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行政三法



行政三法とは?
いわゆる行政関連三法、行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法のことです。
行政書士試験ではメインの科目になってきます。
用語を行政法は用語を覚えるのが大変な科目です、似たような用語が多いのできちんと整理することが必要になります。


行政三法ワープ

行手法



行審法



行訴法



行政手続法

第一章

■第一条 (目的等)
この法律は、処分、凝視指導及び届出い関する手続並びに命令等を定める手続きに関し。共通するじこうを定めることによって、行政運営における公正の確保と透明性(行政上の意思決定について、その内容及び過程が国民にとって明らかであることをいう。第四十六条において同じ。)の向上を図り、もって国民の権利利益の保護に資することを目的とする。

処分、行政指導及び届出に関する手続に関しこの法律に規定する事項について、ほかの法律に特別の定めがある場合には、その定めるところによる。


■第二条 (定義)
この法律において、次の各号に掲げる用語の定義は、当該各号に定めるところによる。

法令 法律、法律に基づく命令(告示を含む)、条例及び地方公共団体の執行機関の規則(規定を含む。以下「規則」という。)をいう。

処分 行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為をいう。

申請 法令に基づき、行政庁の許可、認可、免許その他の事故に対し何らかの利益を付与する処分(以下「許認可等」という。を求める行為であって、当該行為に対して行政庁が諾否の応答をすべきこことされているものをいう。

不利益処分 行政庁が、法令に基づき、特定のものを名あて人として、直接にこれに義務を課し、又はその権利を制限する処分をいう。だだし、次のいずれかに該当するものを除く。
 イ 事実上の行為及び事実上の行為をするにあたりその範囲、時期等を明らかにするために法令上必要とされている手続としての処分
 ロ 申請により求められた許認可等を拒否する処分その他申請に基づき当該申請をした者を名あて人としてされる処分
 ハ 名あて人となるべき者の同意の下にすることとされている処分
 二 許認可等の効力を失わせる処分であって、当該許認可などの基礎となった事実が消滅した旨の届出があったことを理由としてされるもの

行政機関 次に掲げる機関をいう。
 イ 法律の規定に基づき内閣に置かれる機関若しくは内閣の所管の下に置かれる機関、宮内庁、内閣府設置法(平成十一年法律第八十九号)第四十九条第一項 若しくは第二項に規定する機関、国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第三条第二項に規定する機関、会計検査院もしくあこれらに置かれる機関又はこれらの機関の職員であって法律上独立に権限を行使することが認められた職員であって法律上独立に権限を行使することを認められた職員
 ロ 地方公共団体の機関(議会を除く)

行政指導 行政機関がその任務又は所定事務の範囲内において一定の行政目的を実現するため特定の者に一定の作為又は不作為を求める指導、勧告、助言その他の行為であって処分に該当しないのをいう。

届出 行政庁に対し一定の事項の通知をする行為(申請に該当するものを除く。)であって、法令により直接に当該通知が義務付けられているもの(自己のきたいする一定の法律用の効果を発生させるためには当該通知をすべきこととされているものを含む。)をいう。

命令等 内閣又は行政機関が定める次に掲げるものをいう。
 イ 法律に基づく命令(処分の要件を定める告示を含む、事情第二項において単に「命令」という。以下同じ。)
 ロ 審査基準(申請により求められた許認可等をするかどうかをその法令の定めに従って判断するために必要とされる基準をいう。以下同じ。)
 ハ 処分基準(不利益処分をするかどうか又はどのような不利益処分とするかについてその法令の定めに従って判断するために必要とされる基準をいう。以下同じ。)
 二 行政指導指針 (同一の行政目的を実現するため言っての条件に該当する複数の者に対し行政指導に共通してその内容となるべき事項をいう。以下同じ。)


■第三条 (適用除外)
次に掲げる処分及び行政指導については、次章から第四章の二までの規定は、適用しない。
 一 国会の両院若しくは一院又は議会の議決にとってされる処分
 二 裁判所若しくは裁判官の裁判により、又は裁判の執行としてされる処分
 三 国会の両院若しくは一院若しくは議会の議決を経て、又はこれらの同意若しくは承認を得た上でされるべきものとされている処分
 四 検査官会議で決すべきものとされている処分及び会計検査の際にされる行政指導
 五 刑事事件に関する法令に基づいて検察官、検察事務官又は司法警察職員がする処分及び行政指導
 六 国税又は地方税の犯則事件に関する法令(他の法令において準用する場合を含む。)に基づいて国税庁長官、国税局長、税務署長、収税管理、税関長、税関職員又は徴税吏員(ほかの法令の規定に基づいてこれらの職員の職務を行う者を含む。)がする処分及び行政指導並びに金融商品取引の犯則事件に関する法令(他の法令において準用する場合を含む。)に基づいて証券取引等監視委員会、その職員(当該法令においてその職員とされる者を含む。)財務局長又は財務支局長がする処分及び行政指導
 七 学校、講習所又は研修所において、教育、講習、訓練又は研修の目的を達成するために、学生、生徒、児童若しくは幼児若しくはこれらの保護者、講習生、訓練生又は研修生に対してされる処分及び行政指導
 八 刑務所、少年刑務所、拘置所、留置施設、海上保安施設、少年院、少年鑑別所、又は婦人補導院において、収容の目的を達成するためにされる処分及び行政指導
 九
公務員(国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第二条第一項に規定する国家公務員及び気泡公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第三条第一項に規定する地方公務員をいう、以下同じ。)又は公務員であった者に対してその職務又は身分に関してされる処分及び行政指導
 十 外国人の出入国、難民の認定又は帰化に関する処分及び行政指導
 十一 専ら人の学識技能に関する試験又は検定の結果についての処分
 十二 相反する利害を有する者の間の利害の調整を目的として法令の規定にk基づいてされる裁定その他の処分(その双方を名宛人としてされる処分(その双方を名宛人とするものに限る。)及び行政指導
 十三 公衆衛生、環境保全、防疫、保安、その他の公益に関わる事象が発生し又は発生する可能性のある現場において警察官若しくは海上保安官又はこれらの交易を確保するために公使すべき権限を法律上直接に与えられたその他の職員によってされる処分及び行政指導
 十四 報告又は物件の提出を命ずる処分その他その職務の遂行上必要な情報の収集を直接の目的としてされる処分及び行政指導
 十五 審査請求、再調査の請求その他の不服申立てに対する処分の手続又は第三章に規定する聴聞若しくは弁明の機会の付与の手続その他の意見陳述のための手続において法令に基づいてされる処分及び行政指導
2 次に掲げる命令等を定める行為については、第六章の規定は、適用しない。
 一 法律の施行期日について定める政令
 二 恩赦に関する命令
 三 命令又は規則を定める行為が処分に該当する場合における当該命令又は規則
 四 法律の規定に基づき施設、区間、地域、その他これらに類するものを指定する命令又は規則
 五 公務員の給与、勤務時間その他の勤務条件について定める命令等
 六 審査基準、処分基準又は行政指導指針であって、法令の規定により若しくは慣行として、又は命令等を定める機関の判断により公にされるもの以外のもの
3 第一項各号及び前項各号に掲げるもののほか、地方公共団体の機関がする処分(そお根拠となる規定が条例又は規則に置かれているものに限る。)及び行政指導、地方公共団体の機関に対する届出(前条第七号の通知の根拠となる規定が条例又は規則に置かれているものに限る。)並びに地方公共団体の機関が命令等を定める行為については、次章から第六章までの規定は、適用しない。


■第四条 (国の機関に対する処分等の適用除外)
国の機関又は地方公共団体若しくはその機関に対する処分(これらの機関又は団体がその固有の資格において当該処分の名あて人となるものに限る。)及び行政指導並びにこれらの機関又は団体がする届出(これらの機関又は団体がその固有の資格においてすべきこととされているものに限る。)については、この法律の規定は、適用しない。

次の各号のいずれかに該当する法人に対する処分であって、当該法人の監督に関する法律の特別の規定に基づいてされるもの(当該法人の解散を命じ、若しくは設立に関する認可を取り消す処分又は当該法人の役員若しくは当該法人の業務に従事する者の解任を命ずる処分を除く。)については、次章及び第三章の規定は、適用しない。
 一 法律により直接に設立された法人又は特別の設立行為をもって設立された法人
 二 特別の法律により設立され、かつ、その設立に関し行政庁の認可を要する法人のうち、その行う業務が国又は地方公共団体の行政運営と密接な関連を有するものとして政令で定める法人

行政庁が法律の規定に基づく試験、検定、登録その他の行政上の事務について当該法律に基づきその他の行政上の事務について当該法律に基づきその全部又は一部を行わせる者を指定した場合において、その指定を受けた者(その者が法人である場合にあっては、その役員)又は職員その他の者が当該事務に従事することに関し公務に従事する職員とみなされるときは、その指定を受けた者に対し当該法律に基づいて当該事務に関し監督上される処分(当該指定を取り消す処分、その指定を受けた者が法人である場合におけるその役員の解任を命ずる処分又はその指定を受けた者の当該事務に従事する者の解任を命ずる処分を除く。)については、次章及び第三章の規定は、適用しない。

次に掲げる命令等を定める行為については、第六章の規定は、適用しない。
 一 国又は地方公共団体の機関の設置、諸省事務の範囲その他の組織について定める命令等
 二 皇室典範(昭和二十二年法律第三号)第二十六条の皇統譜について定める命令等
 三 公務員の礼式、複製、研修、教育訓練、表彰及び報償並びに公務員の間における競争試験について定める命令等  四 国又は地方公共団体の予算、決算及び会計について定める命令等(入札の参加者の資格、入札保証金その他の国又は地方公共団体の契約の相手方又は相手方になろうとする者に係る事項を定める命令等(国又は地方公共団体の財産及び物品を貸し付け、交換し、売り払い、譲与し、信託し、もしくは出資の目的とし、又はこれらに私権を設定することについて定める命令等であって、これらの行為の相手方又は相手方になろうとする者に係る事項を定めるものを除く。)
 五 会計検査について定める命令等
 六 国の機関相互間の関係について定める命令等並びに地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二編第十一章に規定する国と普通地方公共団体相互間の関係及びその他の国と地方公共団体との関係及び地方公共団体相互間について定める命令等(第一項の規定によりこの法律の規定を適用しないこととされる処分に係る命令等を含む。)  七 第二項各号に規定する法人の役員及び職員、業務にの範囲、財務及び会計その他の組織、運営及び管理について定める命令等(これらの法人に対する処分であって、これらの法人の解散を命じ、若しくは設立に関する認可を取り消す処分又はこれらの法人の役員若しくはこれらの法人の業務に従事する者の解任を命ずる処分に係る命令等を除く。)


第二章 申請に対する処分

■第五条 (審査基準)
行政庁は、審査基準を定めるものとする。

行政庁は、審査基準を定めるにあたっては、許認可等の性質に照らしてできる限り具体的なものとしなければならない。

行政庁は、行政上特別の支障があるときを除き、法令により申請の提出先とされている機関の事務所における備付けその他の適当な方法により審査基準を公にしておかなければならない。


■第六条 (標準処理期間)
行政庁は、申請がその事務所に到達してから当該申請に対する処分をするまでに通常要すべき標準的な期間(法令により当該行政庁と異なる機関が当該申請の提出先とされている機関の事務所に到達してから当該行政庁の事務所に到達するまでに通常要すべき標準的な期間)を定めたときは、これらの当該申請の提出先とされている機関の事務所における備付けその他の適当な方法により公にしておかなければならない。


■第七条 (申請に対する審査、応答)
行政庁は、申請がその事務所に到達したときは遅滞なく当該申請の審査を開始しなければならず、かつ、申請書の記載事項に不備がないこと、申請書に必要な書類が添付されていること、申請書をすることができる期間内にされたものであることその他の法令に定められた申請の形式上の要件に適合しない申請については、速やかに、申請をした者(以下「申請者」という。)に対し相当の期間を定めて当該申請の補正を求め、又は当該申請により求められた許認可等を拒否しなければならない。


■第八条 (理由の提示)
行政庁は、申請により求められた許認可等を拒否する処分をする場合は。申請者に対し。同時に、当該処分の理由を示さなければならない、ただし、法令に定められた許認可等の要件又は添付書類その他の申請の内容から明らかであるときは、申請者の求めがあったときにこれを示せば足りる。

前項本文に規定する処分を書面でするときは、同項の理由は、書面により示さなければならない。


■第九条 (情報の提供)
行政庁は、申請者の求めに応じ、当該申請に係る審査の進行状況及び当該申請に対する処分の時期の見通しを示すよう努めなければならない。

行政庁は、申請をしようとする者又は申請者の求めに応じ、申請書の記載及び添付書類に関する事項その他申請に必要な情報の提供に努めなければならない。


■第十条 (公聴会の開催等)
行政庁は、申請に対する処分であって、申請者以外の者の利害を考慮すべきことが当該法令において許認可等の要件とされているものを行う場合には、必要に応じ、公聴会の開催その他の適当な方法により当該申請者以外の者の意見を聴く機会を設けるよう努めなければならない。


■第十一条 (複数の行政庁が関与する処分)
行政庁は、申請の処理をするにあたり、他の行政庁において同一の申請者からされた関連する申請が審査中であることをもって自らすべき許認可等をするかどうかについての審査又は判断を殊更に遅廷させるようなことをしてはならない。

一つの申請又は同一の申請者からされた相互に関連する複数の申請に対する処分について複数の行政庁が関与する場合においては、当該複数の行政庁は、必要に応じ、相互に連絡をとり、当該申請者からの説明を共同してい行う等により審査の促進に努めるものとする。


第三章 不利益処分

第一節 通則

■第十二条 (処分の基準)
行政庁は、処分基準を定め、かつ、これを公にしておくよう努めなければならない。

行政庁は、処分基準を定めるに当たっては、不利益処分の性質に照らしてできる限り具体的なものとしなければならない。


■第十三条 (不利益処分をしようとする場合の手続)
行政庁は、不利益処分をしようとする場合には、次の各号の区分に従い、この章の定めるところにより、当該不利益処分の名あて人となるべき者について、当該各号に定める意見陳述のための手続を執らなければならない。

次のいずれかに該当するとき 聴聞
 イ 許認可等を取り消す不利益処分をしようとするとき。
 ロ イに規定するもののほか、名あて人の資格又は地位を直接にはく奪する不利益処分をしようとするとき。
 ハ 名あて人が法人である場合におけるその役員の解任を命ずる不利益処分、名あて人の業務に従事する者の解任を命ずる不利益処分をしようとするとき。
 二 イからハまでに掲げる場合以外の場合であって行政庁が相当と認めるとき。

前号イから二までのいずれにも該当しないとき、弁明の機会の付与

次の各号のいずれかに該当するときは、前項の規定は、適用しない。

公益上、緊急に不利益処分をする必要があるため、前項に規定する意見陳述のための手続を執ることができないとき。

法令上必要とされる資格がなかったこと又は失われるに至ったことが判明した場合に必ずすることとされている不利益処分であって、その資格の不存在又は喪失の事実が裁判所の判決書又は決定書、一定の職に就いたことを証する当該任命権者の書類その他客観的な資料により直接証明されたものをしようとするとき。

施設若しくは設備の設置、維持若しくは管理又は物の製造、販売その他の取扱いについて尊守すべき事項が法令において技術的な基準をもって明確にされている場合において、専ら当該基準が計測、実験その他客観的な認定方法によって確認されたものをしようとするとき。

納付すべき金銭の額を確定し、一定の額の金銭の納付を命じ、又は金銭の給付決定の取消しその他の金銭の給付を制限する不利益処分をしようとするとき。

当該不利益処分の性質上、それによって課される義務の内容が著しく軽微なものであるため名あて人となるべき者の意見をあらかじめ聴くことを要しないものとして政令で定める処分をしようとするとき。

■第十四条 (不利益処分の理由の提示)
行政庁は、不利益処分をする場合には、ぞの名あて人に対し、同時に、当該不利益処分の理由を示さなければならない。ただし、当該理由を示さないで処分をすべき差し迫った必要がある場合は、この限りでない。

