得した者がその所有権を取得する。

■第二百四十一条(埋蔵物の発見)
埋蔵物は、遺失物法の定めるところに従い公告をした後六箇月以内にその所有権が判明しないときは、これを発見した者がその所有権を取得する。ただし、他人の所有する物の中から発見された埋蔵物については、これを発見した者及びその他人が等しい割合でその所有権を取得する。

■第二百四十二条(不動産の符合)
不動産の所有者は、その不動産に従として符号した物の所有権を取得する。ただし、権原によってその佛を附属させた他人の権利を妨げない。

■第二百四十三条(動産の符合)
所有権を異にする数個の動産が、符合により、損傷しなければ分離することができなくなったときは、その合成物の所有権は、主たる動産の所有者に帰属する。分離するのに過分の費用を要するときも、同様とする。

■第二百四十四条
符合した動産について主従の区別をすることができないときは、各動産の所有者は、その符号の時における価格の割合に応じてその合成物を共有する。

■第二百四十五条(混和)
前二条の規定は、所有者を異にする物が混和して識別することができなくなった場合について準用する。

■第二百四十六条(加工)
一項
他人の動産に工作を加えた者(以下この条において「加工者」という。)があるときは、その加工物の所有権は、材料の所有権に帰属する。ただし、工作によって生じた価格が材料の価格を著しく超えるときは、加工者がその加工物の所有権を取得する。
二項
前項に規定する場合において、加工者が材料の一部を供したときは、その価格に工作によって生じた価格を加えたものが他人の材料の価格を超えるときに限り、加工者がその加工物の所有権を取得する。

■第二百四十七条(付合、混和又は加工の効果)
一項
第二百四十二条から前条までの規定により物の所有権が消滅したときは、その物について存する他の権利も、消滅する。
二項
前項に規定する場合において、物の所有者が、合成物、違和物又は加工物(以下この項において「合成物等」という。)の単独所有者となったときは、その物について存する他の権利は以後その合成物等について存し、物の所有者が合成物等の共有者となったときは、その物について存するほかの権利は以後その持分について存する。

■第二百四十八条(付合、混和又は加工に伴う償金の請求)
第二百四十二条から前条までの規定の適用によって損失を受けた者は、第七百三条及び第七百四条の規定に従い、その償金を請求することができる。

第三節 共有

■第二百四十九条(共有物の使用)
各共有者は、共有物の全部について、その持分に応じた使用をすることができる。

■第二百五十条(共有持分の割合の推定)
各共有者の持分は、相当しいものと推定する。

■第二百五十一条(共有物の変更)
各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更を加えることができない。

■第二百五十二条(共有物の管理)
共有物の管理に関する事項は、前条の場合を除き、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する。ただし、保存行為は、各共有者がすることができる。

■第二百五十三条(共有物に関する負担)
一項
各共有者は、その持分に応じ、管理の費用を支払い、その他共有物に関する負担を負う。
二項
共有者が一年以内に前項の義務を履行しないときは、他の共有者は、相当の償金を支払ってその者の持分を取得することができる。

■第二百五十四条(共有物についての債権)
共有者の一人が共有物について他の共有者に対して有する債権は、その特定承継人に対しても行使することができる。

■第二百五十五条(持分の放棄及び共有者の死亡)
共有者の一人が、その持分を放棄したとき、又は死亡して相続人がないときは、その持分は、他の共有者に帰属する。

■第二百五十六条(共有物の分割請求)
一項
各共有者は、いつでも共有物の分割を請求することができる。ただし、五年を超えない期間内は分割をしない旨の契約をすることを妨げない。
二項
前項だだし書の契約は、更新することができる。ただし、その期間は、更新の時から五年を超えることができない。

■第二百五十七条
前条の規定は、第二百二十九条に規定する共有物については、適用しない。

■第二百五十八条(裁判のよる共有物の分割)
一項
共有物の分割について共有者間に協議が調わないときは、その分割を裁判所に請求することができる。
二項
前項の場合において、共有物を分割することができないとき、又は分割によってその価格を著しく減少させるおそれがあるときは、裁判所は、その競売を命ずることができる。

■第二百五十九条(共有に関する債権の弁済)
一項
共有者の一人が他の共有者に対して共有に関する債権を有するときは、分割に際し、債務者に帰属すべき共有物の部分をもって、その弁済に充てることができる。
二項
債権者は、前項の弁済を受けるため債務者に帰属すべき共有物の部分を売却する必要があるときは、その売却を請求することができる。