行政庁は、前項ただし書きの場合においては、当該名あて人の所在が判明しなくなったときその他処分後において理由を示すことが困難な事情があるときを除き、処分後相当の期間内に、同項の理由を示さなければならない。

不利益処分を書面でするときは、前二項の理由は、書面により示さなければならない。


第二節 聴聞

■第十五条 (聴聞の通知の方式)
行政庁は、聴聞を行うに当たっては、聴聞を行う引き期日までに相当な期間をおいて、不利益処分の名あて人となるべき者に対し、次に掲げる事項を書面により通知しなければならない。
 一 予定される不利益処分の内容及び根拠となる法令の条項
 二 不利益処分の原因となる事実
 三 聴聞の期日及び場所
 四 聴聞に関する事務を所掌する組織の名称及び所在地

前項の書面においては、次に掲げる事項を教示しなければならない。
 一 聴聞の期日に出頭して意見を述べ、及び証拠書類又は証拠物(以下「証拠書類等」という、)を提出し、又は聴聞の期日への出頭に代えて陳述書及び証拠書類等を提出することができること。
 二 聴聞が終結する時までの間、当該不利益処分の原因となる事実を証する資料の閲覧を求めることができること。

行政庁は、不利益処分の名あて人となるべき者の所在が判明しない場合においては、第一項の規定による通知を。その者の氏名、同項第三号及び第四号に掲げる事項並びに当該行政庁の事務所の掲示場に掲示することによって行うことができる。この場合においては、掲示を始めた日から二週間を経過したときに、当該通知がその者に到達したものとみなす。


■第十六条 (代理人)
前条第一項の通知を受けた者(同条第三項後段の規定により当該通知が到達されたものとみなされる者を含む。以下「当事者」という。)に、代理人を選任することができる。

代理人は、各自、当事者のために、聴聞に関する一切の行為をすることができる。

代理人の資格は、書面で証明しなければならない。

代理人がその資格を失ったときは、当該代理人を選任した当事者は、書面でその旨を行政庁に届けでなければならない。


■第十七条 (参加人)
第十九条の規定により聴聞を主宰する者(以下「主宰者」という。)は、必要があると認めるときは、当事者以外の者であって当該不利益処分の根拠となる法令に照らし当該不利益処分につき利害関係を有するものと認められる者(同条第二項第六号において「関係人」という。)に対し、当該聴聞に関する手続に参加することを求め、又は当該聴聞に関する手続に参加することを許可することができる。

前項の規定により当該聴聞に関する手続に参加する者(以下「参加人」という。)は、代理人を選任することができる。

前条第二項から第四項までの規定は、前項の代理人について準用する。この場合において、同条第二項及び第四項中「当事者」とあるのは、「参加人」と読み替えるものとする。


■第十八条 (文書等の閲覧)
当事者及び当該不利益処分がされた場合に自己の利益を害されることとなる参加人(以下この条及び第二十四条第三項において「当事者等」という。)は、聴聞の通知があった時から聴聞が終結する時までの間、行政庁に対し、当該事案についてした調査の結果に係る調書その他の当該不利益処分の原因となる事実を証する資料の閲覧を求めることができる。この場合において、行政庁は、第三者の利益を害するおそれがあるときでなければ、その閲覧を拒むことができない。

前項の規定は、当事者等が聴聞の期日における審理の進行に応じて必要となった資料の閲覧を更に求めることを妨げない。

行政庁は、前二項の閲覧について当時及び場所を指定することができる


■第十九条 (聴聞の主宰)
聴聞は、行政庁が指名する職員その他政令で定める者が主宰する。

次の各号のいすれかに該当する者は、聴聞を主宰することができない。
 一 当該聴聞の当事者又は参加人
 二 前号に規定する配偶者、四親等内の親族又は同居の親族
 三 第一号に規定する者の代理人又は次条第三項に規定する補佐人
 四 前三号に規定する者であった者
 五 第一号に規定する者の後見人、後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人又は補助監督人
 六 参加人以外の関係人


■第二十条 (聴聞の期日における審理の方式)
主宰者は、最初の聴聞の期日の冒頭において、行政庁の職員に、予定される不利益処分の内容及び根拠となる法令の条項並びにその原因となる事実を聴聞の期日に出頭した者に対し説明させなければならない。

当事者又は参加人は、聴聞の期日に出頭して、意見を述べ、及び証拠書類等を提出し、並びに主宰者の許可を得て行政庁の職員に対し質問を発することができる。

前項の場合において、当事者又は参加人は、主宰者の許可を得て、補佐人とともに出頭することができる。

主宰者は、聴聞の期日において必要があると認めるときは、当事者若しくは参加人に対し質問を発し、意見の陳述若しくは証拠書類等の提出を促し、又は行政庁の職員に対し説明を求めることができる。

主宰者は、当事者又は参加人の一部が出頭しないときであっても、聴聞の期日における審理を行うことができる。

聴聞の期日における審理は、行政庁が公開することを相当と認めるときを除き、公開しない。


■第二十一条 (陳述書等の提出)
当事者又は参加人は、聴聞の期日への出頭に代えて、主宰者に対し、聴聞の期日までに陳述書及び証拠書類等を提出することができる。

主宰者は、聴聞の期日に出頭した者に対し、その求めに応じて、前項の陳述書及び証拠書類等を示すことができる。


■第二十二条 (続行期日の指定)
主宰者は、聴聞の期日における審理の結果、なお聴聞を続行する必要があると認めるときは、さらに新たな期日を定めることができる。

前項の場合においては、当事者及び参加人に対し、あらかじめ、次回の聴聞の期日及び場所を書面により通知しなければならない。ただし、聴聞の期日に出頭した当事者及び参加人に対しては、当該聴聞の期日においてこれを告知すれば足りる。 3第十五条第三項の規定は、前項本文の場合において、当事者又は参加人の助剤が判明しないときにおける通知の方法について準用する。この場合において、同条第三項中「不利益処分の名あて人となるべき者」とあるのは「掲示を始めた日から二週間を経過したとき(同一の当事者又は参加人に対する二回目以降の通知にあっては、掲示を始めた日の翌日)」と読み替えるものとする。


■第二十三条 (当事者の不出頭等の場合における聴聞の終結)
主宰者は、当事者の全部若しくは一部が正当な理由なく聴聞の期日に出頭せず、かつ、第二十一条第一項に規定する陳述書若しくは証拠書類等を提出しない場合、又は参加人の全部もしくは一部が聴聞の期日に出頭しない場合には、これらの者に対し改めて意見を述べ、及び証拠書類等を提出する機会を与えることなく、聴聞を終結することができる。 2 主宰者は、前項に規定する場合のほか、当事者の全部又は一部が聴聞の期日に出頭せず、かつ、第二十条第一項に規定する陳述書又は証拠書類等を提出しない場合において、これらの者の聴聞の期日への出頭が相当期間引き続き見込めないときは、これらの者に対し、期限を定めて陳述書及び証拠書類等の提出を求め、当該期限が到来したときに聴聞を終結することとすることができる。


■第二十四条 (聴聞調書及び報告書)
主宰者は、聴聞の審理の経過を記載した調書を作成し、当該調書において、不利益処分の原因となる事実に対する当事者及び参加人の陳述の要旨を明らかにしておかなければならない。

前項の調書は、聴聞の期日における審理が行われた場合には各期日ごとに、当該審理が行われなかった場合には聴聞の終結後速やかに作成しなければならない。

主宰者は、聴聞の終結後速やかに、不利益処分の原因となる事実に対する当事者等の主張に理由があるかどうかについての意見を記載した報告書を作成し、第一項の調書とともに行政庁に提出しなければならない。

当事者又は参加人は、第一項の調書及び前項の報告書の閲覧を求めることができる。


■第二十五条 (聴聞の再開)
行政庁は、聴聞の終結後に生じた事情にかんがみ必要があると認めるときは、主宰者に対し、前条第三項の規定により提出された報告書を返戻して聴聞の再開を命ずることができる。第二十二条第二項本文及び第三項の規定は、この場合について準用する。


■第二十六条 (聴聞を経てされる不利益処分の決定)
行政庁は、不利益処分の決定をするときは、第二十四条第一項の調書の内容及び同条第三項の報告書に記載された主宰者の意見を十分に参酌してこれをしなければならない。


■第二十七条 (不服申立ての制限)
この節の規定に基づく処分又は不作為については、審査請求をすることができない。


■第二十八条 (役員等の解任等を命ずる不利益処分をしようとする場合の聴聞等の特例)
第十三条第一項第一号ハに該当する不利益処分に係る聴聞において第十五条第一項の通知があった場合におけるこの節の規定の適用については、名あて人である法人の役員。名あて人の業務に従事する者又は名あて人の会員である者(当該処分において解任し又は除名すべきこととされている者に限る。)は、同項の通知を受けた者とみなす。

前項の不利益処分のうち名あて人である法人の役員又は名あて人の業務に従事する者(以下この項において「役員等」という。)の解任を命ずるものに係る聴聞が行われた場合においては、当該処分にその名あて人が従わないことを理由として法令の規定によりされる当該処分については、第十三条第一項の規定にかかわらず、行政庁は、当該役員等について聴聞を行うことを要しない。


第三節 弁明の機会の付与

■第二十九条 (弁明の機会の付与の方式)
弁明は、行政庁が口頭ですることを認めたときを除き、弁明を記載した書面(以下「弁明書」という。)を提出してするものとする。

弁明をするときは、証拠書類等を提出することができる。


■第三十条 (弁明の機会の付与の通知の方式)
行政庁は、弁明書の提出期限(口頭による弁明の機会の付与を行う場合には、その日時)までに相当な期間をおいて、不利益処分の名あて人となるべき者に対し、次に掲げる事項を書面により通知しなければならない。
 一 予定される不利益処分の内容及び根拠となる法令の条項
 二 不利益処分の原因となる事実
 三 弁明書の提出先及び提出期限(口頭による弁明の機会の付与を行う場合には、その旨並びに出頭すべき日時及び場所)


■第三十一条 (聴聞に関する手続きの準用)
第十五条第三項及び第十六条の規定は、弁明の機会の付与について準用する。この場合において、第十五条第三項中「第一項」とあるのは「第三十条」と、「同項第三号及び第四号」とあるのは「同条第三号」と、第十六条第一項中「前条第一項」「第三十条」と、「同条第三項後段」とあるのは「第三十一条において準用する第十五条第三項後段」と読み替えるものとする。


第四章 行政指導

■第三十二条 (行政指導の一般原則)
行政指導にあっては、行政指導に携わる者は、いやしくも当該行政指導の任務又は所掌事務の範囲を逸脱してはならないこと及び行政指導の内容があくまでも相手方の任意の協力にとってのみ実現されるものであることに留意しなければならない。

行政指導に携わる者は、その相手方が行政指導に従わなかったことを理由として、不利益なあ取り扱いをしてはならない。


■第三十三条 (申請に関連する行政指導)
申請の取り下げ又は内容の変更を求める行政指導にあっては、行政指導に携わる者は、申請者が当該行政指導に従う意思がない旨を表明したにもかかわらず当該行政指導を継続すること等により当該申請者の権利の行使を妨げるようなことをしてはならない。


■第三十四条 (許認可等の権限に関連する行政指導)
許認可等をする権限又は許認可等に基づく処分をする権限を有する行政機関が、当該権限を行使することができない場合又は行使する意思がない場合においてする行政指導にあっては、行政指導に携わる者は、当該権限を行使し得る旨を殊更に示すことにより相手方に当該行政指導に従うことを余儀なくさせるようなことをしてはならない。


■第三十五条 (行政指導の方式)
行政指導に携わる者は、その相手方に対して、当該行政指導の趣旨及び内容並びに責任者を明確にしめさなければならない。

行政指導に携わる者は、当該行政指導をする際に、行政機関が許認可等をする権限又は許認可等に基づく処分をする権限を行使し得る旨を示すときは、その相手方に対して、次に掲げる事項を示さなければならない。
 一 当該権限を行使し得る根拠となる法令の条項
 二 前号の条項に規定する要件
 三 当該権限の行使が前号の要件に適合する理由

行政指導が高騰でされた場合において、その相手方から前二項に規定する事項を記載した書面の交付を求められたときは、当該行政指導に携わる者は、行政上特別の使用がない限り、これを交付しなければならない。

前項の規定は、次に掲げる行政指導については適用しない。
 一 相手方に対しその場において完了する行為を求めるもの
 二 既に文書(前項の書面を含む。)又は電磁的記録(電子的方式、電磁的方式その他人の知覚によっては認識することができないことであって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)によりその相手方に通知されている事項と同一の内容を求めるもの


■第三十六条 (複数の者を対象とする行政指導)
同一の行政目的を実現するため一定の条件に該当する複数の者に対し行政指導をしようとするときは、行政機関は、あらかじめ、事案に応じ、行政指導指針を定め、かつ、行政上特別の支障がない限り、これを公表しなければならない。


■第三十六条の二 (行政指導の中止等の求め)
法令に違反する行為の是正を求める行政指導(その根拠となる規定が法律に置かれているものに限る。)の相手方は、当該行政指導が当該法律に規定する要件に適合しないと思料するときは、当該行政指導をした行政機関に対し、その旨を申し出て、当該行政指導の中止その他必要な措置をとることを求めることができる。ただし、当該行政指導がその相手方について弁明その他意見陳述のための手続を経てされたものであるときは、この限りでない。

前項の申出は、次に掲げる事項を記載した申出書も提出してしなければならない。
 一 申出をする者の氏名又は名称及び住所又は居所
 二 当該行政指導の内容
 三 当該行政指導がその根拠とする法律の条項
 四 前号の条項に規定する要件
 五 当該行政指導が前号の要件に適合しないと思料する理由
 六 その他参考となる事項

当該行政機関は、第一項の規定による申出があったときは、必要な調査を行い、当該行政指導が当該法律に規定する要件に適合しないと認めるときは、当該行政指導の中止その他必要な措置をとらなければならない。


第四章の二 処分等の求め

■第三十六条の三
何人も、法令に違反する事実がある場合において、その是正のためにされるべき処分又は行政指導(その根拠となる規定が法律に置かれているものに限る。)がされていないと思料するときは、当該処分をする権限を有する行政機関に対し、その旨を申し出て、当該処分又は行政指導をすることを求めることができる。

前項の申出は、次に掲げる事項を記載した申出書を提出してしなければならない。
 一 申出をする者の氏名又は名称及び住所又は居所
 二 法令に違反する事実の内容
 三 当該処分又は行政指導の内容
 四 当該処分又は行政指導の根拠となる法令の条項
 五 当該処分又は行政指導がされるべきであると思料する理由
 六 その他参考となる事実

当該行政庁又は行政機関は、第一項の規定による申出があったときは、必要な調査を行い、その結果に基づき必要があると認めるときは、当該処分又は行政指導をしなければならない。


第五章 届出

■第三十七条 (届出)
届出が届出書の記載事項に不備がないこと、届出書に必要な書類が添付されていることその他の法令に定められた届出の形式上の要件に適合している場合は、当該届出が法令により当該届出の提出先とされている機関の事務所に到達したときに、当該届出をすべき行政上の義務が履行されたものとする。


第六章 意見公募手続等

■第三十八条 (命令等を定める場合の一般原則)
命令等を定める機関(閣議の決定により命令等が定められる場合にあっては、当該命令等の立案をする各大臣。以下「命令等制定機関」という。)は、命令等を定めるに当たっては、当該命令等がこれを定める根拠となるようにしなければならない。

命令等制定機関は、命令等を定めた後においても、当該命令等の規定の実施状況、社会経済情勢の変化等の内容について検討を加え、その適正を確保するよう努めなければならない。


■第三十九条 (意見公募手続)
命令等制定機関は、命令等を定めようとする場合には、当該命令等の案(命令等で定めようとする内容を示すものをいう。以下同じ。)の提出先及びこれに関連する資料をあらかじめ公示し、意見、(情報を含む。以下同じ。)及びこれに関連する資料をあらかじめ公示し、意見(上布を含む。以下同じ。)及び意見の提出のための期間(以下「意見提出期間」という。)を定めて広く一般の意見を求めなければならない。

前項の規定により公示する命令等の案は、具体的かつ明確な内容のものであって、かつ、当該命令等の題名及び当該命令等を定める根拠となる法令の条項が明示されたものでなければならない。

第一項の規定により定める意見提出機関は、同項の公示の日から起算して三十日以上でなければならない。

次の各号のいずれかに該当するときは、第一項の規定は、適用しない。
 一 公益上、緊急に命令等を定める必要があるため、第一項の規定による手続(以下「意見公募手続」という。)を実施することが困難であるとき。
 二 納付すべき金銭について定める法律の制定又は改正により必要となる当該金銭の額の算定の基礎となるべき金額及び率並びに算定方法についての命令等その他当該法律の施行に関し必要な事項を定める命令等を定めようとするとき。
 三 予算の定めるところにより金銭の給付決定を行うために必要となる当該金銭の額の算定の基礎となるべき金額及び率並びに算定方法その他の事項を定める命令等を定めようとするとき。
 四 法律の規定により、内閣府設置法四十九条第一項 若しくは第二項 若しくは国家行政組織法第三条第二項 に規定する委員会又は内閣府設置法第三十七条 若しくは第五十四条 若しくは国家行政組織法第八条 に規定する機関(以下「委員会等」という。)の議を経て定めることとされている命令等であって、相反する利害を有する者の間の利害の調整を目的として、法律又は政令の規定により、これらの者及び公益をそれぞれ代表する委員をもって組織される委員会等において審議を行うこととされているものとして政令で定める命令等を定めようとするとき。
 五 他の行政機関が意見公募手続を実施して定めた命令等と実質的に同一の命令等を定めようとするとき。
 六 法律の規定に基づき法令の規定の適用又は準用について必要な技術的読替えを定める命令等を定めようとするとき。
 七 命令等を定める根拠となる法令の規定の削除に伴い当然必要とされる当該命令等の廃止をしようとするとき。
 八 他の法令の制定又は改廃に伴い当然必要とされる規定の整理その他の意見公募手続を実施することを要しない軽微な変更として政令で定めるものを内容とする命令等を定めようとするとき。


■第四十条 (意見公募手続の特例)
命令等制定機関は、命令等を定めようとする場合において、三十日以上の意見提出期間を定めることができないやむを得ない理由があるときは、前条第三項の規定にかかわらず、三十日を下回る意見提出期間を定めることができる。この場合においては、当該命令等の案の公示の際その理由を明らかにしなければならない。

命令等制定機関は、委員会等の議を経て命令等を定めようとするとする場合(前条第四項第四号に該当する場合を除く。)において、当該委員会等が意見公募手続に準じた手続を実施したときは、同条第一項の規定にかかわらず、自ら意見公募手続を実施することを要しない。


■第四十一条 (意見公募手続の周知等)
命令等制定機関は、意見公募手続を実施して命令等を定めるに当たっては、必要に応じ、当該意見公募手続の実施について周知するよう努めるとともに、当該意見公募手続の実施に関連する情報の提供に努めるものとする。


■第四十二条 (提出意見の考慮)
命令等制定機関は、意見公募手続きを実施して命令等を定める場合には、意見提出期間内に当該命令等制定機関に対し提出された当該命令等の案についての意見(以下「提出意見」という。)を十分に考慮しなければならない。


■第四十三条 (結果等の公示等)
命令等制定機関は、意見公募手続を実施して命令等を定めた場合には、当該命令等の公布(公布をしないものにあっては、公にする行為。第五項において同じ。)と同時期に、次に掲げる事項を工事しなければならない。
 一 命令等の題名
 二 命令等の案の公示の日
 三 提出意見(提出意見がなかった場合にあっては、その旨)
 四 提出意見を考慮した結果(意見公募手続を実施した命令等の案と定めた命令等との差異を含む。)及びその理由

命令等制定機関は、前項の規定にかかわらず、必要に応じ、同項第三号の提出意見に代えて、当該提出意見を整理又は要約したものを公示することができる。この場合においては、当該工事の後遅滞なく、当該提出意見を当該命令等制定機関の事務所における備付けその他の適当な方法により公にしなければならない。

命令等制定機関は、前二項の規定により提出意見を公示し又は公にすることにより第三者の利益を害するおそれがあるとき、その他正当な理由があるときは、当該提出意見の全部又は一部を除くことができる。

命令等制定機関は、意見公募手続を実施したにもかかわらず命令等を定めないこととした場合には、その旨(別の命令等を定めないこととした場合には、その旨(別の命令等の案について改めて意見公募手続を実施しようとする場合にあっては、その旨を含む。)並びに第一項第一号及び第二号に掲げる事項を速やかに公示しなければならない。

命令等制定機関は、第三十九条第四項各号のいずれかに該当することにより意見公募手続を実施しないで命令等を定めた場合には、当該命令等の公布と同時期に、次に掲げる事項を公示しなければならない。ただし、第一号に掲げる事項のうち命令等の趣旨については、同項第一号から第四号までのいずれかに該当することにより意見公募手続を実施しなかった場合において、当該命令等自体から明らかでないときに限る。
 一 命令等の題名及び趣旨
 二 意見公募手続を実施しなかった旨及びその理由


■第四十四条 (準用)
第四十二条の規定は第四十二条の規定は第四十条第二項に該当することにより命令等制定機関が自ら意見公募手続を実施しないで命令等を定める場合について、前条第一項から第三項までの規定は第四十条二項に該当することにより命令等制定機関が自ら意見公募手続を実施しないで命令等を定めた場合について、前条第四項の規定は第四十条第二項に該当することにより命令等制定機関が自ら意見公募手続を実施しないで命令等を定めないこととした場合について準用する。この場合において、第四十二条中「当該命令等制定機関」とあるのは「委員会等」と、前条第一項第二号中「命令等の案の公示の日」とあるのは「委員会等が命令等の案について公示に準じた手続を実施した日」と、同項第四号中「意見公募手続を実施した」とあるのは「委員会等が意見公募手続に準じた手続を実施した」と読み替えるものとする。


■第四十五条 (公示の方法)
第三十九条第一項並びに第四十三条第一項(前条において読み替えて準用する場合を含む。)第四項(前条において準用する場合を含む。)第四項(前条において準用する場合を含む。)及び第五項の規定による公示は、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法により行うものとする。

前項の公示に関し必要な事項は、総務大臣が定める。


第七章 補則

■第四十六条 (地方公共団体の措置)
地方公共団体は、第三条三項において第二章から前章までに規定を適用しないこととされた処分、行政指導及び届出がされないこととされた処分、行政指導及び届出並びに命令等を定める行為に関する手続について、この法律の規定の趣旨にのっとり、行政運営における公正の確保と透明性の向上を図るため必要な措置を講ずるよう努めなければならない。


行政三法ワープ

行手法



行審法



行訴法



行政不服審査法

第一章 総則

■第一条 (目的等)
この法律は、行政庁の違法又は不当な処分その他公権力の行使に当たる行為に関し、国民が簡易迅速かつ公正な手続きの下で広く行政庁に対する不服申立てをすることができるための制度を定めることにより、国民の権利利益の救済を図るとともに、行政の適正な運営を確保することを目的とする。

行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為(以下単に「処分」という。)に関する不服申立てについては、他の法律に特別の定めがある場合を除くほか、この法律の定めるところによる。


■第二条 (処分についての審査請求)
行政庁の処分に不服がある者は、第四条及び第五条第二項の定めるところにより、審査請求をすることができる。


■第三条 (不作為についての審査請求)
法令に基づき行政庁に対して処分についての申請をした者は、当該申請に対して何らの処分をもしないことをいう。以下同じ。)がある場合には、次条の定めるところにより、当該不作為についての審査請求をすることができる。


■第四条 (審査請求をすべき行政庁)
審査請求は、法律(条例に基づく処分については、条例)に特別の定めがる場合を除くほか、次の各号に定める行政庁に対してするものとする。
 一
処分庁等(処分をした行政庁(以下「処分庁」という。)又は不作為にかかわる行政庁(以下「不作為庁」という。)をいう。以下同じ。)に上級行政庁がない場合又は処分庁等が主任の大臣若しくは宮内庁長官若しくは内閣府設置法(平成十一年法律第八十九号)第四十九条第一項若しくは第二項若しくは国家行政組織法(昭和二十三年法律百二十号)第三条第二項に規定する庁の長である場合当該処分庁等
 二
宮内庁長官又は内閣府設置法第四十九条第一項若しくは第二項若しくは国家行政組織法第三条第二項に規定する庁の長が処分庁等の上級行政庁である場合宮内庁長官又は当該庁の長
 三
主任の大臣が処分庁等の上級行政庁である場合(前二号に掲げる場合を除く。)当該主任の大臣
 四
前三号に掲げる場合以外の場合当該処分庁等の最上級行政庁


■第五条 (再調査の請求)
行政庁の処分につき処分庁以外の行政庁に対して審査請求をすることができる場合において、法律に再調査の請求をすることができる旨の定めがあるときは、当該処分に不服がある者は、処分庁に対して再調査の請求をすることがきる。ただし、当該処分について第二条の規定により審査請求をしたときは、この限りでない。

前項本文の規定により再調査の請求についての決定を経た後でなければ、審査請求をすることができない。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。
 一
当該処分につき再調査の請求をした日(第六十一条において読み替えて準用する第二十三条の規定により不備を補正すえきことを命じられた場合にあっては、当該不備を補正した日)の翌日から起算して三月を経過しても、処分庁が当該再調査の請求につき蹴ってをしない場合
 二
その他再調査の請求についての蹴ってを経ないことにつき正当な理由がある場合


■第六条 (再審査請求)
行政庁の処分につき法律に再調査の請求をすることができる旨の定めがる場合には、当該処分についての審査請求の裁決に不服がある者は、再審査請求をすることができる。

再審査請求は、原裁決(再審査請求をすることができる処分についての審査請求の裁決をいう。以下同じ。)を対象として、前項の法律に定める行政庁に対してするものとする。


■第七条 (適用除外)
次に掲げる処分及びその不作為については、第二条及び第三条の規定は、適用しない。
 一 国会の両院若しくは一院又は議会の議決によってされる処分
 二 裁判所もしく裁判官の裁判により、又は裁判の執行としてされる処分
 三 国会の両院若しくは一院若しくは議会の議決を経て、又はこれらの同意若しくは承認を得た上でされるべきものとされている処分
 四 検査官会議で決すべきものとされている処分
 五 当事者間の法律関係を確認し、又は形成する処分で、法令の規定により当該処分に関する訴えにおいてその法律関係の当事者の一方を被告とすべきものと定められているもの
 六 刑事事件に関する法令に基づいて検察感、検察事務官又は司法警察職員がする処分
 七 国税又は地方税の犯則事件に関する法令(他の法令において準用する場合を含む。)に基づいて国税庁長官、国税局長、税務署長、収税官吏、税関長、税関職員又は徴税吏員(ほかの法令の規定に基づいてこれらの職員の職務を行う者を含む。)がする処分及び金融商品取引の犯則事件に関する法令(他の法令において準用する場合を含む。)に基づいて証券取引等監視委員会、その職員(当該法令においてその職員とみなされる者を含む。)、財務局長又は財務支局長がする処分
 八 学校、公住所、訓練所又は研修所において、教育、講習、訓練又は研修の目的を達成するために、学生、生徒、児童若しくは幼児若しくはこれらの保護者、講習生、訓練生又は研修生に対してされる処分  九 刑務所、少年刑務所、拘置所、留置施設、海上保安留置施設、海上保留置施設、少年院、少年鑑別所又は婦人補導院において、収容の目的を達成するためにされる処分
 十 外国人の出入国又は帰化に関する処分
 十一 専ら人の学識技能に関する試験又は検定の結果についての処分
 十二 この法律に基づく処分(第五章第一節第一款の規定に基づく処分を除く。)

国の機関又は地方公共団体その他の公共団体若しくはその期間に対する処分で、これらの機関又は団体がその固有の資格において当該処分の相手方となるもの及びその不作為については、この法律の規定は、適用しない。


■第八条 (特別の不服申立ての制度)
前条の規定は、同条の規定により審査請求をすることができない処分又は不作為につき、別に法令で当該処分又は不作為の性質に応じた不服申立ての制度を設けることを妨げない。


第二章 審査請求

第一節 審査庁及び審理関係人

■第九条 (審理員)
第四条又は他の法律若しくは条令の規定により審査請求がされた行政庁(第十四条の規定により引継ぎを受けた行政庁を含む。以下「審査庁」という。)は、審査庁に所属する職員(第十七条に規定する名簿を作成した場合にあっては、当該名簿に記載されている者)のうちから第三節に規定する審理手続(この節に規定する手続を含む。)を行う者を指名するとともに、その旨を審査請求人及び処分庁等(審査庁以外の処分庁等に限る。)に通知しなければならない。ただし、次の各号のいずれかに掲げる機関が審査庁である場合若しくは条例に基づく処分について条例に特別の定めがある場合又は第二十四条の規定により当該審査請求を却下する場合は、この限りでない。
 一 内閣府設置法第三十七条第一項若しくは第二項又は国家行政組織法第三条第二項に規定する委員会
 二 内閣府設置法第三十七条若しくは第五十四条又は国家行政組織法第八条に規定する機関
 三 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第百三十八条に規定する機関
 三 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第百三十八条の四第一項に規定する委員会若しくは委員又は同条第三項に規定する機関

審査庁が前項の規定により指名する者は、次に掲げる者以外の者でなければならない。
 一 審査請求に係る処分若しくは当該処分に係る再調査の請求についての決定に関与した者又は審査請求に係る不作為に係る処分に関与し、もしくは関与することとなる者
 二 審査請求人
 三 審査請求人の配偶者、四親等内の親族又は同居の親族
 四 審査請求人の代理人
 五 前二号に掲げる者であった者
 六 審査請求人の後見人、後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人又は補助監督人
 七 第十三条第一項に規定する利害関係人

審査庁が第一項各号に掲げる機関である場合又は同行ただ書の特別の定めがある場合においては、別表第一の上欄に掲げる規定の適用については、これからの規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとし、第十七条、第四十条、第四十二条及び第五十条第二項の規定は、適用しない。

前項に規定する場合において、審査庁は、必要があると認めるときは、その職員(第二項各号(第一項各号に掲げる機関の構成員にあっては、第一号を除く。)に掲げる者以外の者に限る。)に、前項において読み替えて適用する第三十一条第一項の規定による審査請求人若しくは第十三条第四項に規定する参加人の意見の陳述を聴かせ、同項において読み替えて適用する第三十五条第一項による検証をさせ、前項において読み替える適用する第三十六条の規定による第二十八条に規定する審理関係人に対する質問をさせ、又は同項において読み替えて適用する第三十七条第一項若しくは第二項の規定による意見の聴取を行わせることができる。


■第十条 (法人でない社団又は財団の審査請求)
法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるものは、その名で審査請求をすることができる。


■第十一条 (総代)
多数人が共同して審査請求をしようとするときは、三人を超えない総代を互選することができる。

共同審査請求人が総代を互選しない場合において、必要があると認めるときは、第九条第一項の規定により指名された者(以下「審理員」という。)は、総代の互選を命ずることができる。

総代は、各自、他の共同審査請求人のために、審査請求の取下げを除き、当該審査請求に関する一切の行為をすることができる。

総代が選任されたときは、共同審査請求人は、総代を通じてのみ、前項の行為をすることができる。

共同審査請求人に対する行政庁の通知その他の行為は、二人以上の商大が選任されている場合においても、一人の総代に対してすれば足りる。

共同審査請求人は、必要があると認める場合には、総代を解任することができる。


■第十二条 (代理人による審査請求)
審査請求は、代理人によってすることができる。

前項の代理人は、各自、審査請求人のために、当該審査請求に関する一切の行為をすることができる。たたし。審査請求の取下げは、特別の委任を受けた場合に限り、することができる。