■第二百六十条(共有物の分割への参加)
一項
共有物について権利を有する者及び各共有者の債権者は、自己の費用で、分割に参加することができる。
二項
前項の規定による参加の請求があったにもかかわらず、その請求をしたを参加させないで分割をしたときは、その分割は、その請求をしたものに対抗することができない。

■第二百六十一条(分割における共有者の担保責任)
各共有者は、他の共有者が分割によって取得した物について、売主と同じく、その持分に応じて担保の責任を負う。

■第二百六十二条(共有物に関する証書)
一項
分割が完了したときは、各分割者は、その取得した物に関する証書を保存しなければならない。
二項
共有者の全員又はそのうちの数人に分割した物に関する証書は、その物の最大の部分を取得した者が保存しなければならない。
三項
前項の場合において、最大の部分を取得した者がないときは、分割者間の協議で証書の保存者を定める。協議が調わないときは、裁判所が、これを指定する。
四項
証書の保存者は、他の分割者の請求に応じて、その証書を使用させなければならない。

■第二百六十三条(共有の性質を有する入会権)
共有の性質を有する入会権については、各地方の慣習に従うほか、この節の規定を適用する。

■第二百六十四条(準共有)
この節の規定は、数人で所有権以外の財産権を有する場合について準用する。ただし、法令に特別の定めがあるときは、この限りでない。

第四章 地上権

■第二百六十五条(地上権の内容)
地上権者は、他人の土地において工作物の又は竹木を所有するため、その土地を使用する権利を有する。

■第二百六十六条(地代)
一項
第二百七十四条から第二百七十六条まで(小作料の減免、永小作権の放棄、消滅請求)の規定は、土地権利者が土地の所有権に定期の地代を支払わなければならない場合について準用する。
二項
地代については、前項に規定するもののほか、その性質に反しない限り、賃貸者に関する規定を準用する。

■第二百六十七条(相隣関係の規定の準用)
前章第一節第二款(相隣関係)の規定は、地上権者間又は地上権者と土地の所有者との間について準用する。ただし、第二百二十九条(境界標等の共有の推定)の規定は、境界線上の工作物が地上権の設定後に設けられた場合に限り、地上権者について準用する。

■第二百六十八条(地上権の存続期間)
一項
設定行為で地上権の存続期間を定めなかった場合において、別段の慣習がないときは、地上権者は、いつでもその権利を放棄することができる。ただし、地代を支払うべきときは、一年前に予告をし、又は期限の到来していない一年分の地代をし這わなければならない。
二項
地上権者が前項の規定によりその権利を放棄しないときは、裁判所は、当事者の請求により、二十年以上五十年以下の範囲内において、工作物又は竹木の種類及び状況その他地上権の設定当時の事情を考慮して、その存続期間を定める。

■第二百六十九条(工作物等の収去)
一項
地上権者は、その権利が消滅した時に、土地を原状に復してその工作物及び竹木を収去することができる。ただし、土地の所有者が時価相当額を提供してこれを買い取る旨を通知したときは、地上権者は、正当な理由がなければ、これを拒むことができない。
二項
前項の規定と異なる慣習があるときは、その慣習に従う。

■第二百六十九条の二(地下又は空間を目的とする地上権)
一項
地下又は空間は、工作物を所有するため、上下の範囲を定めて地上権の目的とすることができる。この場合においては、設定行為で、地上権の行使のためにその土地の使用に制限を加えることができる。
二項
前項の地上権は、第三者がその土地の使用又は収益をする権利を有する場合においても、その権利又はこれを目的とする権利を有するすべての者の承諾があるときは、設定することができる。この場合において、土地の使用又は収益をする権利を有する者は、そのと条件の行使を妨げることができない。

第五章 永小作権

■第二百七十条(永小作権の内容)
永小作人は、古瀬久了を支払っては人の土地において耕作又は牧畜をする権利を有する。

■第二百七十一条(永小作人による土地の変更の制限)
永小作人は、土地に対して、回復することのできない損害を生ずべき変更を加えることができない。

■第二百七十二条(永小作権の譲渡又は土地の賃貸)
永小作人は、その権利を他人に譲り渡し又はその権利の存続期間内において耕作若しくは牧畜のため土地を賃貸すうrことができる。ただし、設定行為で禁じたときは、この限りでない。

■第二百七十三条(賃貸者に関する規定の準用)
永小作人の義務については、この章の規定及び設定行為で定めるもののほか、その性質に反しない限り、賃貸借に関する規定を準用する。