■第十三条 (参加人)
利害関係人(審査請求人以外の者であって審査請求に係る処分又は不作為に係る処分の根拠となる法令に照らし当該処分につき利害関係を優するものと認められる者をいう。以下同じ。)は、審理員の許可を得て、当該審査請求に参加することができる。

審理員は、必要があると認める場合には、利害関係人に対し、当該審査請求に参加することを求めることができる。

審査請求への参加は、代理人によってすることができる。

前項の代理人は、各自、第一項又は第二項の規定により当該審査請求に参加する者(以下「参加人」という。)のために、当該審査請求への参加に関する一切の行為をすることができる。ただし、審査請求への参加の取下げは、特別の委任を受けた場合に限り、することができる。


■第十四条 (行政庁が裁決をする権限を有しなくなった場合の措置)
行政庁が審査請求がされた後法令の改廃により当該審査請求につき裁決をする権限を有しなくなったときは、当該行政庁は、第十九条に規定する審査請求書又は第二十一錠第二項に規定する審査請求書又は第二十一条第二項に規定する審査請求録取書及び関係書類その他の物権を新に当該審査請求につき裁決をする権限を有することになった行政庁に引き継がなければならない。この場合において、その引継ぎを受けた行政庁は、速やかに、その旨を審査請求人及び参加人に通知しなければならない。


■第十五条 (審理手続の承継)
審査請求人が死亡したときは、相続人その他法令により審査請求の目的である処分に係る権利を承継した者は、審査請求人の地位を承継する。

審査請求人について合併又は分割(審査請求の目的である処分に係る権利を承継させるものに限る。)あったときは、合併後存続する法人その他の社団若しくは財団若しくは合併により設立された法人その他の社団若しくは財団又は分割により当該権利を承継した法人は、審査請求人の地位を承継する。

前二項の場合には、審査請求人の地位を承継した相続人その他の者又あ法人その他の社団若しくは財団は、書面でその旨を審査請求人に届け出なければならない、この場合には、届出書には、死亡若しくは分割による権利の承継又は合併の事実を証する書面を添付しなければならない。

第一項又は第二項の場合において、前項の規定による届出がされるまでの間において、死亡者又は合併前の法人その他の社団若しくは財団若しくは分割をした法人に宛ててされた通知が審査請求人の地位を承継した法人に到達したときは、当該通知は、これらの者に対する通知としての効力を有する。

第一項の場合において、審査請求人の地位を承継した相続人その他の者が二人以上あるときは、その一人に対する通知その他の行為はm全員に対してされたものとみなす。

審査請求の目的である処分に係る権利を譲り受けた者は、審査庁の許可を得て、審査請求人の地位を承継することができる。


■第十六条 (標準処理期間)
第四条又は他の法律若しくは条例の規定により審査庁となるべき行政庁(以下「審査庁となるべき行政庁」という。は、審査請求がその事務所に到達してから当該審査請求に対する裁決をするまでに通常要すべき標準的な期間を定めるよう努めるとともに、これを定めなかったときは、当該審査庁となるべき行政庁及び関係処分庁(当該審査請求の対象となるべき処分の権限を有する行政庁であって当該審査庁となるべき行政庁以外のものをいう。次条において同じ。)の事務所における備付けその他の適当な方法により公にしておかなければならない。


■第十七条 (審理員となるべき者の名簿)
審査庁となるべき行政庁は、審理員となるべき者の名簿を作成するよう努めるとともに、これを作成したときは、当該審査庁となるべき行政庁及び関係処分庁の事務所における備付けその他の適当な方法により公にしておかなければならない。


第二節 審査請求の手続

■第十八条 (審査請求期間)
処分についての審査請求は、処分があったことを知ったに日の翌日から起算して三月(当該処分について再調査の請求をしたときは。当該処分について再調査の請求をしたときは、当該再調査の請求についての決定があったこと知った日の翌日から起算して一月)を経過したときは、することができない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。

処分についての再審査請求は、処分(当該処分についての審査請求は、処分(当該処分についての再調査の請求をしたときは、当該再調査の請求についての決定)があった日の翌日から起算して一年を経過したときは、することができない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。

次条に規定する審査請求書を郵便又は民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)第二条第六項に規定する一般信書便事業者若しくは同条第九項に規定する特定信書便事業者による同条第二項に規定する信書便で提出した場合における前二項に規定する機関(以下「審査請求期間」という。)の計算については、送付に要した日数は、算入しない。


■第十九条 (審査請求書の提出)
審査請求は、他の法律(条令に基づく処分については、条例)に口頭ですることができる旨の定めがある場合を除き、政令で定めるところにより、審査請求書を提出してしなければならない。

処分についての審査請求書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
 一 審査請求人の氏名又は名称及び住所又は居所
 二 審査請求に係る処分の内容
 三 審査請求に係る処分(当該処分について再調査の請求についての決定を経たときは、当該決定)があったことを知った年月日
 四 審査請求の趣旨及び理由
 五 処分庁の教示の有無及びその内容
 六 審査請求の年月日

不作為についての審査請求書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
 一 審査請求人の氏名又は名称及び住所又は居所
 二 当該不作為に係る処分についての申請の内容及び年月日
 三 審査請求の年月日

審査請求人が、法人その他の社団若しくは財団である場合、総代を互選した場合又は代理人によって審査請求をする場合には、審査請求書には、第二項各号又は前項各号に掲げる事項のほか、その代表者若しくは管理人、総代又は代理人の氏名及び住所又は居所を記載しなければならない。
 一 第五条第二項第一号の規定により再調査の請求についての決定を経ないで審査請求をする場合その決定を経ないで審査請求をする場合再調査の請求をした年月日
 二 前互譲第二項第二号の規定により再調査の請求についての決定を経ないで審査請求をする場合その決定を経ないことについての正当な理由
 三 審査請求期間の経過後において審査請求をする場合前条第一項ただし書又は第二項ただし書に規定する正当な理由


■第二十条 (口頭による審査請求)
口頭で審査請求をする場合には、前条第二項から第五項までに規定する事項を陳述しなければならない。この場合において、陳述を受けた行政庁は、その陳述の内容を録取し、これを陳述人に読み聞かせて誤りのないことを確認し、陳述人に押印させなければならない。


■第二十一条 (処分庁等を経由する審査請求)
審査請求をすべき行政庁が処分庁等と異なる場合における審査請求は、処分庁等を経由してすることができる。この場合において、審査請求人は、処分庁等に審査請求書を提出し、又は処分庁等に対し第十九条第二項から第五項までに規定する事項を陳述するものとする。

第一項の場合における審査請求期間の計算については、処分庁に審査請求書を提出し、又は処分庁に対して当該事項を陳述した時に、処分庁についての審査請求があったものとみなす。


■第二十二条 (誤った教示をした場合の救済)
審査請求をすることができる処分につき、処分庁が誤って審査請求をすべき行政庁でない行政庁を審査請求をすべき行政庁として教示した場合において、その教示された行政庁に書面で審査請求がされたときは、当該行政庁は、速やかに、審査請求書を処分庁又は審査庁となるべき行政庁に送付し、かつ、その旨を審査請求人に通知しなければならない。

前項の規定により処分庁に審査請求書が送付されたときは、処分庁は、速やかに、これを審査庁となるべき行政庁に送付し、かつ、その旨を審査請求人に通知しなければならない。

第一項の処分のうち、再調査の請求をすることができない処分につき、処分庁が誤って再調査の請求をすることができる旨を教示した場合において、当該処分庁に再調査の請求がされたときは、処分庁は、速やかに、再調査の請求書(第六十一条おいて読み替えて準用する第十九条に規定する再調査の請求書をいう。以下この条において同じ。)又は再調査の請求録取書(第六十一条において準用する第二十条後段の規定により陳述の内容を録取した書面をいう。以下この条において同じ。)を審査庁となるべき行政庁に送付し、かつ、その旨を再調査の請求人に通知しなければならない。

再調査の請求をすることができる処分につき、処分庁が誤って審査請求をすることができる旨を教示しなかった場合において、当該処分庁に再調査の請求がされた場合であって、再調査の請求人から申立てがあったときは、処分庁は、速やかに、再調査の請求書又は再調査の請求録取書及び関係書類その他の物件を審査庁となるべき行政庁に送付しなければならない、この場合において、その送付を受けた行政庁は、速やかに、その旨を再調査の請求人及び第六十一条において読み替えて準用する第十三条第一項又は第二項の規定により当該再調査の請求に参加する者に通知しなければならない。

前各項の規定により審査請求書又は再調査の請求書若しくは再調査の請求録取書が審査庁となるべき行政庁に送付されたときは、初めから審査庁となるべき行政庁に審査請求がされたものとみなす。


■第二十三条 (審査請求書の補正)
審査請求書が第十九条の規定に違反する場合には、審査庁は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。


■第二十四条 (審査手続を経ないでする却下裁決)
前条の場合において、審査請求人が同条の期間内に不備を補正しないときは、審査庁は、次節に規定する審査手続を経ないで第四十五条第一項又は第四十九条第一項の規定に基づき、裁決で、当該審査請求を却下することができる。

審査請求が不適法であって補正することができないことが明らかなときも、前項と同様とする。


■第二十五条 (執行停止)
審査請求は、処分の効力、処分の執行又は手続の続行を妨げない。

処分庁の上級行政庁又は処分庁である審査庁は、必要があると認める場合には、審査請求人の申立てにより又は職権で、処分の効力、処分の執行又は手続の続行の全部又は一部の停止その他の措置(以下「執行停止」という。)をとることができる。

処分庁の上級行政庁又は処分庁のいずれでもない審査庁は、必要があると認める場合には、審査請求人の申立てにより、処分庁の意見を聴取した上、執行停止をすることができる。ただし、処分の効力、処分の執行又は手続の執行の全部又は一部の停止以外の措置をとることはできない。

前以降の規定による審査請求人の申立てがあった場合において、処分、処分の執行又は手続の続行により生ずる重大な損害を避けるために緊急の必要があると認めるときは、審査庁は、執行停止をしなければならない。ただし、公共の福祉に重大な影響を及ぼすおそれがあるとき、又は本案について理由がないとみえるとき、又は本案について理由がないとみえるときは、この限りでない。

審査庁は、前項に規定する重大な損害を生ずるか否かを判断するに当たっては、損害の程度を考慮するものとし、損害の回復の困難の程度並びに処分の内容及び性質をも勘案するものとする。

第二項から第四項までの場合において、処分の効力の停止は、処分の効力の停止以外の祖にによって目的を達することができるときは、することができない。

執行停止の申立てがあったとき、又は審理員から第四十条に規定する執行停止をすべき旨の意見書が提出されたときは、審査庁は、速やかに、執行停止をすることができるかどうかを決定しなければならない。


■第二十六条 (執行停止の取消し)
執行停止をした後において、執行停止が公共の福祉に重大に影響を及ぼすことが明らかとなったとき、その他事情が変更したときは、審査庁は、その執行停止を取り消すことができる。


■第二十七条 (審査請求の取下げ)
審査請求人は、裁決があるまでは、いつでも審査請求を取り下げることができる。

審査請求の取下げは、書面でしなければならない。


第三節 審理手続

■第二十八条 (審理手続の計画的進行)
審査請求人、参加人及び処分庁等(以下「審理関係人」という。)並びに審理員は、簡易迅速かつ公正な審理の実現のため、審理において、相互に協力するとともに、審理手続の計画的な信仰を図らなければならない。


■第二十九条 (弁明書の提出)
審理員は、審査庁から指名されたときは、直ちに、審査請求書又は審査請求録取書の写しを処分庁等に送付しなければならない。ただし、処分庁等が審査庁である場合には、この限りでない。

審理員は、相当の期間を定めて、処分庁等に対し、弁明書の提出を求めるものとする。

処分庁等は、前項の弁明書に、次の各号の区分に応じ、当該各号に定める事項を記載しなければならない。
 一 処分についての審査請求に対する弁明書処分の内容及び理由
 二 不作為についての精査請求に対する弁明書処分をしていない理由並びに予定される処分の時期、内容及び理由

処分庁が次に掲げる弁明書にこれを添付するものとする。
 一 行政手続法(平成五年法律第八十八号)第二十四条第一項の調書及び前条第三項の報告書
 二 行政手続法第二十九条第一項に規定する弁明書

審理員は、処分庁等から弁明書の提出があったときは、これを審査請求人及び参加人に送付しなければならない。


■第三十条 (反論書等の提出)
審査請求人は、前条第五項の規定により送付された弁明書に記載された事項に対する反論を記載した書面(以下「反論書」という。)を提出することができる。この場合において、審理員が、反論書を提出すべき相当の期間を定めたときは、その期間内にこれを提出しなければならない。

参加人は、審査請求に係る事件に関する意見を記載した書面(第四十条及び第四十二条第一項を除き。以下「意見書」という。)を提出することができる。この場合において、審理員が意見書を提出すべき相当の期間を定めたときは、その期間内にこれを提出しなければならない。

審理員は、審査請求人から反論書の提出があったときはこれを参加人及び処分庁等に、それぞれ送付しなければならない。


■第三十一条 (口頭意見陳述)
審査請求人又は参加人の申立てがあった場合には、審理員は、当該申立てをした者(以下この条及び第四十一条第二項第二号において「申立人」という。)に口頭で審査請求に係る事件に関する意見を述べる機会を与えなければならない。ただし、当該申立人の所在その他の事情により当該意見を述べる機会を与えることが困難であると認められる場合には、この限りでない。

前項本文の規定による意見の陳述(以下「口頭意見陳述」という。)は、審理員が期日及び場所を指定し、全ての審理関係人を召集してさせるものとする。

口頭意見陳述において、申立人は、審理員の許可を得て、補佐人とともに出頭することができる。

口頭意見陳述において、審理員は、申立人のする陳述が事件に関係のない事項にわたる場合その他相当でない場合には、これを制限することができる。

口頭意見陳述に際し、申立人は、審理員の許可を得て、審査請求に係る事件に関し、処分庁等に対して、質問を発することができる。


■第三十二条 (証拠書類等の提出)
審査請求人又は参加人は、証拠書類又は証拠物を提出することができる。

処分庁等は、当該処分の理由となる事実を証する書類その他物件を提出することができる。

前二項の場合において、審理員が、証拠書類若しくは証拠物又は書類その他の物件を提出すべき相当の機関を定めたときは、その期間内にこれを提出しなければならない。


■第三十三条 (物件の提出要求)
審理員は、審査請求人若しくは参加人の申立てにより又は職権で、書類その他の物件の所持人に対し、相当の期間を定めて、その物件の提出を求めることができる。この場合において、審理員は、その提出された物件を留め置くことができる。


■第三十四条 (参考人の陳述及び鑑定の要求)
審理員は、審査請求人若しくは参加人の申立てにより又は職権で、適当と認める者に、参考人としてその知っている事実の陳述を求め、又は鑑定を求めることができる。


■第三十五条 (検証)
審理員は、審査請求人若しくは参加人の申立てにより又は職権で、必要な場所につき、検証をすることができる。

審理員は、審査請求人又は参加人の申立てにより前項の検証をしようとするときは、あらかじめ、その日時及び場所を当該申立てをした者に通知し、これに立ち会う機会を与えなければならない。


■第三十六条 (審理関係人への質問)
審理員は、審査請求人若しくは参加人の申立てにより又は職権で、審査請求に係る事件に関し、審理関係人に質問することができる。


■第三十七条 (審理手続の計画的遂行)
審理員は、誠意させいきゅに係る事件について、審理すべき事項が多数であり又は錯綜しているなど事件が複雑であることその他の事項により、迅速かつ公正な審理を行うため、第三十一条から前条までに定める審理手続を計画的に遂行する必要があると認める場合には、期日及び場所を指定して、審理関係人を召集し、あらかじめ、これらの審理手続の申立てに関する意見の聴取を行うことができる。

審理員は、審理関係人が遠隔の地に居住している場合その他相当と認める場合には、政令で定めるところにより、審理員及び審理関係人が音声の送受信により通話をすることができる方法によって、前項に規定する意見の鞘腫を行うことができる。

審理員は、前二項の規定による意見の聴取を行ったときは、遅滞なく、第三十一条から前条までに定める審理手続の期日及び場所並びに第四十一条第一項の規定による審理手続の終結の予定時期を決定し、これらを審理関係人に通知するものとする。当該予定時期を変更したときも、同様とする。


■第三十八条 (審査請求人等による提出書類等の閲覧等)
審査請求人又は参加人は、第四十一条第一項又は第二項の規定により審理手続が終結するまでの間、審理員に対し、提出書類等(第二十九条第四項各号に掲げる書面又は第三十二条第一項若しくは第二項若しくは第三十三条の規定により提出された書類その他の物件をいう。次項において同じ。)の閲覧(電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう、以下同じ。)にあっては、記録された事項を審査庁が定める方法により表示されたものの閲覧)又は当該書面若しくは当該書類の写し若しくは当該電磁的記録に記録されたものの閲覧)又は当該書面若しくは当該書類の写し若しくは当該電磁的記録に記録された事項を記載した書面の交付を求めることができる。この場合において、審理員は第三者の利益を害するおそれがあると認めるとき、その他政党な理由があるときでなければ、その閲覧又は交付を拒むことができない。

審理員は、前項の規定による閲覧をさせ、又は同項の規定による交付をしようとするときは、当該閲覧又は交付をしようとするこきは、当該閲覧又は交付に係る提出書類等の提出人の意見を聴かなければならない、ただし、審理員が、その必要がないと認めるときは、この限りでない。

審理員は、第一項の規定による閲覧について、日時及び場所を指定することができる。

第一項の規定による交付を受ける審査請求人又は参加人は、政令で定めるところにより、実質の範囲内において政令で定める額の手数料を納めなければならない。

審理員は、経済的困難その他特別の理由があると認めるときは、政令で定めるところにより、前項の手数料を減額し、又は免除することができる。

地方公共団体(都道府県、市町村及び特別区並びに地方公共団体の組合に限る。以下同じ。)に所属する行政庁が審査庁である場合における前二項の規定の適用については、これらの規定中「政令」とあるのは、「条例」とし、国又は地方公共団体に所属しない行政庁が審査庁である場合におけるこれらの規定の適用については、これらの規定中「政令で」とあるのは、「審査庁が」とする。


■第三十九条 (審理手続の併合又は分離)
審理員は、必要があると認める場合には、数個の審査請求に係る審理手続を併合し、又は併合された数個の審査請求に係る審理手続を分離することができる。


■第四十条 (審理員による執行停止の意見書の提出)
審理員は、必要があると認める場合には、審査庁に対し、執行停止をすべき旨の意見書を提出することができる。


■第四十一条 (審理手続の終結)
審理員は、必要な審理を終えたと認めるときは、審理手続を終結するものとする。

前項に定めるもののほか、審理員は、次の各号のいずれかに該当するときは、審理手続を終結することができる。  一 次のイからホまでに定める物件が提出されない場合において、更に一定の期間を示して、当該物件の提出を求めたにもかかわらず、当該提出期間内に当該物件が提出されなかったとき。
 イ 第二十九条第二項弁明書
 ロ 第三十条第一項後段意見書
 ハ 第三十二項後段意見書
 二 第三十二条第三項証拠書類若しくは証拠物又は書類その他の物件
 ホ 申立人が、正当な理由なく、口頭意見陳述に出頭しないとき。

審理員が前二項の規定により審理手続を終結したときは、速やかに、審理手続を終結した旨並びに次条第一項に規定する審理員意見書及び事件記録(審査請求書、弁明書その他審査請求に係る事件に関する書類その他の物件のうち政令で定めるものをいう。同条第二項及び第四十三条第二項において同じ。)を審査庁に提出する予定時期を変更したいときも、同様とする。


■第四十二条 (審理員意見書)
審理員は、審理手続を終結したときは、遅滞なく、審査庁がすべき裁決に関する意見書(以下「審理員意見書」という。)を作成しなければならない。

審理員は、審理員意見書を作成したときは、速やかに、これを事件記録とともに、審査庁に提出しなければならない。


第四節 行政不服審査会等への諮問

■第四十三条
審査庁は、審理員意見書の提出を受けたときは、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、審査庁が主任の大臣又は宮内庁長官若しくは内閣府設置法第四十九条第一項若しくは第二項若しくは国家行政組織法第三条第二項に規定する庁の長である場合にあっては行政不服審査会に、審査庁が地方公共団体の長(地方公共団体の組合にあっては、長、管理者又は理事会)である場合にあっては第八十一条第一項又は第二項の機関に、それぞれ諮問しなければならない。
 一 審査請求に係る処分をしようとするときに他の法律又は政令(条例に基づく処分については、条例)に第九条第一項各号に掲げる機関若しくは地方公共団体の議会又はこれらの機関に要するものとして政令で定めるもの(以下「審議会等」という。)の議を経るべき旨又は経ることができる旨の定めがあり、かつ、当該議を経て当該処分がされた場合
 二 裁決をしようとするときに他の法律又は政令(条令に基づく処分については、条例)に第九条第一項各号に掲げる機関若しくは地方公共団体の議会又はこれらの機関に類するものとして政令で定めるものの議を経るべき旨又は経ることができる旨の定めがあり、かつ、当該議を経て議決をしようとする場合
 三 第四十六条第三項又は第四十九条第四項の規定により審議会等の議を経て議決をしようとする場合
 四 審査請求人から、行政不服審査会又は第八十一条第一項若しくは第二項の機関(以下「行政不服審査会等」という。)への諮問を希望しない旨の申出がされている場合(参加人から、行政不服審査会等に諮問しないことについて反対する旨の申出がされている場合を除く。)
 五 審査請求が、行政不服審査会等によって、国民の権利利益及び行政運営に対する影響の程度その他当該事件の性質を勘案して、諮問を要しないものと認められたものである場合
 六 審査請求が不適法であり、却下する場合
 七 第四十六条第一項の規定により審査請求に係る処分(法令に基づく申請を却下し、又は棄却する処分及び事実上の行為を除く。)の全部を取り消し、又は第四十七条第一号若しくは第二項の規定により審査請求に係る事実上の行為の全部を撤廃べき旨を命じ、もしくは撤廃することとする場合(当該処分の全部を取り消すこと又は当該事実上の行為の全部を撤廃すべき旨を命じ、もしくは撤廃することについて反対する旨の意見書が提出されている場合及び口頭意見陳述においてその旨の意見が述べられている場合を除く。)
 八 第四十六条第二項各号又は第四十九条第三項各号に定める措置(法令に基づく申請の全部を認容すべき旨を命じ、又は認容するものに限る。)をとることとする場合(当該申請の全部を認容することについて反対する旨の意見書が提出されている場合及び口頭意見陳述においてその旨の意見が述べられている場合を除く。)

前項の規定による諮問は、審理員意見書及び事件記録の写しを添えてしなければならない。

第一項の規定により諮問をした審査庁は、審理関係人(処分庁等が審査庁である場合にあっては、審査請求人及び参加人)に対し、当該諮問をした旨を通知するとともに、審理員意見書の写しを送付しなければならない。


第五節 裁決

■第四十四条 (裁決の時期)
審査庁は、行政不服審査会等から指紋に対する答申を受けたとき(前条第一項の規定による諮問を要しない場合(同行第二号又は第三号に該当する場合を除く。)にあっては審理員意見書が提出されたとき、同行第二号又は第三号に該当する場合にあっては同行第二号又は第三号に規定する議を経たとき)は、遅滞なく、議決をしなければならない。


■第四十五条 (処分についての審査請求の却下又は棄却)
処分についての審査請求が法定の期間経過後にされたものである場合その他不適当である場合には、審査庁は、裁決で、当該審査請求を却下する。

処分についての審査請求が理由がない場合には、審査庁は、裁決で、当該審査請求を棄却する。

審査請求に係る処分が違法又は不当ではあるが、これを取り消し、又は撤廃することにより公の利益に著しい障害を生ずる場合において、審査請求人の受ける損害の程度、その損害の賠償又は防止の程度及び方法その他一切の事情を考慮した上、処分を取り消し、又は撤廃することが公共の福祉に適合しないと認めるときは、審査庁は、裁決で、当該審査請求を棄却することができる。この場合には、審査庁は、裁決の主文で、当該処分が違法又は不当であることを宣言しなければならない。


■第四十六条 (処分についての審査請求の認容)
処分(事実上の行為を除く。以下この条及び第四十八条において同じ。)についての審査請求が理由がる場合(前条第三項の規定の適用がある場合を除く。)には。審査庁は、裁決で、当該処分の全部若しくは一部を取り消し、又はこれを変更する。ただし、審査庁が処分庁の上級行政庁又は処分庁のいずれでもない場合には。当該処分を変更することはできない。

前項の規定により法令に基づく申請を却下し、又は棄却する処分の全部又は一部を取り消す場合において、次の各号に掲げる審査庁は、当該申請に対して一定の処分をすべきものと認めるときは、当該各号に定める措置をとる。
 一 処分庁の上級行政庁である審査庁当該処分庁に対し、当該処分をすべき旨を命ずること。
 二 処分庁である審査庁当該処分をすること。

前項に規定する一定の処分に関し、第四十三条第一項第一号に規定する議を経るべき旨の定めがある場合において、審査庁が前項各号に定める措置をとるために必要があると認めるときは、審査庁は、当該定めに係る審議会等の議を経ることができる。

前項に規定する定めがある場合のほか、第二項に規定する一定の処分に関し、他の法令に関係行政機関との協議の実施その他の手続をとるべき旨の定めがある場合において、審査庁が同項各号に定める措置をとるために必要があると認めるときは、審査庁は、当該手続をとることができる。


■第四十七条
事実上の行為についての審査請求が理由がある場合(第四十五条第三項の規定の適用がある場合を除く。)には、審査庁は、裁決で、当該事実上の行為が違法又は不当である旨を宣言するとともに、次の各号に掲げる審査庁の区分に応じ、当該各号に定める措置をとる。ただし、審査庁が処分庁の上級庁以外の審査庁である場合には、当該事実上の行為を変更すべき旨を命ずることはできない。
 一 処分庁以外の審査庁当該処分庁に対し、当該事実上の行為の全部若しくは一部を撤廃し、又はこれを変更すべき旨を命ずること。
 二 処分庁である審査庁当該事実上の行為の全部若しくは一部を撤廃し、又はこれを変更すること。


■第四十八条(不利益変更の禁止)
第四十六号第一項本文又は前条の場合において、審査庁は、審査請求人の不利益に当該処分を変更し、又は当該事実上の行為を変更すべき旨を命じ、もしくはこれを変更することはできない。


■第四十九条(不作為についての審査請求の裁決)
不作為についての審査請求が当該不作為に係る処分についての申請から相当の期間が経過しないでされたものである場合その他不適法である場合には、審査庁は、裁決で、当該審査請求を却下する。

不作為についての審査請求が理由がある場合には、審査庁は、裁決で、当該審査請求を棄却する。

不作為についての審査請求が理由がある場合には、審査庁は、裁決で、当該不作為が違法又は不当である旨を宣言する。この場合において、次の各号に掲げる審査庁は、当該申請に対して一定の処分をすべきものと認めるときは、当該各号に定める措置をとる。
 一 不作為庁の上級行政庁である審査庁当該不作為庁い対し、当該処分をすべき旨を命ずること。
 二 不作為庁である審査庁当該処分をすること。

審査請求に係る不作為に係る処分に関し、第四十三条第一項第一号に規定する議を経るべき旨の定めがある場合において、審査庁が前項各号に定める措置をとるために必要があると認めるときは、審査庁は、当該定めに係る審議会等の議を経ることができる。

前項に規定する定めがある場合のほか、審査請求に係る房口に係る処分に関し、他の法令に関係行政機関との協議の実施その他の手続をとるべき旨の定めがある場合において、審査庁が第三項各号に定める措置をとるために必要があると認めるときは、審査庁は、当該手続をとることができる。


■第五十条(裁決の方式)
裁決は、次に掲げる事項を記載し、審査庁が記名押印した裁決書によりしなければならない。
 一 主文
 二 事案の概要
 三 審理関係人の主張の要旨
 四 理由(第一号の主文が審理員意見書又は行政不服審査会等若しくは審議会等の答申書と異なる内容である場合には、異なることとなった理由を含む。)

第四十三条第一項の規定による行政不服審査会等への諮問を要しない場合には、前項の裁決書には、審理員意見書を添付しなければならない。

審査庁は、再審査請求をすることができる裁決をする場合には、裁決書に再審査請求期間(第六十二条に規定する期間をいう。)を記載して、これらを教示しなければならない。


■第五十一条(裁決の効力発生)
裁決は、審査請求人(当該審査請求が処分の相手方以外の者のしたものである場合における第四十六条第一項及び第四十七条の規定による裁決にあっては、審査請求人及び処分の相手方)にあっては、審査請求人及び処分の相手方)に送達された時に、その効力を生ずる。

裁決の送達は、送達を受けるべき者に裁決書の謄本を送付することによってする。ただし、送達を受けるべき者に裁決書の謄本を送付することによってする。ただし、送達を受けるべき者の素材が知れない場合その他裁決書の謄本を送付することがでいないばいいには、公示の方法によってすることができる。

公示の方法による送達は、審査庁が裁決書の謄本を保管し、いつでもその送達を受けるべき者に交付する旨を官報その他の公報又は新聞紙に少なくとも一回掲載してするものとする。この場合において、その掲示を始めた日の翌日から起算して二週間を経過した時に裁決書の謄本の送付があったものとみなす。

審査庁は、裁決書の謄本を参加人及び処分庁等(審査庁以外の処分庁等に限る。)に送付しなければならない。


■第五十二条(裁決の拘束力)
裁決は、関係行政庁を拘束する。

申請に基づいてした処分が手続の違法若しくは不当を理由として裁決で取り消され、又は申請を却下し、若しくは棄却した処分が裁決で取り消された場合には、処分庁は、裁決の趣旨に従い、改めて申請に対する処分をしなければならない。

法令の規定により公示された処分が裁決で取り消され、又は変更された場合には、処分庁は、当該処分が取り消され、又は変更された旨を公示しなければならない。

法令の規定により処分の相手方以外の利害関係人に通知された処分が裁決で取り消され、又は変更された場合には、処分庁は、その通知を受けた者(審査請求人及び参加人を除く。)に、当該処分が取り消され、又は変更された旨を通知しなければならない。


■第五十三条(証拠書類等の返還)
審査庁は、裁決をしたときは、速やかに、第三十二条第一項又は第二項の規定により提出された証拠書類若しくは証拠物又は書類その他の物件及び第三十三条の規定による提出要求に応じて提出された書類その他の物件をその提出人に返還しなければならない。


第三章 再調査の請求

■第五十四条(再調査の請求期間)
再調査の請求は、処分があったことを知った日の翌日から起算して三月を経過したときは、することができない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。

再調査の請求は、処分があった日の翌日から起算して一年を経過したときは、することができない。ただし。正当な理由があるときは、この限りでない。


■第五十五条(誤った教示をした場合の救済)
再調査の請求をすることができる処分につき、処分庁が誤って再調査の請求をすることができる旨を教示しなかった場合において、審査請求がされた場合であって、審査請求人から申立てがあったときは、審査庁は、速やかに、審査請求書又は審査請求録取書を処分庁に送付しなければならない。ただし、審査請求人に対し弁明書が送付された後においては、この限りでない。