■第二百七十四条(小作料の減免)
永小作人は、不可抗力により収益について損失を受けたときであっても、小作料の免除又は減額を請求することができない。

■第二百七十五条(永小作権の放棄)
永小作人は、不可抗力によって、引き続き三年以上全く収益を得ず、又は五年以上小作料より少ない収益を得たときは、その権利を放棄することができる。

■第二百七十六条(永小作権の消滅請求)
永小作人が引き続き二年以上小作料の支払を怠ったときは、土地の所有者は、永小作権の消滅を請求することができる

■第二百七十七条(永小作権に関する慣習)
第二百七十一条から前条までの規定と異なる慣習があるときは、その慣習に従う。

■第二百七十八条(永小作権の存続期間)
一項
永小作権の存続期間は、二十年以上五十年以下とする。設定行為で五十年より長い期間を定めたときであっても、その期間は、五十年とする。
二項
永小作権の設定は、更新することができる。ただし、その存続期間は、更新の時から五十年を超えることができない。
三項
設定行為で永小作権の存続期間を定めなかったときは、その期間は、別段の慣習がある場合を除き、三十年とする。

■第二百七十九条(工作物の収去等)
第二百六十九条(地上権者による工作物等の収去等)の規定は、永小作権について準用する。

第六章 地役権

■第二百八十条(地役権の内容)
地役権は、設定行為で定めた目的に従い、他人の土地の便益に供する権利を有する。ただし、第三章第一節(所有権の限界)の規定(公の秩序に関するものに限る。)に違反しないものでなければならない。

■第二百八十一条(地役権の付従性)
一項
地役権は、要役地(地役権者の土地であって、他人の土地から便益を受けるものをいう。以下同じ。)の所有権に従辰ものとして、その所有権とともに移転し、又は要役地について存するほかの権利の目的となるものとする。ただし、設定行為に別段の定めがあるときは、この限りでない。
二項
地役権は、要役地から分離して譲り渡し、又は他の権利の目的とすることができない。

■第二百八十二条(地役権の不可分性)
一項
土地の共有者の一人は、その持分につき、その土地のために又はその土地について存する地役権を消滅させることができない。
二項
土地の分割又はその一部の譲渡の場合には、地役権は、その各部のために又はその各部について存する。ただし、地役権がその性質により土地の一部のみに関するときは、この限りでない。

■第二百八十三条(地役権の時効取得)
地役権は、継続的に行使され、かつ、外形上認識することができるものに限り、時効によって取得することができる。

■第二百八十四条
一項
土地の共有者の一人が事項によって地役権を取得したときは、他の共有者も、これを取得する。
二項
共有者に対する時効の中断は、地役権を行使する各共有者に対してしなければ、その効力を生じない。
三項
地役権を行使する共有者が数人ある場合には、その一人について時効の停止の原因があっても、時効は、各共有者のために信仰する。

■第二百八十五条(用水地役権)
一項
用水地役権の承役地(地役権者以外の者の土地であって、要役地の便益に供されるものをいう。以下同じ。)において、水が要役地及び承役地の需要に比して不足するときは、その各土地の需要に応じて、まずこれを生活用に供し、その残余を他の用よに供するものとする。ただし、設定行為に別段の定めがあるときは、この限りでない。
二項
同一の承役地について数個の用水地役権を設定したときは、後の地役権者は、前の地役権者の水の使用を妨げてはならない。

■第二百八十六条(承役地の所有権の工作物の設置義務等)
設定行為又は設定後の契約により、承役地の所有者が自己の費用で地役権の行使のために工作物を設け、又はその修繕をする義務を負担したときは、承役地の所有者の特定小経妊も、その義務を負担する。

■第二百八十七条
承役地の所有者は、いつでも、地役権に必要な土地の部分の所有権を放棄して地役権者に移転し、これにより前条の義務を免れることができる。

■第二百八十八条(承役地の所有権の工作物の使用)
一項
承役地の所有権者は、地役権の行使を妨げない範囲内において、その行使のために承役地の上に設けられた工作物を使用することができる。
二項
前項の場合には、承役地の所有者は、その利益を受ける割合に応じて、工作物の設置及び保存の費用を分担しなければならない。

■第二百八十九条(承役地の時効取得による地役権の消滅)
承役地の占有者が取得時効に必要な要件を具備する占有をしたときは、地役権は、これによって消滅する。

■第二百九十条
前条の規定による地役権の消滅時効は、地役権者がその権利を行使することによって中断する。

■第二百九十一条(地役権の消滅時効)
第百六十七条第二項に規定する消滅時効の期間は、継続的でなく行使される地役権については最後の行使の時から起算し、継続的に行使されるいて危険についてはその行使を妨げる事実が生じた時から起算する。