前項本文の規定により審査請求書又は審査請求録取書の送付を受けた処分庁は、速やかに、その旨を審査請求人及び参加人に通知しなければならない。

第一項本文の規定により審査請求書又は審査請求録取書が処分庁に送付されたときは、初めから処分庁に再調査の請求がされたものとみなす。


■第五十六条(再調査の請求についての決定を経ずに審査請求がされた場合)
第五条第二項ただし書の規定により審査請求がされたときは、同行の再調査の請求は、取り下げられたものとみなす。ただし、処分庁において当該審査請求がされた日以前に再調査の請求に係る処分(事実上の行為を除く。)を取り消す旨の第六十条第一項の決定書の謄本を発している場合又は再調査の請求に係る事実上の行為を撤廃している場合には、当該審査請求(処分(事実上の行為を除く。)の一部を取り消す旨の第五十九条第一項の決定がされている場合又は事実上の行為の一部が撤廃されている場合にあっては、その部分に限る。)が取り下げられたものとみなす。


■第五十七条(三月後の教示)
処分庁は、再調査の請求がされた日(第六十一条において読み替えて準用する第二十三条の規定により不備を補正すべきことを命じた場合にあっては、当該不備が補正された日)の翌日から起算して係属しているときは、遅滞なく、当該処分について直ちに審査請求をすることができる旨を書面でその再調査の請求人に教示しなければならない。


■第五十八条(再調査の請求の却下又は棄却の決定)
再調査の請求が法定の期間経過後にされたものである場合その他不適法である場合には、処分庁は、決定で、当該再調査の請求を却下する。

再調査の請求が理由がない場合には、処分庁は、決定で、当該再調査の請求を棄却する。


■第五十九条(再調査の請求の認容の決定)
処分(事実上の行為を除く。)についての再調査の請求っが理由がある場合には、処分庁は、決定で、当該処分の全部もしくは、処分庁は、決定で、当該処分の全部若しくは伊津部を取り消し、又はこれを変更する。

事実上の行為についての再調査の請求が理由がある場合には、処分庁は、決定で、当該事実章の行為が違法又は不当である旨を宣言するとともに、当該事実上の行為の全部若しくは一部を撤廃し、又はこれを変更する。

処分庁は、前二項の場合において、再調査の請求人の不利益に当該処分又は当該事実上の行為を変更することはできない。


■第六十条(再調査の請求の認容の決定)
前二条の決定は、主文及び理由を記載し、処分庁が記名押印した決定書によりしなければならない。

処分章は、前項の決定所(再調査の請求に係る処分の全部を取り消し、又は撤廃する決定に係るものを除く。)に、再調査の請求に係る処分につき審査請求をすることができる旨(却下の決定である場合にあっては、当該却下の決定が違法な場合に限り審査請求をすることができる旨)並びに審査請求をすべき行政庁及び審査請求期間を記載して、これらを教示しなければならない。


■第六十一条(再調査に関する規定の準用)
第九条第四項、第十条から第十六条まで、第十八条第三項、第十九条(第三項並びに第五項第一号及び第二号を除く。)、第二十条、第二十三条、第二十四条、第二十五条(第三項を除く。)、第三十九条、第五十一条及び第五十三条の規定は、再調査の請求について準用する。この場合において、別表第二の上欄に掲げる規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。


第四章 再審査請求

■第六十二条(再審査請求期間)
再審査請求は、原裁決があったことを知った日の翌日から起算して一月を経過したときは、することができない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。

再審査請求は、原裁決があったことを知った日の翌日から起算して一月を経過したときは、することができない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。


■第六十三条(再審査請求期間)
第六十六条第一項において読み替えて準用する第十一条第二項に規定する審理員又は第六十六条第一項いおいて準用する第九条第一項各号に掲げる機関である再審査庁(ほかの法律の規定により再審査請求がされた行政庁(第六十六条第一項において読み替えて準用する第十四条の規定により引継ぎを受けた行政庁を含む。)をいう。以下同じ、)は、原裁決をした行政庁に対し、原裁決に係る裁決書の送付を求めるものとする。


■第六十四条(再審査請求の却下又は棄却の裁決)
再審査請求が法定の期間経過後にされたものである場合その他不定法である場合には、再審査庁は、裁決で、当該再審査請求を却下する。

再審査庁が理由がない場合には、再審査庁は裁決で、当該再審査請求を棄却する。

再審査請求に係る原裁決(審査請求を却下し、又は棄却したものに限る。)が違法又は不当である場合において、当該審査請求に係る処分が違法又は不当のいずれでもないときは、再審査庁は、裁決で、当該再審査請求を棄却する。

前項に規定する場合のほか、再審査請求に係る原裁決が違法又は不当ではあるが、これを取り消し、又は撤廃することにより公の利益に著しい障害を生ずる場合において、再審査請求人の受ける損害の程度、その損害の賠償又は防止の程度及び方法その他一切の事情を考慮した上、原裁決等を取り消し、又は撤廃することが公共の福祉に適合しないと認めるときは、再審査庁は、裁決の主文で、当該原裁決等が違法又は不当であることを宣言しなければならない。


■第六十五条(再審査請求の認容の裁決)
原裁決等(事実上の行為を除く。)についての再審査請求が理由がある場合(前条第三項に規定する場合及び同条第四項の規定の適用がある場合を除く。)には、再審査庁は、裁決で、当該原裁決等の全部又は一部を取り消す。

事実上の行為についての再審査請求が理由がある場合(前条第四項の規定の適用がある場合を除く。)には、裁決で、当該事実上の行為が違法又は不当である旨を宣言するとともに、処分庁に対し、当該事実上の行為の全部又は一部を撤廃すべき旨を命ずる。


■第六十六条(審査請求に関する規定の準用)
第二章(第九条第三項、第十八条(第三項を除く。)、第十九条第三項並びに第五項第一号及び第二号、第二十二条、第二十五条第二項、第二十九条(第一項を除く。)、第三十条第一項、第四十一条第二項第一号イ及びロ、第四節、第四十五条から第四十九条まで並びに第五十条第三項を除く。)の規定は、再審査請求について準用する、この場合において、別表第三の上欄に掲げる規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。

再審査庁が前項において準用する第九条第一項各号に掲げる機関である場合には、前項において準用する第十七条、第四十条、第四十二条及び第五十条第二項の規定は、適用しない。


第五章 行政不服審査会等

第一節 行政不服審査会等 第一款 設置及び組織

■第六十七条(設置)
総務省に、行政不服審査会(以下「審査会」という。)を置く。

審査会は、この法律の規定によりその権限に属させられた事項を処理する。


■第六十八条(組織)
審査会は委員九人をもって組織する。

委員は、非常勤とする。ただし、そのうち三人以内は、常勤とすることができる。


■第六十九条(委員)
委員は、審査会の権限に属する事項に関し公正な判断をすることができ、かつ、法律又は行政に関して優れた識見を有する者のうちから、両議院の同意を得て、総務大臣が任命する。

委員の任期が満了し、又は欠員を生じた場合において、国会の閉会又は、衆議院の解散のために両議院の同意を得ることができないときは、総務大臣は、前項の規定にかかわらず、同項に定める資格を有する者のうちから、委員を任命することができる。

前項の場合においては、任命後最初の国会で両議院の事後の承認を得なければならない。この場合において、両議院の事後の承認がえられないときは、総務大臣は、直ちにその委員を罷免しなければならない。

委員の任期は、三年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

委員は、再任されることができる。

委員の任期が満了したときは、当該委員は、後任者が任命されるまで引き続きその職務を行うものとする。

総務大臣は、委員が心身の故障のために職務の執行ができないと認める場合又は委員に職務上の義務違反その他委員たるに適しない飛行があると認める場合には、両議院の同意を得て、その委員を罷免することができる。

委員は、職務上知ることができた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。

委員は、在任中、政党その他の政治的団体の役員となり、又は積極的に政治運動をしてはならない。
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常勤の委員は、在任中、総務大臣の許可がある場合を除き、報酬を得て他の職務に従事し、又は営利事業を営み、その他金銭上の利益を目的とする業務を行ってはならない。
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委員の給与は、別に法律で定める。


■第七十条(会長)
審査会に、会長を置き、委員の互選により選任する。

会長は、皆無を総理し、審査会を代表する。

会長に事故があるときは、あらかじめその指名する委員が、その則ムを代理する。


■第七十一条(専門委員)
審査会に、専門の事項を調査させるため、専門委員を置くことができる。

専門委員は、学識経験のある者のうちから、総務大臣が任命する。

専門委員は、学識経験のある者のうちから、総務大臣が任命する。

専門委員は、その者の任命に係る当該専門の事項に関する調査が終了したときは、解任されるものとする。

専門委員は、非常勤とする。


■第七十二条(合議体)
審査会は、委員のうちから、審査会が指名する者三人をもって構成する合議体で、審査請求に係る事件について調査審議する。

前項の規定にかかわらず、審査会が定める場合においては、委員の全員をもって構成する合議体で、審査請求に係る事件について調査審議する。


■第七十三条(事務局)
審査会の事務を処理させるため、審査会に事務局を置く。

事務局に、字句局長のほか、所要に職員を置く。

字句局長は、会長の命を受けて、局務を掌理する。


第二款 審査会の調査審議の手続

■第七十四条(調査権限)
審査会は、必要があると認める場合には、審査請求に係る事件に関し、審査請求人、参加人又は第四十三条第一項の規定により審査会に諮問をした審査庁(以下この款において「審査関係人」という。)にその主張を記載した書面(以下この款において「主張書面」という。)又は資料の提出を求めること、適当と認める者にその知っている事実の陳述又は鑑定を求めることその他必要な調査をすることができる。


■第七十五条(意見の陳述)
審査会は、審査関係人の申立てがあった場合には、当該審査関係人に口頭で意見を述べる機会を与えなければならない。ただし、審査会が、その必要がないと認める場合には、この限りでない。

前項本文の場合において、審査請求人又は参加人は、線酒井の許可を得て、補佐人とともに出頭することができる。


■第七十六条(主張書面等の提出)
審査関係人は、審査会に対し、主張書面又は資料を提出することができる。この場合において、審査会が、主張書面又は資料を提出すべき相当の期間を定めたときは、その期間内にこれを提出しなければならない。


■第七十七条(委員による調査手続)
審査会は、必要があると認める場合には、その指名する委員に、第七十四条の規定による調査をさせ、又は、第七重五条第一項本文の規定による審査関係人の意見の陳述を聴かせることができる。


■第七十八条(提出資料の閲覧等)
審査請求人は、審査会に対し、審査会に提出された主張書面若しくは資料の閲覧(電磁的記録にあっては、記録された事項を審査会が定める方法により表示したものの閲覧)又は当該主張書面若しくは当該資料の写し若しくは当該電磁的記録に記録された事項を記載した書面の交付を求めることができる。この場合において、審査会は、第三者の利益を害するおそれがあると認めるとき、その他正当な理由があるときでなければ、その閲覧又は交付を拒むことができない。

審査会は、前項の規定による閲覧をさせ、又は同項の規定による交付をしようとするときは、当該閲覧又は交付に係る主張書面又は資料の提出人の意見を聴かなければならない。ただし、審査会が、その必要がないと認めるときは、この限りでない。

審査会は、第一項の規定による閲覧について日時及び場所を指定することができる。

第一項の規定による交付を受ける審査請求人又は参加人は、政令で定めるところにより、実費の範囲内において政令で定めるところにより、実費の範囲内において政令で定める額の手数料を納めなければならない。

審査会は、経済的困難その他特別の理由があると認めるときは、政令で定めるところにより、前項の手数料を減額し、又は免除することができる。


■第七十九条(答申書の送付等)
審査会は、指紋に対する投信をしたときは、答申書の写しを審査請求人及び参加人に送付するとともに、答申の内容を公表するものとする。


第三款 雑則

■第八十条(政令への委任)
この法律に定めるもののほか、審査会に関し必要な事項は、政令で定める。


第二節 地方公共団体に置かれる機関

■第八十一条
地方公共団体に、執行機関の附属機関として、この法律の規定によりその権限に属させたれた事項を処理するための機関を置く。

前項の規定にかかわらず、地方公共団体は、当該地方公共団体における不服申立の状況等に鑑み同項の機関をおくことが不適当又は困難であるときは、条例で定めるところにより、事件ごとに、執行機関の附属機関として、この法律の規定によりその権限に属させられた事項を処理するための機関を置くこととすることができる。

前節第二款の規定は、前二項の機関について準用する、この場合において、第七十八条第四項及び第五項中「政令」とあるのは、「条例」と読み替えるものとする。

前三項に定めるもののほか、第一項又は第二項の機関の組織及び運営に関し、必要な条例(地方自治法第二百五十二条の七第一項の規定により共同設置する機関にあっては、同行の規約)で定める。


第六章 補足

■第八十二条(不服申立てをすべき行政庁等の教示)
行政庁は、審査請求若しくは再調査の請求又は他の法令に基づく不服申立て(以下この条において「不服申立て」と総称する。)をすることができる処分をする場合には、処分の相手方に対し、当該処分につき不服申立てをすることができる旨並びに不服申立てをすべき行政庁及び不服申立てをすることができる期間を書面で教示しなければならない。ただし、当該処分を口頭でする場合は、この限りでない。

行政庁は、利害関係人から、当該処分が不服申立てをすることができる処分であるかどうか並びに当該処分が不服申立てをすることができるものである場合における不服申立てをすべき行政庁及び不服申立てをすることができる期間につき教示を求められたときは、当該事項を教示しなければならない。

前項の場合において、教示を求めた者が書面による教示を求めたときは、当該教示は、書面でしなければならない。


■第八十三条(教示をしなかった場合の不服申立て)
行政庁が前条の規定による教示をしなかった場合には、当該処分について不服がある者は、当該処分庁に不服申立書を提出することができる。

第十九条(第五項第一号及び第二号を除く。)の規定は、前項の不服申立書について準用する。

第一項の規定により不服申立書の提出があった場合において、当該処分が処分庁以外の行政庁に対し審査請求をすることができる処分であるときは、処分庁は、速やかに、当該不服申立書を当該行政庁に送付しなければならない。当該処分が他の法令に基づき、処分庁以外の行政庁に不服申立てをすることができる処分であるときも、同様とする。

前項の規定により不服申立書が送付されたときは、初めから当該行政庁に審査請求又は当該法令に基づく不服申立てがされたものとみなす。

第三項の場合を除くほか、第一項の規定により不服申立書が提出されたときは、初めから当該処分庁に審査請求又は当該法令に基づく不服申立てがされたものとみなす。


■第八十四条(情報の提出)
審査請求、再調査の請求若しくは再審査請求又は他の法令に基づく不服申立て(以下この条及び次条において「不服申立て」と総称する。)につき裁決、決定その他処分(同条において「裁決等」という。)をする権限を有する行政庁は、不服申立てをしようとする者又は不服申立てをした者の求めに応じ、不服申立書の記載に関する事項その他の不服申立てに必要な情報の提出に努めなければならない。


■第八十五条(公表)
不服申立てにつき裁決等をする権限を有する行政庁は、当該行政庁がした裁決等の内容その他当該行政庁がした裁決等の内容その他当該行政庁における不服申立ての処理状況について公表するよう努めなければならない。


■第八十六条(政令への委任)
この法律に定めるもののほか、この法律の実施のために必要な事項は、政令で定める。


■第八十七条(罰則)
第六十九条ない八項の規定に違反して秘密を漏らした者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。


行政三法ワープ

行手法



行審法



行訴法



行政事件訴訟法

第一章 総則

■第一条 (この法律の趣旨)
行政事件訴訟については、他の法律に特別の定めがある場合を除くほか、この法律の定めるところによる。


■第二条 (行政事件訴訟)
この法律において「行政事件訴訟」とは。抗告訴訟、当事者訴訟、民衆訴訟及び機関訴訟をいう。


■第三条 (抗告訴訟)
この法律において「抗告訴訟」とは、行政庁の処分その他公権力の行使に関する不服の訴訟をいう。

この法律において「処分の取消しの訴え」とは、行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為(次項に規定する裁決、決定その他の行為を除く。以下単に「処分」という。)の取消しを求める訴訟をいう。