■第二百九十二条
要役地が数人の共有に属する場合において、その一人のために時効の中断又は停止があるときは、その中断又は停止は、他の共有者のためにも、その効力を生ずる。

■第二百九十三条
地役権者がその権利の一部を行使しないときは、その部分のみが時効によって消滅する。

■第二百九十四条(共有の性質を有しない入会権)
共有の性質を有しない入会権については、各地方の慣習に従うほか、この章の規定を準用する。

第七章 留置権

■第二百九十五条(留置権の内容)
一項
他人の物の占有者は、その物に関して生じた債権を有するときは、その債権の弁済を受けるまで、その物を留置することができる。ただし、その債権が弁済期にないときは、この限りでない。
二項
前項の規定は、占有が不法行為によって始まった場合には、適用しない。

■第二百九十六条(留置権の不可分性)
留置権者は、債権の全部の弁済を受けるまでは、、留置物の全部についてその権利を行使することができる。

■第二百九十七条(留置権者による果実の収取)
一項
留置権者は、留置権から生ずる果実を収取し、後かの債権者に先立って、これを自己の債権の弁済に充当することができる。
二項
前項の果実は、まず債権の利息に充当し、なお残余があるときは、元本に充当しなければならない。

■第二百九十八条
一項
留置権者は、善良な管理者の注意をもって、留置物を占有しなければならない。
二項
留置権者は、債務者の承諾を得なければ留置物を使用し、賃貸し、又は担保に供することができない。ただし、その物の保存に必要な使用をすることは、この限りでない。
三項
留置権者が前二項の規定に違反したときは、債務者は、留置権の消滅を請求することができる。

■第二百九十九条(留置権者による費用の償還請求)
一項
留置権者は、留置物について必要費を支出したときは、所有者にその償還をさせることができる。
二項
留置権者は、留置物について有益費を支出したときは、これによる価格の増加が現存する場合に限り、所有者の選択に従い、その支出した金額又は増価額を償還させることができる。ただし、裁判所は、所有者の請求により、その償還について相当の期限を許与することができる。

■第三百条(留置権の行使と債権の消滅時効)
留置権の行使は、債権の消滅時効の進行を妨げない。

■第三百一条(担保の供与による留置権の消滅)
債務者は、相当の担保を供して、留置権の消滅を請求することができる。

■第三百二条(占有の喪失による留置権の消滅)
留置権は、留置権者が留置物の占有を失うことによって、消滅する。ただし、第二百九十八条第二項の規定により留置物を賃貸し、又は質権の目的としたときは、この限りでない。

第八章 先取特権

第一節 総則

■第三百三条(先取特権の内容)
先取特権者は、この法律その他の法律の規定に従い、その債務者の財産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。

■第三百四条(物上代位)
一項
先取特権は、その目的物の売却、賃貸、滅失又は損傷によって債務者が受けるべき金銭その他の物に対しても、行使することができる。ただし、先取特権者は、その払い渡し又は引渡しの前に差押えをしなければならない。
二項
債務者が先取特権の目的物につき設定した物権の対価についても、前項と同様とする。

■第三百五条(先取特権の不可分性)
第二百九十六条(留置権の不可分性)の規定は、先取特権について準用する。

第二節 先取特権の種類

第一款 一般の先取特権

■第三百六条(一般の先取特権)
次に掲げる原因によって生じた債権を有する者は、債務者の総財産について先取特権を有する。
一 共益の費用
二 雇用関係
三 葬式の費用
四 日曜品の供給

■第三百七条(共益費用の先取特権)
一項
共益の費用の先取特権は、各債権者の共同の利益のためにされた債務者の財産の保存、生産又は配当に関する費用について存在する。
二項
前項の費用のうちすべての債権者の有益でなかったものについては、先取特権は、その費用によって利益を受けた債権者に対してのみ存在する。

■第三百八条(雇用関係の先取特権)
雇用関係の先取特権は、給料その他債務者と使用人との間の雇用関係に基づいて生じた債権について存在する。

■第三百九条(葬式費用の先取特権)
一項
葬式の費用の先取特権は、債務者のためにされた葬式の費用のうち相当な額について存在する。
二項
前項の先取特権は、債務者がその扶養すべき親族のためにした葬式の費用のうち相当な額についても存在する。

■第三百十条(日用品供給の先取特権)
日用品の今日y空のセイン種特権は、債務者又はその不要すべき道教の親族及びその家事使用人の生活に必要な最後の六箇月間の飲食料品、燃料及び電気の供給について存在する。

第二款 動産の先取特権

■第三百十一条(動産の先取特権)
次に掲げる原因によって生じた債権を有する者は、債務者の特定の動産について先取特権を有する。
一 不動産の賃貸借
二 旅館の宿泊
三 旅客又は荷物の運輸
四 動産の保存
五 動産の売買
六 種苗又は肥料(蚕種又は蚕の飼養に供した桑葉を含む。以下同じ。)の供給
七 農業の労務
八 工業の労務

■第三百十二条(不動産賃貸の先取特権)
不動産の賃貸の先取特権は、その不動産の賃料その他の賃貸借関係から生じた賃借人の債務に関し、賃借人の動産について存在する。

■第三百十三条(不動産賃貸の先取特権の目的物の範囲)
一項
土地の賃貸人の先取特権は、その土地又はその利用のための建物に備え付けられた動産、その土地の利用に供された動産及び賃借人及び賃借人が占有するその土地の果実について存在する。
二項
建物の賃貸人の先取特権は、賃借人の先取特権は、賃借人がその建物に備え付けた動産について存在する。

■第三百十四条
賃借権の譲渡又は転貸の場合には、賃貸人の先取特権は、譲渡人又は転借人の動産にも及ぶ。譲渡人又は転貸人が受けるべき金銭についても、同様とする。

■第三百十五条(不動産賃貸の先取特権の被担保債権の範囲)
賃借人の財産のすべてを清算する場合には、賃貸人の先取特権は、前期及び次期の賃料はその他の債務並びに前期及び当期に生じた損害の賠償債務についてのみ存在する。

■第三百十六条
賃貸人は、敷金を受け取っている場合には、その敷金で弁済を受けない債権の部分についてのみ先取特権を有する。

■第三百十七条(旅館宿泊の先取特権)
旅館の宿泊の先取特権は、宿泊客が負担すべき宿泊料及び飲食料に関し、その旅館に在るその宿泊客の手荷物について存在する。

■第三百十八条(運輸の先取特権)
運輸の先取特権は、旅客又は荷物の運送賃及び付随の費用に関し、運送人の占有する荷物について存在する。

■第三百十九条(即時取得の規定の準用)
第百九十二条から第百九十五条まで(動産の即時取得)の規定は、第二百十二条から前条までの規定nよる先取特権について準用する。

■第三百二十条(動産保存の先取特権)
動産の保存の先取特権は、動産の保存のために要した費用又は動産に関する権利の保存、承認若しくは実行のために要した費用に関し、その動産について存在する。

■第三百二十一条(動産売買の先取特権)
動産の売買の先取特権は、動産の代価及びその利息に関し、その動産について存在する。

■第三百二十二条(種苗又は肥料の供給に先取特権)
種苗又は肥料の供給の先取特権は、種苗又は肥料の代価及びその利息に関し、その種苗又は肥料を用いた後一年以内にこれを用いた土地から生じた果実(蚕種又は蚕の飼養に供した桑葉の使用にとって生じた物を含む。)について存在する。

■第三百二十三条
農業の労務の先取特権は、その労務に従事する物の最後の一年間の賃金に関し、その労務にとって生じた果実について存在する。

■第三百二十四条(工業労務の先取特権)
工業の労務の先取特権は、その労務に従事する物の最後の三箇月間の賃金に関し、その労務によって生じた制作物について存在する。

第三款 不動産の先取特権

■第三百二十五条(不動産の先取特権)
次に掲げる原因によって生じた債権を有する者は、債務者の特定の不動産について先取特権を有する。
一 不動産の保存
二 不動産の工事
三 不動産の売買

■第三百二十六条(不動産保存の先取特権)
不動産の保存の先取特権は、不動産の保存のために要した費用又は不動産に関する蹴りの保存、承認若しくは実行のために要した費用に関し、その不動産について存在する。

■第三百二十七条(不動産工事の先取特権)
一項
不動産の工事の先取特権は、工事の設計、施工又は監理をする者が債務者の不動産に関してした工事の費用に関し、その不動産について存在する。
二項
前項の先取特権は、工事によって生じた不動産の価格の増加が現存する場合に限り、その増価格についてのみ存在する。