この法律において「裁決の取消しの訴え」とは、審査請求その他の不服申立て(以下単に「審査請求」という。)に対する行政庁の裁決、決定その他の行為(以下単に「裁決」という。)の取消しを求める訴訟をいう。

この法律において「無効確認の訴え」とは、処分若しくは裁決の存否又はその効力の有無の確認を求める訴訟をいう。

この法律において「不作為の違法確認の訴え」とは、行政庁が法令に基づく申請に対し、相当の期間内に何らかの処分又は裁決をすべきであるにかかわらず、これをしないことについての違法の確認を求める訴訟をいう。

この法律において「義務付けの訴え」とは、次に掲げる場合において、行政庁がその処分又は裁決をすべき旨を命ずることを求める訴訟をいう。  一 行政庁が一定の処分をすべきであるにかかわらずこれがされないとき(次号に掲げる場合を除く。)
 二 行政庁に対し一定の処分又は裁決を求める旨の法令に基づく申請又は審査請求がされた場合において、当該行政庁がその処分又は裁決をしてはならない旨を命ずることを求める訴訟をいう。

この法律において「差止めの訴え」とは、行政庁が処分又は裁決をしてはならない旨を命ずることを求める訴訟をいう。



■第四条 (当事者訴訟)
この法律において「当事者訴訟」とは、当事者間の法律関係を確認し又は形成する処分又は裁決に関する訴訟で法令の規定によりその法律関係の訴えその他の公法上の法律関係に関する訴訟をいう。


■第五条 (民衆訴訟)
この法律において「民衆訴訟」とは、国又は公共団体の機関の法規に適合していない行為の是正を求める訴訟で、選挙人たる資格その他自己の法律上の利益にかかわらない資格で提起するものをいう。


■第六条 (機関訴訟)
この法律において「機関訴訟」とは、国又は公共団体の機関相互間における権限の存否又はその行使に関する紛争についての訴訟をいう。


■第七条 (この法律に定めがない事項)
行政事件訴訟に関し、この法律に定めがない事項については、民事訴訟の例による。


第二章 抗告訴訟

第一節 取消訴訟

■第八条 (処分の取消しの訴えと審査請求との関係)
処分の取消しの訴えは、当該処分につき法令の規定により審査請求をすることができる場合においても、直ちに提起することを妨げない。ただし、法律に当該処分についての審査請求に対する裁決を経た後でなければ処分の取消しの訴えを提起することができない旨の定めがあるときは、この限りでない。

前項ただし書の場合においても、次の各号の一に該当するときは、裁決を経ないで、処分の取消しの訴えを提起することができる。
一 審査請求があった日から三箇月を経過しても裁決がないとき。
二 処分、処分の執行又は手続の続行により生ずる著しい損害を避けるため緊急の必要があるとき。
三 その他裁決を経ないことにつき正当な理由があるとき。

第一項本文の場合において、当該処分につき審査請求がされているときは、裁判所は、その審査請求に対する裁決があるまで(審査請求があった日から三箇月を経過しても裁決がないときは、その期間を経過するまで)、訴訟手続を中止することができる。


■第九条 (原告適格)
処分の取消しの訴え及び裁決の取消しの訴え(以下「取消訴訟」という。)は、当該処分又は裁決の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者(処分又は裁決の効果が期間の経過その他の理由によりなくなった後においてもなお処分又は裁決の取消しにとって回復すべき法律上の利益を有する者を含む。)に限り、提起することができる。

裁判所は、処分又は裁決の相手方以外の者について前項に規定する法律上の利益の有無を判断するに当たっては、当該処分又は裁決の根拠となる法令の規定の文言のみによることなく、当該法令の趣旨及び目的並びに当該処分において考慮されるべき利益の内容及び性質を考慮するものとする。この場合において、当該法令の趣旨及び性質を考慮するものとし、当該利益の内容及び性質を考慮するに当たっては、当該処分又は裁決がその根拠となる法令に違反してされた場合に害されるこことなる利益の内容及び性質並びにこれが害される態様及び程度をも勘案するものとする。


■第十条 (取消しの理由の制限)
取消訴訟においては、自己の法律上の利益に関係のない違法を理由として取消しを求めることができない。

処分の取消しの訴えとその処分についての審査請求を棄却した裁決の取消しの訴えとを提起することができる場合には、裁決の取消しの訴えとを提起することができる場合には、裁決の取消しの訴えにおいては、処分の違法を理由として取消しを求めることができない。


■第十一条 (被告適格等)
処分又は裁決をした行政庁(処分又は裁決があった後に当該行政庁の権限が他の行政庁に承継されたときは、当該他の行政庁。以下同じ。)が国又は公共団体に所属する場合には、取消訴訟は、次の各号に掲げる訴えの区分に応じてそれぞれ当該各号に定める者を被告として提起しなければならない。
一 処分の取消しの訴え
当該処分をした行政庁の所属する国又は公共団体
二 裁決の取消しの訴え
当該裁決をした行政庁の所属する国又は公共団体

処分又は裁決をした行政庁が国又は公共団体に所属しない場合には、取消訴訟は、当該行政庁を被告として提起しなければならない。

前二項の規定により被告とすべき国若しくは公共団体に所属しない場合には、取消訴訟は、当該行政庁を被告として提起しなければならない。

第一項又は前項の規定により国又は公共団体を被告として取消訴訟を提起する場合には、訴状には、民事訴訟の例により記載すべき事項のほか、次の各号に掲げる訴えの区分に応じてそれぞれ当該各号に定める行政庁を記載するものとする。
一 処分の取消しの訴え 当該処分をした行政庁
二 裁決の取消しの訴え 当該裁決をした行政庁

第一項又は第三項の規定により国又は公共団体を被告として取消訴訟が提起された場合には、被告は、遅滞なく、裁判所に対し、前項各号に掲げる訴えの区分に応じてそれぞれ当該各号に定める行政庁を明らかにしなければならない。

処分又は裁決をした行政庁は、当該処分又は裁決に係る第一項の規定による国又は公共団体を被告とする訴訟について、裁判上の一切の行為をする権限を有する。


■第十二条 (管轄)
取消訴訟は、被告の普通裁判籍の所在地を管轄する裁判所又は処分若しくは裁決をした行政庁の所在地を管轄する裁判所の管轄に属する。

土地の収用、鉱業権の設定その他不動産又は特定の場所に係る処分又は裁決についての取消訴訟は、その不動産又は場所の所在地の裁判所にも、提起することができる。

取消訴訟は、当該処分又は裁決に関し事案の処理に当たった下級行政機関の所在地の裁判所にも、提起することができる。

国又は独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項に規定する独立行政法人若しくは別表に掲げる法人を被告とする取消訴訟は、原告の普通裁判籍の所在地を管轄する高等裁判所の所在地を管轄する地方裁判所(次項において「特定管轄裁判所」という。)にも、提起することができる。

前項の規定により特定管轄裁判所に同項の取消訴訟が提起された場合であって、他の裁判所に事実上及び法律上同一の原因に基づいてされた処分又は裁決に係る抗告訴訟が係属している場合においては、当該特定管轄裁判所は、当事者の住所又は所在地、尋問を受けるべき証人の住所、争点又は証拠の共通性その他の事情を考慮して、相当と認めるときは、申立てにより又は職権で、訴訟の全部又は一部について、当該他の裁判所又は第一項から第三項までに定める裁判所に移送することができる。


■第十三条 (関連請求に係る訴訟の移送)
取消訴訟と次の各号の一つに該当する請求(以下「関連請求」という。)に係る訴訟とが各別の裁判所に係属する場合において、相当と認めるときは、関連請求に係る訴訟の係属する裁判所は、申立てにより又は職権で、その訴訟を取消訴訟の係属する裁判所に移送することができる。ただし、取消訴訟又は関連請求に係る訴訟の係属する裁判所が高等裁判所であるときは、この限りでない。
一 当該処分又は裁決に関連する原状回復又は損害賠償の請求
二 当該処分とともに一個の手続を構成する他の処分の取消しの請求
三 当該処分に係る裁決の取消しの請求
四 当該裁決に係る処分の取消しの請求
五 当該処分又は裁決の取消しを求める他の請求
六 その他当該処分又は裁決の取消しの請求と関連する請求


■第十四条 (出訴期間)
取消訴訟は、処分又は裁決があったことを知った日から六箇月を経過したときは、提起することができない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。

取消訴訟は、処分又は裁決の日から一年を経過したときは、提起することができない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。

処分又は裁決につき審査請求をすることができる場合又は行政庁が誤って審査請求をすることができる旨を教示した場合又は裁決に係る取消訴訟は、その審査請求をしたものについては、前二項の規定にかかわらず、これに対する裁決があったことを知った日から六箇月を経過したとき又は当該裁決の日から一年を経過したときは、提起することができない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。


■第十五条 (被告を誤った訴えの救済)
取消訴訟において、原告が故意又は重大な過失によらないで被告とすべき者を誤ったときは、裁判所は、原告の申立てにより、決定をもって、被告を変更することを許すことができる。

前項の決定は、書面でするものとし、その正本を新たな被告に送達しなければならない。

第一項の決定があったときは、出訴期間の尊守については、新たな被告に対する訴えは、最初に訴えを提起した時に提起されたものとみなす。

第一項の決定があったときは、従前の被告に対しては、訴えの取下げがあったものとみなす。

第一項の決定に対しては、不服を申し立てることができない。

第一項の申立てを却下する決定に対しては、即時抗告をすることができる。

上訴審において第一項の決定をしたときは、裁判所は、その訴訟を管轄裁判所に移送しなければならない。


■第十六条 (請求の客観的併合)
取消訴訟には、関連請求に係る訴えを併合することができる。

前項の規定により訴えを併合する場合において、取消訴訟の第一審裁判所が高等裁判所であるときは、関連請求に係る訴えの被告の同意を得なければならない。被告が異議を述べないで、本案について弁論をし、又は弁論準備手続において申述をしたときは、同意したものとみなす。


■第十七条 (共同訴訟)
数人は、その数人の請求又はその数人に対する請求が処分又は裁決の取消しの請求と関連請求とである場合に限り、共同訴訟人として訴え、又は訴えられることができる。

前項の場合には、前条第二項の規定を準用する。


■第十八条 (第三者による請求の追加的併合)
第三者は、取消訴訟の口頭弁論の終結に至るまで、その訴訟の当事者の一方を被告として、関連請求に係る訴えをこれに併合して提起することができる。この場合において、当該取消訴訟が高等裁判所に係属しているときは、第十六条第二項の規定を準用する。


■第十九条 (原告による請求の追加的併合)
原告は、取消訴訟の口頭弁論の終結に至るまで、関連請求に係る訴えをこれに併合して提起することができる。この場合において、当該取消訴訟が高等裁判所に係属しているときは、第十六条第二項の規定を準用する。

前項の規定は、取消訴訟にちうて民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第百十三条の規定の例によることを妨げない。


■第二十条
前条第一項前段の規定により、処分の取消しの訴えをその処分についての審査請求を棄却した裁決の取消しの訴えに併合して提起する場合には、同項後段において準用する第十六条第二項の規定にかかわらず、処分の取消しの訴えの被告の同意を得ることを要せず、また、その提起があったときは、出訴期間の尊守については、処分の取消しの訴えは、裁決の取消しの訴えを提起した時に提起されたものとみなす。


■第二十一条(国又は公共団体に対する請求への訴えの変更)
裁判所は、取消訴訟の目的たる請求を当該処分又は裁決に係る事務の帰属する国又は公共団体に対する損害賠償その他の請求に変更することが相当であると認めるときは、請求の基礎に変更がない限り、口頭弁論の終結に至るまで、原告の申立てにより、決定をもって、訴えの変更を許すことができる。

前項の決定には第十五条第二項の規定を準用する。

裁判所は、第一項の規定により訴えの変更を許す決定をするには、あらかじめ、当事者及び損害賠償その他の請求に係る訴えの被告の意見をきかなければならない。

訴えの変更を許す決定に対しては、即時抗告をすることができる。

訴えの変更を許さない決定に対しては、不服を申し立てることができない。


■第二十二条(第三者の訴訟参加)
裁判所は、訴訟の結果により権利を害される第三者があるときは、当事者若しくはその第三者の申立てにより又は職権で、決定をもって、その第三者を訴訟に参加させることができる。

裁判所は、前項の決定をするには、あらかじめ、当事者又は第三者の意見をきかなければならない。

第一項の申立てをした第三者は、その申立てを却下する決定に対して即時抗告をすることができる。

第一項の規定により訴訟に参加した第三者については、民事訴訟法第四十条第一項から第三項までの規定を準用する。

第一項の規定により第三者が参加の申立てをした場合には、民事訴訟法第四十五条第三項及び第四項の規定を準用する。


■第二十三条(第三者の訴訟参加)
裁判所は、処分又は裁決をした行政庁以外の行政庁を訴訟に参加させることが必要であると認めるときは、当事者若しくはその行政庁の申立てにより又は職権で、決定をもって、その行政庁を訴訟に参加させることができる。

裁判所は、前項の決定をするには、あらかじめ、当事者及び当該行政庁の意見をきかなければならない。

第一項の規定により訴訟に参加した行政庁については、民事訴訟法第四十五条第一項及び第二項の規定を準用する。


■第二十三条の二(釈明処分の特則)
裁判所は、訴訟関係を明瞭にするため、必要があると認めるときは、次に掲げる処分をすることができる。
一 被告である国若しくは公共団体に所属する行政庁又は被告である行政庁に対し、処分又は裁決の内容、処分又は裁決の根拠となる法令の条項、処分又は裁決の原因となる事実その他処分又は裁決の理由を明らかにする資料(次項に規定する審査請求に係る事件の記録を除く。)であって当該行政庁が保有するものの全部又は一部の提出を求めること。
二 前号に規定する行政庁以外の行政庁に対し、同号に規定する資料であって当該行政庁が保有するものの全部又は一部の送付を嘱託すること。

裁判所は、処分についての審査請求に対する裁決を経た後に取消訴訟の提起があったときは、次に掲げる処分をすることができる。
一 被告である国若しくは公共団体に所属する行政庁又は被告である行政庁に対し、当該審査請求に係る事件の記録であって当該行政庁が保有するものの全部又は一部の提出を求めること。
二 前号に規定する行政庁以外の行政庁に対し、同号に規定する事件の記録であって当該行政庁が保有するものの全部又は一部の送付を嘱託すること。


■第二十四条(職権証拠調べ)
裁判所は、必要があると認めるときは、職権で、証拠調べをすることができる。ただし、その証拠調べの結果について、当事者の意見をきかなければならない。


■第二十五条(執行停止)
処分の取消しの訴えの提起は、処分の効力、処分の執行又は手続きの続行を妨げない。

処分の取消しの訴えの提起があった場合において、処分、処分の執行又は手続きの続行により生ずる重大な損害を避けるため緊急の必要があるときは、裁判所は、申立てにより、決定をもって、処分の効力、処分の執行又は手続の続行の全部又は一部の停止(以下「執行停止」という。)をすることができる。ただし、処分の効力の停止は、処分の執行又は手続の続行の停止によって目的を達することができる場合には、することができない。

裁判所は、前項に規定する重大に損害を生ずるか否かを判断するに当たっては、損害の回復の困難の程度を考慮するものとし、損害の回復の困難の程度を考慮するものとし、損害の性質及び程度並びに処分の内容及び性質をも勘案するものとする。

執行停止は、公共の福祉に重大な影響を及ぼすおそれがあるとき、又は本案について理由がないとみえるときは、することができない。

前二項の決定は、疎明に基づいてする。

前二項の決定は、口頭弁論を経ないですることができる。ただし、あらかじめ、当事者の意見をきかなければならない。

前二項の申立てに対する決定に対しては、即時抗告をすることができる。

第二項の決定に対する即時抗告は、その決定の執行を停止する効力を有しない。


■第二十六条(事情変更による執行停止の取消し)
執行停止の決定が確定した後に、その理由が消滅し、その他次条が変更したときは、裁判所は、相手方の申立てにより、決定をもって、執行停止の決定を取り消すことができる。