■第三百二十八条(不動産売買の先取特権)
不動産の売買の先取特権は、不動産の代価及びその利息に関し、その不動産について存在する。

第三節 先取特権の順位

■第三百二十九条(一般の先取特権の順位)
一項
一般の先取特権が互いに競合する場合には、その優先権の順位は、第三百六条各号に掲げる順序に従う。
二項
一般の先取特権と特別の先取特権とが競合する場合には、特別の先取特権は、一般の先取特権に優先する。ただし、共益の費用の先取特権は、その利益を受けたすべての債権者に対して優先する効力を有する。

■第三百三十条(動産と先取特権の順位)
一項
同一の動産について特別の先取特権が互いに競合する場合には、その優先権の順位は、次に掲げる順序に従う。この場合において、第二号に掲げる動産の保存の先取特権について数人の保存者があるときは、後の保存者が前の保存者に優先する。
一 不動産の賃貸、旅館の宿泊及び運動の先取特権
二 動産の保存の先取特権
三 動産の売買、種苗又は肥料の併給、農業の労務及び工業の労務の先取特権
二項
前項の場合において、第一順位の先取特権者は、その債権取得の時において第二順位又は第三順位の先取特権者があることを知っていたときは、これらの者に対して優先権を行使することができない。第一順位の先取特権者のために物を保存した者に対しても、同様とする。
三項
果実に関しては第一の順位は農業の労務に従事する者に、第二の順位は種苗又は肥料の供給者に、第三の順位は時の賃貸人に属する。

■第三百三十一条(不動産の先取特権の順位)
一項
同一の不動産について特別の先取特権が互いに競合する場合には、その優先権の順位は、第三百二十五条各号に掲げる順序に従う。
二項
同一の不動産について売買が順次された場合には、売主相互間における不動産売買の先取特権の優先権の順位は、売買の前後による。

■第三百三十二条(同一順位の先取特権)
同一の目的物について同一順位の先取特権者が数人あるときは、各先取特権者は、その債権額の割合に応じて弁済を受ける。

第四節 先取特権の効力

■第三百三十三条(先取特権と第三取得者)
先取特権は、債務者がその目的である動産をその第三取得者に引き渡した後は、その動産について行使することができない。

■第三百三十四条(先取特権と動産質権との競合)
先取特権と動産質権とが競合する場合には、動産質権者は、第三百三十条の規定による第一順位の先取特権者と同一の権利を有する。

■第三百三十五条(一般の先取特権の効力)
一項
一般の先取特権は、まず、不動産以外の財産から弁済を受け、なお不足があるのでなければ、不動産から弁済を受けることができない。
二項
一般の先取特権者は、不動産については、まず特別担保の目的とされていないものから弁済を受けなければならない。
三項
一般の先取特権者は、前二項のイていに従って配当に加入することを怠ったときは、その配当加入をしたならあ弁済を受けることができた額については、登記をした第三者に対してその先取特権を行使することができない。
四項
前三項の規定は、不動産以外の財産の代価に先立って不動産の代価を配当し、又は他の不動産の代価に先立って特別担保の目的である不動産の代価を配当する場合には、適用しない。

■第三百三十六条(一般の先取特権の対抗力)
一般の先取特権は、不動産について登記をしなくても、特別担保を有しない債権者に対抗することができる。ただし、登記をした第三者に対しては、この限りでない。

■第三百三十七条(不動産保存の先取特権の登記)
不動産保存の先取特権の効力を保存するためには、保存行為が完了した後直ちに登記をしなければならない。

■第三百三十八条(不動産工事の先取特権の登記)
一項
不動産の工事の先取特権の効力を保存するためには、工事を始める前にその費用の予算額を登記しなければならない。この場合において、工事の費用が予算額を超えるときは、先取特権は、その超過額については存しない。
二項
工事にとって生じた不動産の増加額は、配当加入の前に、裁判所が選任した鑑定人に評価させなければならない。

■第三百三十九条(登記をした不動産保存又は不動産工事の先取特権)
前二条の規定に従って登記をした先取特権は、抵当県に先立って行使することができる。

■第三百四十条(不動産売買の先取特権の登記)
不動産の売買の先取特権の効力を保存するためには、売買契約と同時に、不動産の代価又はその利息の弁済がされていない旨を特器しなければならない。

■第三百四十一条(抵当権に関する規定の準用)
先取特権の効力については、この節に定めるもののほか、その性質に反しない限り、抵当権に関する規定を準用する。

第九章 質権

第一節 総則

■第三百四十二条(質権の内容)
質権者は、その債権の担保としてい債務者又は第三者から受け取った物を占有し、かつ、その物について他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。

■第三百四十三条(質権の目的)
質権は、譲り渡すことができない物をその目的とすることができない。

■第三百四十四条(質権の設定)
質権の設定は、債権者にその目的物を引き渡すことによって、その効力を生ずる。

■第三百四十五条(質権設定者による代理占有の禁止)
質権者は、質権設定者に、自己に代わって質物の占有をさせることができない。

■第三百四十六条(質権の被担保債権の範囲)
質権は、元本、利息、違約金、質権の実行の費用、質物の保存の費用及び債務の不履行又は質物の隠れた瑕疵によって生じた損害の賠償を担保する。ただし、設定行為に別段の定めがあるときは、この限りでない。

■第三百四十七条(質物の留置)
質権者は、前条に規定する債権の弁済を受けるまでは、質物を留置することができる。ただし、この権利は、自己に対して優先権を有する債権者に対抗することができない。

■第三百四十八条(転質)
質権者は、その権利の存続期間内において、自己の責任で、質物について、転質をしたことによって生じた損失については、不可抗力によるものであっても、その責任を負う。

■第三百四十九条(契約による質物の処分の禁止)
質権設定者は、設定行為又は債務の弁済期前の契約において、質権者に弁済として質物の所有権を取得させ、その他法律に定める方法によらないで質物を処分させることw約することができない。

■第三百五十条(留置権及び先取特権の規定の準用)
第二百九十六条から第三百条まで(留置権者の権利義務)及び第三百四条(物上代位)の規定は、質権について準用する。

■第三百五十一条(物上保証人の求償権)
他人の債務を担保するため質権を設定した者は、その債務を弁済し、又は質権の実行にとって質物の所有権を失ったときは、保証債務に関する規定に従い、債務者に対して求償権を有する。

第二節 動産質

■第三百五十二条(動産質の対抗要件)
動産質権者は、継続して質物を占有しなければ、その質権をもって第三者に対抗することができない。

■第三百五十三条(質物の占有の回復)
動産質権者は、質物の占有を奪われたときは、占有回収の訴えによってのみ、その質物を回復することができる。

■第三百五十四条(動産質権の実行)
動産質権者は、その債権の弁済を受けないときは、正当な理由がある場合に限り、鑑定人の評価に従い質物をもって直ちに弁済に充てることを裁判所に請求することができる。この場合において、動産質権者は、あらかじめ、その請求をする旨を債務者に通知しなければならない。

■第三百五十五条(動産質権の順位)
同一の動産について数個の質権が設定されたときは、その質権の順位は、設定の前後による。

第三節 不動産質

■第三百五十六条(不動産質権者による使用及び収益)
不動産質権者は、質権の目的である不動産の用法に従い、その使用及び収益をすることができる。

■第三百五十七条(不動産質権者による管理の費用等の負担)
不動産質権者は、管理の費用を支払、その他不動産に関する負担を負う。

■第三百五十八条(不動産質権者による利息の請求の禁止)
不動産質権者は、その債権の利息を請求することができない。

■第三百五十九条(設定行為に別段の定めがある場合等)
前三条の規定は、設定行為に別段の定めがあるとき、又は担保不動産収益執行(民事執行法(昭和五十余年法律第四号)第百八十号第二号に規定する担保不動産収益執行をいう。以下同じ。)の開始があったときは、適用しない。

■第三百六十条(不動産質権の存続期間)
一項
不動産質権の存続期間は、十年を超えることができない。設定行為でこれより長い期間を定めたときであっても、その期間は、十年とする。
二項
不動産質権のせっては、更新することができる。ただし、その存続期間は、更新の時から十年を超えることができない。

■第三百六十一条(抵当権の規定の準用)
不動産質権については、この節に定めるもののほか、その性質に反しない限り、次章(抵当権)の規定を準用する。

第四節 権利質

■第三百六十二条(権利質の目的等)
一項
質権は、財産権をその目的とすることができる。
二項
前項の質権については、この節に定めるもののほか、その性質に反しない限り、前三節(総則、動産質及び不動産質)の規定を準用する。

■第三百六十三条(権利質の設定)
債権であってこれを譲り割らすにはその証書を交付することを要するものを質権の目的とするときは、質権の設定は、その証書を交付することによって、その効力を生ずる。

■第三百六十四条(指名債権を目的とする質権の対抗要件)
指名債権を質権の目的としたときは、第四百六十七条の規定に従い、第三債務者に質権の設定を通知し、又は第三債務者に質権の設定を通知し、又は第三債務者がこれを承諾しなければ、これをもって第三債務者その他の第三者に対抗することができない。

■第三百六十五条(指図債権を目的とする質権の対抗要件)
指図債権を質権の目的としたときは、その証書に質権の設定の裏書をしなければ、これをもって第三者に対抗することができない。