前項の申立てに対する決定及びこれに対する不服については、前条第五項から第八項までの規定を準用する。


■第二十七条(内閣総理大臣の異議)
第二十五条第二項の申立てがあった場合には、内閣総理大臣は、裁判所に対し、異議を述べることができる、執行停止の決定があった後においても、同様とする。

前項の異議には、理由を附さなければならない。

前項の異議の理由においては、内閣総理大臣は、処分の効力を存続し、処分を執行し、又は手続を続行しなければ、公共の福祉に重大な影響を及ぼすおそれのある事情を示すものとする。

第一項の意義があったときは、裁判所は、執行停止をすることができず、また、すでに執行停止の決定をしているときは、これを取り消さなければならない。

第一項後段の異議は、執行停止の決定をした裁判所に対して述べなければならない。ただし、その決定に対する抗告が抗告裁判所に係属しているときは、抗告裁判所に対して述べなければならない。

内閣総理大臣は、やむをえない場合でなければ、第一項の異議を述べてはならず、また、異議を述べたときは、次の常会において国会にこれを報告しなければならない。


■第二十八条(執行停止等の管轄裁判所)
執行停止又はその決定の取消しの申立ての管轄裁判所は、本案の係属する裁判所とする。


■第二十九条(執行停止に関する規定の準用)
前四条の規定は、裁決の取消しの訴えの提起があった場合における執行停止に関する事項について準用する。


■第三十条(裁量処分の取消し)
行政庁の裁量処分については、裁量権の範囲をこえ又はその濫用があった場合に限り、裁判所は、その処分を取り消すことができる。


■第三十一条(特別の事情による請求の棄却)
取消訴訟については、処分又は裁決が違法ではあるが、これを取り消すことにより公の利益に著しい障害を生ずる場合において、原告の受ける損害の程度、その損害の賠償又は防止の程度及び方法その他一切の事情を考慮したうえ、処分又は裁決を取り消すことが公共の福祉に適合しないと認めるときは、裁判所は、請求を棄却することができる。この場合には、当該判決の主文において、処分又は裁決が違法であることを宣言しなければならない。

裁判所は、相当と認めるときは、終局判決前に、判決をもって、処分又は裁決が違法であることを宣言することができる。

終局判決に事実及び理由を記載するには、前項の判決を引用することができる。


■第三十二条(取消判決等の効力)
処分又は裁決を取り消す判決は、第三者に対しても効力を有する。

前項の規定は、執行停止の決定又はこれを取り消す決定に準用する。


■第三十三条
処分又は裁決w取り消す判決は、その事件について、処分又は裁決をした行政庁その他の関係行政庁を拘束する。

申請を却下し若しくは棄却した処分又は審査請求を却下し若しくは棄却した裁決が判決により取り消されたときは、その処分又は裁決をした行政庁は、判決の趣旨に従い、改めて申請い対する処分又は審査請求に対する裁決をしなければならない。

前項の規定は、申請に基づいてした処分又は審査請求を認容した裁決が判決により手続に違法があることを理由として取り消された場合に準用する。

第一項の規定は、執行停止の決定に準用する


■第三十四条(第三者の再審の訴え)
処分又は裁決を取り消す判決により権利を害された第三者で、自己の責めに帰することができない理由により訴訟に参加することができなかったため判決に影響を及ぼすべき攻撃又は防御の方法を提出することができなかったものは、これを理由として、確定の終局判決に対し、最新の訴えをもって、不服の申立てをすることができる。

前項の訴えは、確定判決を知った日から三十日以内に提起しなければならない。

前項の期間は、不変期間とする。

第一項の訴えは、判決が確定した日から一年を経過したときは、提起することができない。


■第三十五条(訴訟費用の裁判の効力)
国又は公共団体に所属する行政庁が当事者又は参加人である訴訟における確定した訴訟費用の裁判は、当該行政庁が所属する国又は公共団体に対し、又はそれらの者のために、効力を有する。


第二節 その他の抗告訴訟

■第三十六条(無効等確認の訴えの原告適格)
無効等確認の訴えは、当該処分又は裁決に続く処分により損害を受けるおそれのある者その他当該処分又は裁決の無効等の確認を求めるにつき法律上の利益を有する者で、当該処分若しくは裁決の存否又はその乞うryくの有無を前提とする現在の法律関係に関する訴えによって目的を達することができないものに限り、提起することができる。


■第三十七条の二(義務付けの訴えの要件等)
第三条第六項第一号に掲げる場合において、義務付けの訴えは、一定の処分がされないことにより重大な損害を生ずるおそれがあり、かつ、その損害を避けるため他に適当な方法がないときに限り、提起することができる。

裁判所は、前項に規定する重大な損害を生ずるか否かを判断するに当たっては、損害の回復の困難の程度を考慮するものとし、損害の性質及び程度並びに処分の内容及び性質をも勘案するものとする。

第一項の義務付けの訴えは、行政庁が一定の処分をすべき旨を命ずることを求めるにつき法律上の利益を有する者に限り、提起することができる。

前項に規定する法律上の利益の有無の判断については、第九条第二項の規定を準用する。

義務付けの訴えが第一項及び第三項に規定する要件に該当する場合において、その義務付けの訴えに係る処分につき、行政庁がその処分をすべきであることがその処分の根拠となる法令の規定から明らかであると認められ又は行政庁がその処分をしないことがその裁量権の範囲を超え若しくはその濫用となると認められるときは、裁判所は、行政庁がその処分をすべき旨を命ずる判決をする。


■第三十七条の三
第三条第六項第二号に掲げる場合において、義務付けの訴えは、次の各号に掲げる要件のいずれかに該当するときに限り、提起することができる。
一 当該法令に基づく申請又は審査請求に対し相当の期間内に何らかの処分又は裁決がされないこと。
二 当該法令に基づく申請又は審査請求を却下し又は棄却する旨の処分又は裁決がされた場合において、当該処分又は裁決がされた場合において、当該処分又は裁決が取り消されるべきものであり、又は無効若しくは不存在であること。

前項の義務付けの訴えは、同項各号に規定する法令に基づく申請又は審査請求をした者に限り、提起することができる。 3
第一項の義務付けの訴えを提起するときは、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める訴えをその義務付けの訴えに併合して提起しなければならない。この場合において、当該各号に定める訴えに係る訴訟の管轄は、第三十八条第一項において準用する第十二条の規定にかかわらず、その定めに従う。
一 第一項第一号に掲げる要件に該当する場合、同号に規定する処分又は裁決に係る不作為の違法確認の訴え
二 第一項第二号に掲げる要件に該当する場合、同号に規定する処分又は裁決に係る取消訴訟又は無効等確認の訴え

前項の規定により併合して提起さいれた義務付けの訴え及び同項各号に定める訴えに係る弁論及び裁判は、分離しないでしなければならない。

義務付けの訴えが第一項から第三項までに規定する要件に該当する場合において、同項各号に定める訴えに係る請求に理由があると認められ、かつ、その義務付けの訴えに係る処分又は裁決につき、行政庁がその処分若しくは裁決の根拠となる法令の規定から明らかであると認められ又は行政庁がその処分若しくは裁決をしないことがその裁量権の範囲を超え若しくはその濫用となると認められるときは、裁判所は、その義務付けの訴えに係る処分又は裁決をすべき旨を命ずる判決をする。

第四項の規定にかかわらず、裁判所は、審理の状況その他の事情を考慮して、第三項各号に定める訴えについてのみ終局判決をすることがより迅速な争訟の解決に資すると認めるときは、当該訴えについてのみ終局判決をすることができる。この場合において、裁判所は、当該訴えについてのみ終局判決をしたときは、当事者の意見を聴いて、当該訴えに係る訴訟手続が完結するまでの間、義務付けの訴えに係る訴訟手続を中止することができる。

第一項の義務付けの訴えのうち、行政庁が一定の裁決をすべき旨を命ずることを求めるものは、処分についての審査請求がされた場合において、当該処分に係る処分の取消しの訴え又は無効等確認の訴えを提起することができないときに限り、提起することができる。


■第三十七条の四(差止めの訴えの要件)
差止めの訴えは、一定の処分又は裁決がされることにより重大な損害を生ずるおそれがある場合に限り、提起することができる。ただし。その損害を避けるため他に適当な方法があるときは、この限りでない。

裁判所は、前項に規定する重大な損害を生ずるか否かを判断するに当たっては、損害の回復の程度を考慮するものとし、損害の回復の困難の程度を考慮するものとし、損害の性質及び程度並びに処分又は裁決の内容及び性質をも勘案するものとする。

差止めの訴えは、行政庁が一定の処分又は裁決をしてはならない旨を命ずることを求めるにつき法律上の利益を有する者に限り、提起することができる。

前項に規定する法律上の利益の有無の判断については、第九条第二項の規定を準用する。

差止めの訴えが第一項及び第三項に規定する要件に該当する場合において、その差止めの訴えに係る処分又は裁決のつき、行政庁がその処分若しくは裁決の根拠となる法令の規定から明らかであると認められ、又は行政庁がその処分若しくは裁決をすることがその濫用となると認められるときは、裁判所は、行政庁がその処分又は裁決をしてはならない旨を命ずる判決をする。


■第三十七条の五(仮の義務付け及び仮の差止め)
義務付けの訴えの提起があった場合において、その義務付けの訴えに係る処分又は裁決がされないことにより生ずる償うことができない損害を避けるため緊急の必要があるとみえるときは、裁判所は、申立てにとり、決定をもって、仮に行政庁がその処分又は裁決をすべき旨を命ずること(以下この条において「仮の義務付け」という。)ができる。

差止めの訴えの提起があった場合において、その差止めの訴えに係る処分又は裁決がされることにより生ずる償うことのできない損害を避けるため緊急の必要があり、かつ、本案について理由があるとみえるときは、裁判所は、申立てにより、決定をもって、借りに行政庁がその処分又は裁決をしてはならい旨を命ずること(以下この条において「仮の差止め」という。)ができる。

差止めの訴えの提起があった場合において、その差止めの訴えに係る処分又は裁決がされることにより生ずる償うことのできない損害を避けるため緊急の必要があり、かつ、本案について理由があるとみえるときは、裁判所は、申立てにより、決定をもって、仮に行政庁がその処分又は裁決をしてはならない旨を命ずること(以下この条において「仮の差止め」という。)ができる。

仮の義務付け又は仮の差止めは、公共の福祉に重大な影響を及ぼすおそれがあるときは、することができない。

第二十五条第五項から第八項まで、第二十五条第五項から第八項まで、第二十六条から第二十八条まで及び第三十三条第一項の規定は、仮の義務付け又は仮の差止めに関する事項について準用する。

前項において準用する第二十五条第七項の即時抗告についての裁判又は前項において準用する第二十六条第一項の決定により仮の義務付けの決定が取り消されたときは、当該行政庁は、当該仮の義務付けの決定に基づいてした処分又は裁決を取り消さなければならない。


■第三十八条(取消訴訟に関する規定の準用)
第十一条から第十三条まで、第十六条から第十九条まで、第二十一条から第二十三条まで、第二十四条、第三十三条及び第三十五条の規定は、取消訴訟以外の抗告訴訟について準用する。

第十条第二項の規定は、処分の無効等確認の訴えとその処分についての審査請求を棄却した裁決に係る抗告訴訟とを提起することができる場合に、第二十条の規定は、処分の無効等確認の訴えをその処分についての審査請求を棄却した裁決に係る抗告訴訟に併合して提起する場合に準用する。

第二十三条の二、第二十五条から第二十九条まで及び第三十二条二項の規定は、無効等確認の訴えについて準用する。

第八条及び第十条第二項の規定は、不作為の違法確認の訴えに準用する。


第三章 当事者訴訟

■第三十九条(出訴の通知)
当事者間の法律関係を確認し又は形成する処分又は裁決に関する訴訟で、法令の規定によりその法律関係の当事者の一方を被告とするものが提起されたときは、裁判所は、当該処分又は裁決をしたときは、裁判所は、当該処分又は裁決をした行政庁にその旨を通知するものとする。


■第四十条(出訴期間の定めがある当事者訴訟)
法令に出訴期間の定めがある当事者訴訟は、その法令に別段の定めがある場合を除き、正当な理由があるときは、その期間を経過した後であっても、これを提起することができる。

第十五条の規定は、法令に出訴期間の定めがある当事者訴訟について準用する。


■第四十一条(抗告訴訟に関する規定の準用)
第二十三条、第二十四条、第三十三条第一項及び第三十五条の規定は当事者訴訟について、第二十三条の二の規定は当事者訴訟における処分又は裁決の理由を明らかにする資料の提出について準用する。

第十三条の規定は、当事者訴訟とその目的たる請求と関連請求の関係にある請求に係る訴訟とが各別の裁判所に係属する場合における移送に、第十六条から第十九条までの規定は、これらの訴えの併合について準用する。


第四章 民衆訴訟及び機関訴訟

■第四十二条(訴えの提起)
民衆訴訟及び機関訴訟は、法律に定める場合において、法律に定める者に限り、提起することができる。


■第四十三条(抗告訴訟又は当事者訴訟に関する規定の準用)
民衆訴訟又は機関訴訟で、処分又は裁決の取消しを求めるものについては、第九条及び第十条第一項の規定を除き、取消訴訟に関する規定を準用する。

民衆訴訟又は機関訴訟で、処分又は裁決の無効の確認を求めるものについては、第三十六条の規定を除き、無効等確認の訴えに関する規定を準用する。

民衆訴訟又は機関訴訟で、前二項に規定する訴訟以外のものについては、第三十九条及び第四十条第一項の規定を除き、当事者訴訟に関する規定を準用する。


第五章 補則

■第四十四条(仮処分の排除)
行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為については、民事保全法(平成元年法律第九十一号)に規定する仮処分をすることができない。


■第四十五条(処分の効力等を争点とする訴訟)
私法上の法律関係に関する訴訟において、処分若しくは裁決の存否又はその効力の有無が争われている場合には、第二十三条第一項及び第二項並びに第三十九条の規定を準用する。

前項の規定により行政庁が訴訟に参加した場合には、民事訴訟法第四十五条第一項及び第二項の規定を準用する。ただし、攻撃又は防御の方法は、当該処分若しくは裁決の存否又はその効力の有無に関するものに限り、提起することができる。

第一項の規定により行政庁が訴訟に参加した後において、処分若しくは裁決の存否又はその効力の有無に関する争いがなくなったときは、裁判所は、参加の決定を取り消すことができる。

第一項の場合には、当該争点について第二十三条の二及び第二十四条の規定を、訴訟費用の裁判について第三十五条の規定を準用する。


■第四十六条(取消訴訟等の提起に関する事項の教示)
行政庁は、取消訴訟を提起することができる処分又は裁決をする場合には、当該処分又は裁決の相手方に対し、次に掲げる事項を書面で教示しなければならない。ただし、当該処分を口頭でする場合は、この限りでない。
一 当該処分又は裁決に係る取消訴訟の被告とすべき者
二 当該処分又は裁決に係る取消訴訟の出訴期間
三 法律に当該処分についての審査請求に対する裁決を経た後でなければ処分の取消しの訴えを提起することができない旨の定めがあるときは、その旨

行政庁は、法律に処分についての審査請求に対する裁決に対してのみ取消訴訟を提起することができる旨の定めがある場合において、当該処分をするときは、当該処分の相手方に対し、法律にその定めがある旨を書面で教示しなければならない。ただし、当該処分を口頭でする場合は、この限りでない。

行政庁は、当事者間の法律関係を確認し又は形成する処分又は裁決に関する訴訟で法令の規定によりその法律関係の当事者の一方を被告とするものを提起することができる処分又は裁決をする場合には、当該処分又は裁決の相手方に対し、次に掲げる事項を書面で教示しなければならない。ただし、当該処分を口頭でする場合には、この限りでない。
一 当該訴訟の被告とすべき者
二 当該訴訟の出訴期間


資格取得

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