■第三百六十六条(債権者による再建の取立て等)
一項
質権者は、質権の目的である債権を直接に取り立てることができる。
二項
債権の目的物が金銭であるときは、質権者は、自己の債権額に対応する部分に限り、これを取り立てることができる。
三項
前項の債権の弁済期が質権者の債権の弁先前に到来したときは、質権者は、第三債務者にその弁済をするべき金額を供託させることができる。この場合において、質権は、その供託金について存在する。
四項
債権の目的物が金銭でないときは、質権者は、弁済としてい受けた物について質権を有する。

■第三百六十七条及び第三百六十八条
削除

第十章 抵当権

第一節 総則

■第三百六十九条(抵当権の内容)
抵当権者は、債務者又は第三者が占有を移転しないで債務の担保に供した不動産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利有する。
二項
地上権及び永小作権も、抵当権の目的とすることができる。この場合においては、この章の規定を準用する。

■第三百七十条(抵当権の効力の及ぶ範囲)
抵当権は、抵当権の上に存する建物を除き、その目的である不動産(以下「抵当不動産」という。)に付加して一体となっている物に及ぶ。ただし、設定行為に別段の定めがある場合及び第四百二十四条の規定により債権者が債務者の行為を取り消すことができる場合は、この限りでない。

■第三百七十一条
抵当権は、その担保する再建について不履行があったときは、その後に生じた抵当不動産の果実に及ぶ

■第三百七十二条(留置権等の規定の準用)
第二百九十六条(留置権の不可分性)、第三珀四条(物上代位)及び第三百五十一条(物上保証人の求償権)の規定は、抵当権について準用する。

第二節 抵当権の効力

■第三百七十三条(抵当権の順位)
同一の不動産について数個の抵当権が設定されたときは、その抵当権の順位は、登記の前後による。

■第三百七十四条(抵当権の順位の変更)
一項
抵当権の順位は、各抵当権者の合意によって変更するkとおができる。ただし、利害関係を有する者があるときは、その承諾を得なければならない。
二項
前項の規定による順位の変更は、その登記をしなければ、その効力を生じない。

■第三百七十五条(抵当権の被担保債権の範囲)
一項
抵当権者は、利息その他の定期金を請求する権利を有sるうときは、その満期となった最後の二年分についてのみ、その抵当権を行使することができる。ただし、それ以前の定期金についても、満期後に特別の登記をしたときは、その登記の時からその抵当権を行使することを妨げない。
二項
前項の規定は、抵当権者が債務の不履行によって生じた損害の賠償を請求する権利を有する場合におけるその最後の二年分についても適用する。ただし、利息その他の定期金と通算して二年分を超えることができない。

■第三百七十六条(抵当権の処分)
一項
抵当権者は、その抵当権を他の債権の担保とし、又は同一の債務者に対するほかの債権者の利益のためにその抵当権者若しくはその順位を譲渡し、若しくは放棄することができる。
二項
前項の場合において、抵当権者が数人のためにその抵当権の処分をしたときは、その処分の利益を受ける者の権利の順位は、抵当権の登記にした付記の前後による。

■第三百七十七条(抵当権の処分の対抗要件)
一項
前条の場合には、第四百六十七条の規定に従い、主たる債務者に抵当権の処分を通知し、又は主たる債務者がこれを承諾しなければ、これをもって主たる債務者、保証人、抵当権及びこれらの者の承継人に対抗することができない。
二項
主たる債務者が前項の規定により通知を受け、又は承諾をしたときは、抵当権の処分の利益を受ける者の承諾を得ないでした弁済は、その受益者に対抗することができない。

■第三百七十八条(代価弁済)
抵当不動産について所有権又は地上権を買い受けた第三者が、抵当権者の請求に応じてその抵当権者にその代価を弁済したときは、抵当権は、その第三者のために消滅する。

■第三百七十九条(抵当権消滅請求)
抵当不動産の第三取得者は、第三百八十三条の定めるところにより、抵当権消滅請求をすることができる。

■第三百八十条
主たる債務者、保証人及びこれらの者の承継人は、抵当権消滅請求をすることができない。

■第三百八十一条
抵当不動産の停止条件付第三取得者は、その停止条件の成否が未定である間は、抵当権消滅請求をすることができない。

■第三百八十二条(抵当権消滅請求の時期)
抵当不動産の第三取得者は、抵当権の実行としての競売による差押えの効力が発生する前に、抵当権消滅請求をしなければならない。

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